【本の紹介】 東欧サッカークロニクル(長束恭行)
- 2018.07.07
- 書籍やグッズの紹介
インターネットを始めた20年前くらいから、作者の長束さんが当時運営されていたサイト『クロアチアに行こう!!』は、よく拝見させて頂いていました。
当時のジェフは、祖母井GMが強いコネを持っていた東欧ルートで、ザムフィール、ベルデニック、ベングロシュ、そしてオシム監督を次々と招聘。
彼らと繋がりのある東欧系の選手が、助っ人として噂に上るも、ネットで調べてもほとんど分からない。そんな時は、決まって長束さんのサイトをアテにしていました。
また、この本を出す少し前には、twitterで、
過去の長束さんのレポートを一冊にまとめたもの。
なので、最近の話ではないものも多くあります。
取り上げられている国名、地域名だけを列記すると、
・クロアチア
・沿ドニエストル(モルドバ)
・セルビア
・ラトビア
・ジョージア
・ボスニア・ヘルツェゴビナ
・リトアニア
・スロベニア
・ウクライナ
・ポーランド
・コソボ
・エストニア
・アイスランド
・フィンランド
・ギリシャ
・キプロス
いや、ホント濃いです。
クロアチアはもちろん、今回のW杯ロシア大会に初出場して大きな話題になった、アイスランドが小国で気候も厳しい中で強くなれた事情。オシム御大が母国ボスニア・ヘルツェゴビナのW杯初出場に向け、サッカー協会平常化に尽力された時のエピソードなどなど。
一番興味深かったのは、クロアチアからディナモ・ザグレブサポーターに混じって、沿ドニエストルへの遠征記。レンタカーを借りて、むさ苦しい男ばかりで乗り込んで、酒を煽りつつ、途中で別のサポのクルマとキャラバンを組んで、、、
その光景は自分も、何年か前までは「J」の遠征で感じていたもの。
ディナモサポほど、強烈じゃあありませんが、そんな風に仲間と相乗りしてアウェイに行っていたのを思い出しました。
そうやって、今も、どこかの町の、どこかのクラブのサポが、クラブの誇りを賭けて戦っている。或いは、国を、民族を、歴史のいきさつを重ね合わせて。
地続きで、民族が複雑に入り混じって、過去の戦争の惨禍の陰も残る国々。
周りを海に囲まれた、日本では決して感じられない、「空気」が、臭って来るような生々しさで描かれていました。
普通にサッカー雑誌や、インターネットを見ているのでは触れられない世界。
興味のある方は、ぜひ。
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