第24回ちばぎんカップ vs柏 ○2-2(6PK5)
- 2019.02.17
- GAME REPORT 雑感
今年のオフは少し長く感じた。
昨年、昇格の可能性が消えてからも、チームからの発信は少なく、
期待の大きかった2018年が、どうして期待外れの結果に終わったのか、
その事に納得が出来ないまま、シーズンは終わり、そして年が明けていた。
オフにクラブから発信された、
高橋GM、前田社長、またUNITED誌での高橋GMのインタビューで、
一応の総括はされているものの。
そこで語られていた低迷の理由と改善策は、メンタルやコミュニケーションに方策を求めたもので、
モヤモヤとした思いを払拭するも程、具体的な内容ではなかった。
結局、いちサポーターとしては、今季のピッチで表現されるサッカーの質でしか、
何がどう変わったか、つぶさに感じ取る事は出来ない。
開幕まで一週間。
ちばぎんカップは、その意味で今季の「変化」を直接感じ取る事が出来る大切な機会だ。
入場して程なく、スタメンがレイソルの公式から先に伝わって来た。概ね予想通りのメンバー。サブまで目を通して、寿人や浩平、ベラスケスがメンバーに入って居ないことを確認する。
やはり今年のメンバーも、まず17人に入ることが難しい事を改めて実感する。
スタメンは下記の通り。
メディアで度々言及されているように、昨年は4-3-3のアンカーシステムに最後まで拘っていたエスナイデル監督だったが、今年は少し柔軟に4-2-3-1のドイスボランチ(船山システム)を、このちばぎんから採用してきた。今後、状況に応じて使い分ける事になるだろう。
メディアで度々言及されているように、昨年は4-3-3のアンカーシステムに最後まで拘っていたエスナイデル監督だったが、今年は少し柔軟に4-2-3-1のドイスボランチ(船山システム)を、このちばぎんから採用してきた。今後、状況に応じて使い分ける事になるだろう。
もちろん、このシステムにしたからといって、人数が増えるわけでもない。
ただ、ピッチに人を配置したときに、狙いやすい「穴」は小さくなる。バランスはいい。
試合前、自分はポイントを3つ置いて試合に臨んだ。
・チームとしての守備
・也真人が抜けた攻撃
・新戦力のプレー
これらが、試合でどう表現されるか。
試合の結果に関わらず、おそらく柏は、今季のJ2リーグを引っ張っていく存在になるだろう。その柏相手に、現時点でどの程度やれるかで、ジェフの現在位置を知ることが出来る。
最初のプレーから積極的に前に出るジェフ。
序盤で早くも理解出来たのは、トップに入ったアランが、予想以上に効いていること。ボールを追いかけるし、身体も張れる。身勝手なプレーが無く、周囲に気を配れる。
Jリーグに「慣れている」プレーぶり。
その少し後ろに「10番」船山がポジションを取り、右に堀米、左に茶島。ただ、この2人の位置取りは流動的で、試合の中の判断で入れ替わることもあれば、ベンチからの指示で替わる事もあった。
最初にガツッと、ジャブを当てると、柏も自らの仕上がり具合を確かめ得るように、中盤でプレッシャーをかけ、ジェフからボールを奪うと素早く前線にボールを供給していく。
柏は、4-1-4-1のシステムで、中盤の底にヒシャルジソン。右にガブリエルと、新加入のブラジル人選手を配置。他にも瀬川をはじめ、厄介なメンツが並ぶ。当然ながら、個々の技術は確かで、ヌルいプレーをすれば、その隙を衝かれてしまう。
特に目を見張ったのは、ヒシャルジソンで、ポジション取りが良い。ジェフからすれば、通したいパスのコースをしっかりとケアしていて、カットされてしまう。
派手さは無いけれども、運動量と粘り強さと、読みの良さ。。。ああ、そうか、書いていて思った。
明神の機動力を一回り上げたような感じだ。
明神の機動力を一回り上げたような感じだ。
彼がボールに寄せてくると、ジェフはなかなかタテにボールを運べない。
