サッカーの恐ろしさ、まざまざと。 第28節 vs湘南 ●0-1

サッカーの恐ろしさ、まざまざと。 第28節 vs湘南 ●0-1

いやー、何と言ったら良いか。。。
これだけ、思い通りに攻めながらも、得点を奪えず。
セットプレー一発で轟沈。

こう言う試合が、ある、とは知っているものの、
目の前で、それが起こってしまうと何ともやりきれない気持ちになる。

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今日のジェフは、現時点でやれる事を、100%、120%出し切った。
正直、このサッカーをやり始めて半年と少し。
ここまでやりたい事がピッチで表現できるものかと驚いたくらい。

ハイライン、ハイプレスで湘南を押さえ込み、
サイドチェンジと、サイドからの追い越しを織り交ぜ、
序盤から、次々と湘南ゴールに襲い掛かる。

そんな展開が、ほとんど90分続きながら、勝敗の結果だけは思うに任せなかった。

選手や、監督と同じく、この試合に勝てなかった悔しさばかりが今は募る。
けれど、この負けたからと言って、下を見て良い訳じゃない。
これだけの内容を出来た事に自信を持ち、勝てなかった悔しさを煮えたぎらせて、
次の試合に叩きつけて欲しい。

このゲーム内容を見て、このサッカーの未来を見たくなったサポーターも多いんじゃないかと思う。
次こそ、勝つために。これからの一試合、一試合が、大切だ。

ーーーーー▼ 以下、後日(8/19)追記部分 ▼-----

改めて、試合内容について。
後日書き直したので、上記の本文部分と、
内容的に被る部分も多々ありますが、読んで頂ける方には、何卒ご容赦を。


自分は、仕事を終えてからフクアリへ向かい、
試合が始まって10分ほどしてから観戦開始。

席に着いた頃も、ジェフが攻勢をしかけ、折り返しから也真人のシュートや、船山のヘッドなど、何度も「これは決まった」と腰を浮かせるようなシーンが続き、一方的に湘南を攻めまくっていました。

が、どうしてもゴールが割れない。
シュートが相手キーパーの正面を衝いたり、
ディフェンスのブロックに遭ったり。
決める時に決められない嫌な流れ。

その悪い予感が的中する形で、90分間圧倒的に攻めまくりながら、
一発のセットプレーに沈むと言う、悔しい、記憶に残る敗戦になってしまいました。

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真夏の連戦にも関わらず、エスナイデル監督は前節と同じスタメンを選択。
アウェイで勝利した徳島戦を境に、メンバーを固定。

矢田の加入以来、前線からのプレスが機能するようになったジェフ。
中盤はスムーズにボールを繋ぎ、アンカーで固定された熊谷が、サイドチェンジを次々に繰り出し、両翼はウイングとサイドバックの二枚刃でクロスを供給する。

首位を走る湘南相手に、春先とは全く異なるハーフコートマッチをしかけている。
正直、一方的な攻勢が俄かに信じがたい。

過去、彼ら湘南のプレスの強度や走力は痛いほどに分かっているだけに、
ここまでペースを握れるものかと訝ったぐらいだし、
キジェ監督には、カウンター狙いや、こちらのスタミナ切れ待ちなど、
何か狙いがあるのではないかと勘繰りたくもなった。

が、あまりにゴール一歩手前のシーンが続き、
かつ湘南にチャンスらしいチャンスが無い展開に、
どうも、湘南の術中と言う訳では無く、相手が耐えていると言うのが分かって来る。

ただ、いかんせん、ゴールが割れない。
湘南は押しこまれながらも、ディフェンスは高い集中力を保って、ジェフの攻撃を妨げていたし、局面局面での寄せが厳しい。崩しきったと思った場面でも、ジェフは、両翼からのクロスが流れてしまったり、フィニッシュ一歩手前のパスが乱れたり、慎重になってしまったりと、精度を欠いていた。

それは、前節・山口戦でも同様で、攻めながらも点が奪えないのは継続した課題だった。

前半を終え、0-0。
展開は素晴らしいものの、嫌な予感は大きくなる。
膠着した展開は、往々にしてミスで崩れる。
けれど、ここまでの内容をして、馬鹿らしいミスで負けるのだけは勘弁だった。

