浩平が外から見ていたもの 第25節 vs甲府 ○2-1

浩平が外から見ていたもの 第25節 vs甲府 ○2-1
定時ダッシュをして、特急に乗り、フクアリに着いたのが前半15分になろうかと言うところ。
ちょうど、甲府のフリーキック、金園のヘッドが吸い込まれるところだったから、消沈もした。
が、嫁さんがとっておいてくれた、南側のゴール裏に収まると、向かい側に見えたゴール裏がすっかり埋まっている。

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夏休みとは言え、水曜日。
しかも、ここまでリーグは三連敗、公式戦は四連敗。
フクアリでも三連敗にも関わらずだ。

期待を裏切る成績に、ネットじゃずいぶん、辛辣な言葉も飛んでいる。
監督批判、フロント批判、それが出ても仕方の無い成績だろう。
だから、正直、今日のフクアリは、かなりガラガラなんじゃないかと思っていた。
無理して観る必要があるもんじゃないのだから。

けれど、蓋を開けてみると、フクアリは9,000人近いサポが集っていた。
こんな成績でも、わざわざ平日にスタジアムに無理してでも駆けつけるサポが、こんだけ居る。心強かった。

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ゴール裏に張り出された手書き幕も、なかなか良いフレーズだった。
「熱く激しく泥臭く!最後まで走り抜く!!それが俺達のスタイルだ。俺達はピッチで闘う選手たちを信じ続ける。」

まだまだジェフはやれる。
改めて確信して、ビハインドのピッチに目をやった。

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スタメンは、4-3-3。

大きな違いは、浩平のスタメンと共に、
茶島が前で、インテリオールで起用されたこと。
ターンオーバーもあっただろう、清武、溝渕のスタメンも目をひいた。
また、サブには、矢田が戻って来た。

これまでも上手く行かなかったアンカーシステム。
正直、不安の方が大きかった。
試合速報でも、いきなり裏を取られたとか、書かれているし。
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このシステム。
従来も試していたけれど、守備時になると、アンドリューが下がって、
3バックのセンターのような位置取りをする。

その時、インテリオールの2人は、ドイスボランチの役割を果たして、
中盤に穴が出来るのを防ぐ形に、システム上はなる。
頭の中では、そうやって機能するシステムも、
これまでは、インテリオールが、ボランチとしては機能せず、
相手に自由にボールを持たせるシーンばかりが目立っていた。

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ただ今日は、復帰した浩平が、特に前半、この難しい役割を消化していた。
プレスに行くのもしかり、シンプルにパスを叩くのもしかり。
完全に崩しきるシーンは、そう多くは無かったものの、
浩平にボールが入ったとき、その後のテンポが良い。

そこに、運動量豊かに船山が、右だけでなく中央でもボールに絡んで、
最前線へとボールを引き出していく。

早い時間に失点しても、この試合でバタバタと崩れなかったのは、
この中盤のボール回しの落ち着きが、チームのリズムを崩さなかったのだと思う。
失点してすぐ、ジェフも反撃に移る。
左から崩し、最後は船山がスライディングで飛び込む合わせられず。
が、そのすぐ後、左の突破から、ラリベイが絡んで、茶島が地を這うようなミドルシュート!
ちょうど目の前だったものの、どこをすり抜けたのか分からないような、
絶妙なコントロールショットで、同点に追いつく。

その後も前半は、抜け出られそうで、抜け出られない惜しいチャンスが続く。
ラリベイにスピードは無いので、相手DFが付いていると、キープは出来ても、
抜け出てシュートにはなかなかいけない。

代わりに、船山が抜け出てシュートを放つシーンを作るも、僅かに上に。
前半は、そのまま1-1で終了。
後半に入り、甲府も選手交代と合わせて、
ジェフの中盤のボール回しを分断するために、浩平、茶島への圧力を高める。
すると、前半のようにペースが握れなくなり、主導権は甲府へ移動。
立ち上がりに危ないチャンスを2度迎えてしまう。

一つは、ディフェンスの裏を衝かれ、ディエゴが1対1とされたシーン。
ここは、ディエゴのプレッシャーに相手がコントロールを誤ってくれた。

もう一つは、溝渕がライン際でシュートをかき出したシーン。
いずれも1点ものだったが、何とか防ぎ、勝負の分かれ目になった。

ジェフは、58分に茶島→矢田。68分に清武→為田にスイッチ。
為田は、早速、乾の突破からパスを受けて、挨拶代わりのシュートを見舞う。

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一方、甲府も63分に田中を投入して、鈍足の乾、エベルトが陣取るジェフの「左」を崩しにかかろうとする。交代時に、ちょっと乾と触れ合ってからピッチにインする田中。

お互い、なかなか決定的なチャンスを作りきれないジリジリした展開が続いたが、
82分、その膠着を、ついに為田が破った。
ボールを奪った浩平が、右の矢田へ。そのクロスを、為田が頭でループシュート。

あれだけ
突破して、シュートを撃ってる為田が頭で(!)
入るときは、こう言うものなんだな、そう思わせるゴールだった。
これまできつかったろう。きっと、殻を破る一発になるはずだ。

その後、指宿の投入をキャンセルし、増嶋を守備固めに入れ、
キープしつつも、得点を諦めるわけではない姿勢を見せて甲府を牽制し、タイムアップ。
これまでの試合で見られたような、バタバタした感じは最後までなく、
自分達でゲームのコントロールしながら、勝利をもぎ取った。
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勝利の瞬間、祈るように吼えていた、ディエゴの姿に、
この一勝の重みを改めて思い知った。
勝敗は紙一重の差であったし、
これまでの試合の問題点が、解消された訳ではない事は前提にしながらも、
ポジティブな変化の見られた一戦だった。

前述したように浩平が入った中盤は、攻撃時の4-3-3と、守備時の5-4-1を、
少なくともこれまでの試合よりスムーズに機能させた。
また、それだけでなく、浩平自身のボールカットから、決勝点を導いたプレーは、
そのプレーのシンプルさと、縦への速さと言う2つの意味において、
外から見たジェフの問題点を、浩平がゲームの中で消化し、
プレーで表現してみせた成果であったと思う。

エスナイデル監督からすれば、浩平が加入する前でも、
こう言う機能のさせ方をしたかったんだろう。
が、浩平を出すか、出さないかで大きくリズムが変わってしまう。
現状ではまだ、リスクを孕んだシステムと言わざるを得ない。

誰が出ても、今日の前半のようなプレーが出来れば良いのだが。。。

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溝渕の根性、矢田の復帰、為田の初ゴールと、前向きなポイントがいくつもある。
これまでの試合であっさり失点を続けていたジェフ。
溝渕の見せた泥臭いプレーは、ゴール裏に掲げられた横断幕に応えるものだったのでは。
陰のMVPと言っても良いのではないだろうか。
さてようやく一勝。
冒頭にも書いたけれども、苦しい戦いの中にあって迎えたホームが、
選手と共に戦う覚悟を見せてくれたのは何より良かった。

足の引っ張り合い、誹謗中傷、誰かをスケープゴートにしての責任論、
それらは、他のチームの大好物で、ジェフを自壊させるものでしかない。

苦しい状況はこれからも続く。
苦しくとも、ぐっと堪えて声援を送る。
それが、何よりチームの為になる。
そうすることで、
フロントにはフロントの、
現場には現場の仕事に集中して欲しいと思います。

この一戦をきっかけに、一つ一つ、
全員の力で、目の前の勝利を。