いきなりの正念場 第3節 vs岐阜 ●2-3
- 2018.03.11
- GAME REPORT 雑感
ちょっとずつ、何かが噛み合わない。
おかしい、こんなはずじゃない。
フィールドの中もそうだったし、スタンドもまたそうだった。
昨年の悔しさを晴らすべく、誰もが今季に全力を注いでいる。
フロントは補強をこれでもかと行い、
現場はシーズンを最速で始動させ、厳しい練習で選手達を鍛え上げた。
昨年をベースにより強力になったチームは、
油断無く初戦から目の前の一勝だけを目指して泥臭く戦う。。。はずだった。
ちょっとずつ、何かがおかしい。
開幕戦、いきなり増嶋が退場となり、ゲームプランが狂った。
一人少ない中、追いついたのに、突き放された。
ホームで仕切り直しだと意気込んだところで、
試合に入る前に、審判のユニフォーム交換があった。
何か、気勢が削がれてしまった。
エルナイデル監督が退席処分を受け、
いつもの声がベンチからかからない。
近藤主将が負傷してしまい、センターバックが三試合連続で、
同じメンバーを組むことが出来なかった。。。
小さなモヤモヤが、重なっている。
その間に時間は過ぎ、3節が経過し、勝ち点はわずかに1。
3連勝したチームとの差は、既に大きい。
結果が出なければ、焦る。試合運びにもそれは出る。自信が失われてしまう。
サッカーは、メンタルなスポーツだ。
小さなひび割れから疑いが噴出し始めると、途端に、力を出せなくなってしまう。
が、ジェフに力は無いのだろうか。
そんな事はない。
去年の積み重ねは、確実にチームの中にあるし、
こなしてきた練習も裏切らない。
必要な補強もやった方が良いに決まっている。
負けているのは、自分達自身を信じきれていないからだ。
開き直ろう。
まず目の前の一勝の為に。相手を分析して、弱点を突き、
その上で自分達の出来るサッカーをぶつける。
その原点に戻ろう。
厳しいシーズンスタートになったけれども、これを誰かのせいにしていては何にもならない。
みんな悔しい。みんな困惑してる。みんなでこの苦しさを背負って、戦わないといけない。
瑞穂の悔しさは、まだみんなの中に赤々と宿っているだろう。
「Stand and Fight」 3節なんかで、ぶっ倒れる訳にはいかない。
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前置きばかりが長くなった。
ゲームを簡単に振り返りたい。
スタメンは上記の通り。
前節からは、鳥海に代わって、増嶋がエベルトと組む形になった。
序盤から、試合はイーブンな展開。
ジェフは、手数をかけ過ぎる。
昨シーズン終盤、シンプルにフィニッシュまでいけるようになった攻撃が影を潜め、とにかく手数が多い。何度か、矢田から大きな展開で左の為田にボールが出て仕掛けるも、途中で引っかかってしまう。
試合を通じてそうだった。
ジェフは、繋ぎ過ぎる過程で、相手の身体を張ったディフェンスに阻まれてしまい、流れある攻撃がなかなか出来ない。そのうち何本かは、コーナーキックになるのだが、相手がコーナーキックを嫌がっていないようにも思えた。ジェフのコーナーは精度がない。やらせておけと。
対する岐阜は、シンプル。
ボールを奪うと、ジェフのディフェンスラインの裏に蹴ってくる。
ヴェルディ、水戸、そして岐阜、やられていることは一緒だ。
やはり、相手の球の出所を潰さないといけない。
が、ハイプレスになっていない。
むしろ、相手の方が激しく、厳しいプレスに感じてしまう。
潰せず、ボールを送られると、一発でピンチになる。
ジェフは各駅停車、相手は特急か新幹線のようだ。
もどかしい展開だったが、前半、茶島が、ラリベイの落としから一回切り返しを入れてシュート。
これが決まってジェフが先制する。
流れに乗れるかと思ったが、岐阜は大崩れせず、同じ展開が続く。
大木監督、さすがに冷静。
特に田中パウロをはじめ、岐阜の前線のチェイシングが厄介で、ボール回しに余裕が持てない。
前節もそうだったが、近藤の不在に加えて、ロドリゲスが組み立てに加わることで、安易なバックパスが増えている。そこを、相手に狙われてしまっている。優也だと、何か危なっかしいから前に蹴っておくか、、、と言うボールが後ろに戻って来て、ラインが下がる。
結果、ラインが深くなる。
今日は、岐阜の方がラインが高かったんじゃないだろうか?