仕方なく、迂回してサイドに展開するものの、コースを絞られ、なかなかクロスや、シュートまでは持っていく事が出来ない。
ただ、序盤は五分五分の展開。
ジェフは、アンドリューが、中盤で相手を潰し、ディフェンスラインの裏へ送り込まれて来るボールは、増嶋に統率されたエベルトやゲリアが、快足と長いリーチで粘り強く守って、攻撃の目を詰んでいく。
一発で裏を取られるようなシーンは見られず、なかなかバランスが良い、試合への入りだった。
3週間に渡ったキャンプでの共同生活のお陰だろうか。
エベルトにしても、ゲリアにしても、去年よりもチームに馴染んでいる。
が、先に失点したのはジェフだった。
失点の直前まで、攻め込んでいたのはジェフ。
右の狭いエリアでの攻防からボールが中央へこぼれ、ゲリアが追走していく。
そのボールを相手に握られ、カウンター。
ちょうどゲリアが攻め上がって空白になったスペースを衝いていた瀬川に繋がれ、人数は揃っていたものの、シュートが増嶋の足に当たってコースが変わり、ゴールに流し込まれてしまった。
前掛かりになりすぎ、カウンターのカバーまで人が足りていなかった。
今後もあり得る、反省点の多いシーンだった。
先制点の後、レイソルは一段ギアを上げた。
程なくジェフが追いついたから、その時間帯は長くなかったけれども、「追撃戦」に入ったようだった。先制点の流れのまま、プレッシャーを強めて一気に試合を決めきる、そんな怖さを感じた数分間だった。
ジェフの同点弾はセットプレーから。
キッカーは新加入の堀米。
ショートコーナーではなく、素直なキックがエベルトの頭を捉え、強烈なヘッドが中村航輔
の手を弾いてゴール。近藤、ラリベイ、指宿が抜けても、高さと言う武器が失われていない事を証明してみせた。
の手を弾いてゴール。近藤、ラリベイ、指宿が抜けても、高さと言う武器が失われていない事を証明してみせた。
同点となり、試合展開は再び膠着。
柏も、ギアを戻して、シュートまで繋がるシーンがなかなか訪れない。
その代わりに、両軍とも締まった守備を見せる。
ジェフのディフェンスラインは高めながら、柏がボールを持ったときに、囲む動作がスムーズになっている。コースを限定すると、柏は状況を打開する為に、前にボールを送り込んで来る。すると、その先ではエベルトvsクリスチアーノ、ゲリアvs瀬川をはじめ、そこかしこで局地戦が展開される。
クロスを上げさせない、シュートを撃たせない、攻防は見応えがあった。
その一方、回数は多くないとは言え、ミスから決定機を作られる事もあった。事なきは得たものの、守備の課題は依然として残っているようだった。ただ、そうしたシーンの回数は減っている。
両軍ともスコアは動かせず、じりじりとした展開で前半は終了。
後半に入り、柏は長身で身体能力も高い、オルンガを前線に投入。
外国籍選手4人が同時にピッチに立った。
開始早々に危ないシーンを迎えたものの、これを凌ぐと、後半、ペースを握り続けたのはジェフだった。
柏は、若干、イメージしていたよりもプレースピードが遅い。
新加入選手も多く、キャンプでの疲労もあるだろう。監督も去年から何度も変わっている。攻守にオートマティズムが浸透するのは、もう少しかかりそうな様子だった。
ジェフは、プレッシングからのボール奪取、ショートカウンターの流れがハマり始める。
決定的ではないものの、ジャブを打ち続けているので、ピッチの近い日立台、ジェフの選手が目の前までやってくるシーンが増える。
そうして迎えた55分、バックスタンド側からの堀米のCK。
今度はアランが身体を伸ばして押し込み、ジェフが2-1とリードする事に成功した。
攻守に良い動きを見せていたアラン、得点まで奪う事が出来て、素晴らしいスタートになった。
その後も、セットプレーを織り交ぜ、ペースを握るジェフ。
キッカーも、堀米だけでなく、アランや、船山も蹴り分けてバリエーションを見せる。
ここまでの展開、後半30分手前まで、テンポ良く戦えていたと思う。
