懐かしきプレス。大きな一勝。 第26節 vs徳島 ○1-0
- 2017.08.06
- GAME REPORT 雑感
大きな一勝でした。
この試合に敗れるような事があれば、無用な雑音が大きくなる。
それを杞憂に終わらせてくれた。
しかも、中身のあるゲームで。
試合は、拮抗した好ゲーム。
相手のスタイルに合わせて戦術を敷くのではなく、
お互いが自らのスタイルを前面に出して、ぶつけ合う。
徳島は、よく繋いでくる。
攻守の切り替えが早く、ラグビーのようなボールのヨコへの展開と、
局面局面でのドリブル突破を織り交ぜて、ゴール前まで人数をかけて攻めてくる。
対するジェフは、ハイラインでの守備で、背後を狙う相手を網にかけまくり、
そして、今日は文字通りの「ハイプレス」で徳島を寸断。
徳島が繋ぐスタイルだったのでハマったのもあるでしょうが、
プレスの強度は間違いなく今季一番。
前線からのチェイシングは、ラリベイ、船山、清武、也真人、矢田がサボらず、
徳島陣内でも、3人からのプレスで相手を囲むシーンが多々。
体を当て、足を伸ばし、粘り強く、しっかりと闘えていました。
懐かしさすら感じた、プレス。
文字通りの、「ハイプレスハイライン」が機能した意味では、
今季のベストゲームだったのではないかと思います。
ただ、真夏の暑さの中で、このサッカーを90分続けるのは厳しい。
60分過ぎ、前線で大車輪の活躍を見せていた清武が足を攣ると、
他の選手たちも75分過ぎには、ガクっと運動量が落ちて、プレスもかからなくなってしまった。
そこで、エスナイデル監督が打ったのは、船山→若狭の交代策。
ディフェンスを5バックに変更して、サイドを封鎖。
攻めなくてはいけない徳島のスペースを潰して、カウンター狙いにシフトチェンジ。
これまで、愚直にハイプレスハイラインの90分完遂をやろうとしていたチームが見せた「変化」。
これが見事にハマって、徳島を沈黙させてしまった。
この交代の前に、矢田からアランダへの交代も、足が落ちてきた時間帯に、
体力全開のアランダがインテリオールに入ってくるのが、どれほど相手にとっていやらしいか。
こんな采配も執れるのかと驚かされるばかりでした。
そのエスナイデル監督、最終盤はベンチ前で、大きな声で身振り手振り。
疲れきった選手達に、サボるな、プレスに行けと、指示を出し続け、闘っていました。
両軍の力に差は無く、ジェフの負けも十分あり得るゲームだったと思います。
しかしながら、エスナイデルの采配と、
個々の選手達が最後まで全力を尽くした事が、勝利に繋がりました。
この日は、最終ラインでの危なっかしいプレーも少なく、メリハリの利いた守備で、クリーンシート。
(風の影響も考慮したのか、意図して優也も大きく蹴りだしているようでした)
そして、試合を決める貴重な一点を、エースのラリベイが決めてくれたのも大きかった。
この一点で、ゲームプランを組み立てることが出来た。
溝渕や、移籍加入の矢田も良いプレーを見せたし、
佐藤優也の好セーブもまたあった。
本当に収穫の多いゲームでした。
それを、アウェイで出来たのも良かった。
これから、連戦。
これと同じゲームをやろうと思っても、体力が持たないかも知れません。
けれど、固定メンバーで戦っていない強みが、きっと発揮できる事でしょう。
戦術の幅も拡がり、思ったよりも多くの引き出しを持っている監督だと改めて思いました。
これからも、もっと新しい采配を見せてくれるかも。楽しみでなりません。
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