読了>犬の生活
長年、ジェフについて「犬の生活」と言うWEBマガジンを連載されている、ライターの西部さん。
紆余曲折の十数年を送っているジェフにをテーマにされているだけに、時に厳しく、時にかなりぶっちゃけた内容を書かれていますが、意外にも、それが本になるのはこれが初めて。
(まあ、内容がニッチ過ぎるからだろうけど)
コロナ禍に振り回された2020年を、月ごと、試合ごとに日記形式で振り返っています。
読み終わって、14位と肉でも魚でも無かったシーズンをよく最後まで書ききったものだなあと思うとともに、「そういえば、5失点が二試合もあったなあ」とか「アディショナルタイムにやられまくったんだよなあ」とか。
忘れてた(記憶から消してた)生傷を抉られたり、クレーベとか、今年はもう居ない選手がやたら多いので、遠い目をしてみたりと、新しいシーズンが始まる前に、現状認識をするのは、最適な一冊となっています。
本全体を通して、記者兼サポと言う立ち位置で書かれているので、全体を通しながらもスタジアムの空気に触れた内容はごくわずか。(応援の有無とか、アウェイ解禁とか)
チームとしての成長の過程、出来たこと・出来なかったことに力点。
全体を通してワリとキモになっているのは、1月・2月の章。
本の帯にもある『大事なのはリセットよりも継続』といった件が、過去を振り返りつつ、ジェフがなぜ長年J2の沼にハマってしまっているのか、原因が書かれています。
古参のジェフサポには、耳に痛い内容であり、
J2に落ちてからジェフサポになった方には、歴史を知る手掛かりとして、
他サポにとっては反面教師として。興味深い内容になっているのでは。
ふらふらと方針の揺らぐジェフを理解するのには、同じ西部さんの著書で、KindleUnlimitedの対象にもなっている「サッカー右翼 サッカー左翼」を合わせて読むのがおすすめ。
攻撃的なサッカー、守備的なサッカー。
どちらにも理由はあるとはいえ、勝つために守備的なサッカーを選択した時。勝てれば良いものの、勝利が追いついてこないと、「観る側」のフラストレーションは溜まる。
そして、それがともすれば「リセット」のトリガーになりかねない。
そこは心に止めておきたいもの。
個人的には、本の最後にまとめとして、今期のジェフへの提言でもあるのかと思っていましたが、そういった内容はありませんでした。少々残念。
そのあたりは、過去のWEBマガジンで書ききっていたのかも。
明日2/28、ジェフも2021シーズン開幕となりますが、昨年を忘れず、足元を見つめて応援するために、「今」、読んでおいて損は無いと思います。
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