前評判、実績からすれば、アランよりもクレーベなのだが、さて。
ピッチに入るとアランとの違いは、アランが前線からのプレス、ピンチのときに戻ってのディフェンスにも精力的なのに対して、クレーベは、ボールが無いときの動きが少ない。
なので、後ろの選手は、アランが前に居るほうが楽だ。
長身をいっぱいに伸ばして、ボールをスペースに叩き落す。
ポストプレーが合わず、彼がイラ立ちを露わにするシーンもあったけれども、周りを活かそうとしているのは見て取れる。
今日のところは、顔見せ。
まだまだ、コンビネーションはこれからの様子だった。
エスナイデル監督は船山を下げて新井を投入し、3バックへとチェンジ。
そのシステム変更が原因ではなかったが、最終盤に綻びが出た。
87分。今度は左を崩されて、折り返され、優也が前に弾いて、クリスチアーノに押し込まれてしまった。同点。そして複数失点。詰めの甘さはリーグ戦では命取りになる。
そして、ロスタイムに入ろうと言うところで、物議を呼ぶプレー。
柏が放り込んだ前線へのボール。
微妙な位置の、そのボールへ、優也がクリアに突っ込み、オルンガ、新井ごと吹っ飛ばしてしまう。オルンガは、そのまま負傷退場。果敢な飛び出しは、優也の持ち味、ジェフの守備の特徴ではあるけれども、大きな怪我に繋がりかねないプレーは本意ではない。
このプレーについては、退場でもおかしくなかったと思う。
オルンガ選手の軽傷を祈ると共に、優也にも、相手を怪我させないようなプレーをするにはどうすべきだったか、考えをめぐらせて欲しいと思う。
試合は結局、2-2のままドローで終了。
柏側のPK戦で、優也へのブーイングが響く中、6-5でジェフが制して、久しぶりの勝利となった。
さて。
・チームとしての守備
・也真人が抜けた攻撃
・新戦力のプレー
振り返ってみると、それぞれに収穫のある戦いだった。
・チームとしての守備
ドイスボランチのバランスが良い。
プレスに行くタイミングが整理され、連携してボールが刈れていた。
ラインは基本的に高いものの、状況に応じて下げて使い分け出来ていた。
・也真人が抜けた攻撃
也真人の運動量とアイデアの穴は埋まっていないが、新戦力が新しい可能性を見せた。
・新戦力のプレー
アランが中央で起用され、予想以上にフィット。前線の攻守をリード。
堀米のドリブル突破、セットプレーが既に武器になっている。
「高さ」は失われてはいなかった。
「高さ」は失われてはいなかった。
新戦力が2人とも、印象あるプレーを見せたのは非常に良かった。
クレーベも、フィットしてくればやってくれるだろう。
ただ、彼の場合は闘争心をコントロール出来るかどうかが問題で、それだけが心配。
短い時間の
場だった新井、
場だった新井、
今日は出番の無かった田坂、ベンチ外の、寿人やベラスケス。
彼らも、エスナイデル監督のこれまでの2年間をみていれば、絶対に、どこかで使って来るのは間違いない。そこは、これから先の「伸びしろ」としておきたい。
一方で課題も。
試合全体を振り返った時、相手の守備陣を連携して崩したシーンはほとんど無かった。コーナーキックを奪うところまでは攻め込めても、シュートを撃てなかった。
ボランチ2人が、もう一歩前に出られるシーンが増えれば、攻撃の選択肢も増え、相手も守り辛くなり、スペースも空くと思う。
相手が柏と言う事もあって、今日は課題の守備改善を優先して試合に臨んだのだろう。
次のステップとして期待したい。
アンドリューだけでなく、矢田旭は、もっと目立てるはずだ。
-
前の記事
沖縄キャンプ 1月15日(火)~2月3日(日)公式レポ 2019.02.03
-
次の記事
エスナイデル監督解任 理想と現実を融合する難しさ 2019.03.19
相変わらずの分かりやすい、面白い記事をありがとうございます!!
>ねこっぴさん
ありがとうございます。
この勝利をリーグ戦のスタートダッシュに繋げて欲しいですね。