このプレスがどこまで続くか。
決め切れないチームに、相応の報いがあるのは、サッカーの定石だ。

後半に入り、ホーム側に向けて攻め立てるジェフ。
決定的なチャンスは減ったものの、尚も流れは手放さない。
が、決め切れないまま時間が過ぎる事で、焦りや、消極性が出ているように感じた。

例えば、ゴール前でシュートが打てる状況でも、よりフリーな味方を探してしまう。
またあるいは、無理をし過ぎて、シュートを打ってしまう。
完全に抜け出しながら、肝心のクロスが定まらない。

これだけ試合を思い通りに運びながら、思い通りにゴールを決められない事が、
じわりじわりと、ボディブローのように、ジェフの選手たちのメンタルを消耗させ、
スタジアムからも、ざ
わざわと嫌な空気が充満しつつあった。

後半30分過ぎ、ゴール裏は、応援を「あっこちゃん」に切り替えて一点を奪うべく声援を送る。最近は、試合中にこの応援をするのは少ない。ここぞと言う時のものだ。
フクアリの屋根に声援が反響し、降り回されるマフラーが独特の空気をつくる。

それに合わせるように、選手達も足を緩めずに最後の攻勢をかける。
矢田のコーナーキックに、清武のロングスロー。
とにかく一点のために、平塚の陣地を攻め立てるも、悉くはじかれてしまう。

交代枠で、為田と、指宿を投入するも、決定打は出ず。
時間は後半35分を過ぎていた。
今日は、とにかく時間の流れが速く感じる。

珍しく、ジェフ側の陣内にボールが大きく流れる。
焦る場面ではなかったけれども、クリアがミートしない。
コーナーキックになってしまった。
一瞬の隙。
けれど、防ぐことは出来たはずの、セットプレー。

湘南は、この一発に賭けていた。
その集中力には脱帽するしかない。

この日放たれた、湘南のシュート2本のうち、1本。
交代出場のムルジャの頭にドンピシャで合って、ネットに吸い込まれていた。
完全にフリー。ジェフの選手は、かする事も出来なかった。
ベンチでは、大きなジェスチャーで、怒りと落胆を示す監督の姿が見えた。

近藤、さらには乾を前線に上げ、最後の攻勢をかけるも、
この一発にかけていた湘南の集中力を乱すには至らなかった。
5分のロスタイムがあったものの、無情にもタイムアップとなった。

歓喜に沸く湘南のスタンドと対照的に、ジェフ側では何とも言えない気だるい空気が流れた。多くのサポが、これだけの内容を見せても勝てないゲームがあるのかと、内容と結果のあまりのギャップに、呆然としていた。

それほど、この日のゲーム内容は際立っていた。
それを首位・湘南相手に見せたのだから、何より結果を掴みたかった。
サポですら、こんな気持ちになるのだから、選手は、監督はいかばかりだったろうか。

重い足取りでやってきた選手達を、ジェフサポが拍手で迎える。
この負けで順位は再び二桁に落ち、湘南の背中も遠く霞んでしまった。
けれど、敗戦の失望と相半ばして、目の前で見せつけられた新しいジェフのサッカーに、希望を抱いたサポもまた、多かったのではないだろうか。

サッカーは、結果が全て。
それはそうだろう。

が、結果を出す為には、過程が必要だ。
ジェフはこれまで、その過程が必要な事を忘れ過ぎていた。
チームの成長には時間が必要な事、当たりの監督を引けば何もかもが良くなる、悪ければ誰かにその責任をなすりつけて、変えるだけを繰り返した。

そうして10年が過ぎていた。

それもこれも、かつて持っていた、
「ジェフのサッカーはこれだ」と言う自信を失い、
それを求めて迷ってしまったからだった。

しかし、今日見たサッカーは、その失った自信を取り戻して、
新たに「これがジェフのサッカーだ」と言える、
きっかけになり得るものではなかっただろうか。

そう思ったのは自分だけだったかも知れない。
が、もしも多くのジェフサポが、何かを感じる事が出来たなら、
この記憶に残る敗戦は、意味のある戦いに変わるはず。

とは言え、掴んだのは「きっかけ」であって、
敗戦を諸手を挙げて肯定する事も出来ない。

決め切れなかった攻撃、敗戦を呼び込んだ守備の隙、
そして、この悔しさ。
それらを次の勝利への糧として、顔を上げて欲しい。

まだまだ途上。
その過程を共に味わって、共に前に進みたい。