戦術以前の問題 第9節 vs横浜FC ●0-4

戦術以前の問題 第9節 vs横浜FC ●0-4

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0-4と言う結果以上に、課題が多く出た試合でした。
選手、監督には、しっかり切り替えて、この敗戦を次の勝利に繋げて欲しいと思います。

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さてこの日は、スタメンからシステムを弄ってきたエスナイデル監督。
オプションとしてこれまでも使っていた4バックでスタート。

前半は、これが上手く機能していました。

高いラインをバランスよくキープして、熊谷を中心とした中盤が、ボールを上手く回収し続け、後ろの選手も常にサイドチェンジを意識しながら、ピッチを広く使ってゲームを組み立て。サイドバックの2人も、常に一列前の清武、船山がボールを持った際に、そのウラを狙ってランを続けていました。

守備では、佐藤優の出番もほとんど無く、横浜のセットプレーからの早いリスタートで、ゴールを狙われたシーンではファインセーブ。ちょうど目の前だった若狭や北爪が集中し、身体を張った守りで跳ね返し、付け入る隙を与えませんでした。

その一方で、問題は攻撃。
攻めても、攻めても、決定的と言えるシーンが殆ど無い。
怖さが無い、ワンパターンとも言い換えられます。
自分でシュートを撃たない。突破しない。あと一歩リスクを犯さない。クロスを上げても精度がない。相手の意表を衝くスピードもアイデアも無い。で、
「竹光(※)で斬りつけているかのよう」
(※削った竹を刀身に見せかけて作った、形ばかりの刀。) 

「名剣ラリベイ」を携えながら、鞘から抜きさえもせず(活かす術を知らず)、 耐える横浜の城壁に工夫無く弓矢を射掛けているかのような状況でした。

監督は、「決定力の差」と試合後に述べていましたが、否、「決定機を作れたかどうかの差」でしょう。
支配率が70%にも達した前半で、チャンスらしいチャンスを構築できなかったこと。
そして、それがこの試合に限った事ではなく、これまでの試合でも同様だったことが、今のジェフの最大の課題であるように思います。

そして迎えた後半。
船山と、清武の位置を入れ替え、横浜に更に揺さぶりをかけて先制点を狙いに行くジェフ。
立ち上がりは狙い通りで、前半のように横浜を押し込み、失点の直前には、右に張った船山にフリーでボールが渡って、「自分で撃てば一点もの」と言うシーンになっていました。

が、ここでも選択はパス。 
難無く守られて、そこからカウンター狙いに意思統一していた横浜は、
中盤を経由して前線のイバにボールを繋ぎ、
ジェフは、ディフェンスが居たにも関わらず、近藤も、ボムヨンも、イバの切り返しにあっさりと剥がされてしまって、ペナルティエリア外から体制を整えてミドルシュート。
この、素晴らしいシュートが決まって失点すると、悪いジェフが顔を出します。

すなわち、失点してしまうと、浮ついて、誰も立て直せなくなってしまう。
この時点でまだ一点。焦る必要は無く、切り替えて同点を狙えば良かったのですが。
あっという間に横浜のペースに呑まれてしまう。

その二分後に、今度はスローインからの流れで、野村にボールが渡ると、
ここではボムヨンが居たにも関わらず、左足を振り切らせてしまい
ファインゴールがまたも決まって失点。

さらに、その6分後には、若狭が付いていたにも関わらず、
ジョンに右足を振り切らせてしまい
、3失点目。
69分にも、完全に相手をフリーにしてしまって、野村が2点目。

問題は、ハイラインが破られたのではなく、それよりも、1対1を仕掛けた方がジェフのディフェンスは与し易いと、横浜に思わせてしまったこと。そして、ディフェンスが1対1で相手を抑える事ができずに、気持ちよくシュートを振り切らせてしまっていること。
正直、こんな失点が続くのは、情けない限り。
練習試合でも、こんなに振り切ったシュートがバンバン決まるなんて見たことがない。

流れに呑まれて浮ついた試合は、これまでもあったわけで。
その経験を活かして、1失点目の後に落ち着けなかったのも、情けない。

4失点を喫した事よりも、
過去の試合の経験を活かせず失点に浮ついてしまったこと、
1失点目を教訓として同じような失点を防げなかったこと、
その2つが、非常に心を重たくさせました。 

スタンドからは、「何とかまず1点」「最後まで諦めるな」と
応援が続いていましたが、選手交代も実を結ばずに試合終了となってしまいました。

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◆ ハイプレス・ハイラインの戦術は、この試合では破綻していない
◆ 怖さの無い攻撃が最大の問題
 (この戦術は、失点してもそれ以上の得点を獲る必要がある戦術)
◆ 失点を想定して、切り替えられるメンタルが必要
 (チームを落ち着かせられるリーダー的存在も)
◆ 戦術以前の闘争心が足りないのでは

大敗とは言え、一敗。
選手に言いたいのは、これまでの戦術的な取り組みは破綻していない。
だから、自信を失わずに、疑問を抱かずに、取り組み続けて欲しいと言うこと。

そして、監督に伝えたいのは、
シュートが撃ち切れない理由の一つには、チーム内での約束事が何かあるのでは?
(たとえば、セットプレーで必ずトリックプレーになるように) 
一定のルールは必要だろうけど、「何か」が選手を縛っているのなら、
それを開放することも必要なのでは。 

監督、コーチ陣、選手たち、敗戦の後こそ、上手く行かない時こそ、
一つになって次の試合に向けて取り組んで欲しいと思います。