そうこうしているうち、岐阜陣内からの大きなボールを、山本真がクリアしそこない、
抜け出されて、キーパーと1対1に。折り返されて、田中パウロに決められて同点に。
ジェフは、あんなに苦労してようやく崩したのに、このプレーで1点と言うのが、何ともやりきれない。
前半は、1-1で終了。
メンバー交代なし。
後半へ。
也真人のキャプテンマークが、なんだか東美の着けてたそれと被る。
何だか悲壮感を感じてしまうんだ。
選手層は厚くなった。
けれど、今のフォーメーションで、也真人が活きているように映らない。
ジェフの10番の位置はそこなんだろうか?
もっとゴールに近いところで、タクトを振るって欲しい。
そう思えてならない。
試合展開は大きく変わらない。
しかし、先にスタミナを失って行ったのはジェフだった。
繋いで、繋いでの各駅停車と、前が開けたら、シンプルにかっ飛ぶ岐阜とでは、疲れの質が違う。
ジェフは、身体も頭も疲れているようだった。
加えて言うなら、「なんでうまくいかないんだ!?」と誰もが焦っているような。
ミスから岐阜に追加点を許し、逆転される。
これも、あっさりと決められてしまった。
清武、船山、指宿を投入して、反撃をするジェフ。
この展開を、この3試合、同じように見てい
る。
彼らが入ると、「戦う」事が出来るようになる。
単純なフィジカルでもそう。身体に当たられないように、ボールを繋ぐのではなく、身体を当てられても、強引にボールを前に運べるようになる。
チャンスは何度もある。
けれど、シュートを撃てた、振り切れた機会は何度もない。
その何度目かで、指宿のクロスに清武が転がり込んで同点とする。
沸き立つスタンド、「さあ、これからだ」と言う機運。
が、この日にフクアリは、最後まで劇場足り得なかった。
ロスタイムになろうかと言う時間帯に、風間に前を向かれて、ミドルを叩き込まれる。
なんでこんなに簡単に。
いや、なんで、ボールを持った彼に、あんな場所で足を振り切らせてしまうのか。
結局、ボールの出しどころを押さえ切れなかった、その問題が、敗戦に直結してしまった。
素人考えだが。
近藤のラインコントロールを欠いている今は、去年の開幕頃と同じような不安定なラインになっている。しかも、ハイラインを意図的に作れず、オフサイドも誘えず、守備的に悪い面ばかりが出ている。
ロドリゲスの足技は活かしたいが、今は中盤が間延びすることを防ぐ為に、
意図的にラインを高くするようにし、プレスと、オフサイドで相手を潰す、
基本の戦い方に立ち戻るべきだと思う。
安易な逃げのバックパスに、ジェフの将来は無い。
そして、監督的には不本意かも知れないが、去年の終盤のハマった形に戻す事も考えて欲しい。
(たぶん、エスナイデル監督は、なかなかそうしないとは思うものの)
今の形は、ちょっと皆が考えすぎているように思うし、
相手から、容易にディフェンスラインの裏へボールが出てくる状況へのケアは必須だ。
対戦チームは、ここまでの3試合を分析して、当然同じようなことをやってくるだろう。
そこで、何の改善もせずに突っ込んでは、シーズン全体の致命傷になりかねない。
泥臭く、一つの勝利を掴むべく、やれることをやって臨んで欲しい。
次は徳島。またも強敵だ。
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