湘南というモノサシで現在地を測る 第5節 vs湘南 ●0-2

湘南というモノサシで現在地を測る 第5節 vs湘南 ●0-2

今節はDAZN観戦でした。

前節、松本に敗れたジェフ。
今節も、也真人の復帰は間に合わず、ラリベイをベンチスタートとして、若狭と比嘉がスタメンを飾るなど、少しメンバーを弄って来ました。ベンチには、指宿に代わって、吉田が始めてメンバー入り。

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湘南とは、2014年以来の対戦となります。
あの年は、前半戦は鈴木監督の下で0-6の衝撃的な大敗を喫し、後半戦は関塚監督に交代してすぐの対戦で、1-1で引き分け。湘南が繰り出す、かつてのジェフのような「走るサッカー」で悔しい思いをしたのが、つい昨日のようです。

それから3年。多くの主力選手を抜かれながらも、キジェ監督の下で一貫して強化と改善を続ける湘南は、手本にしなくてはならない、地に足の着いた素晴らしいチームだと思っています。
またこうして、キジェ監督の率いる湘南と戦えるのが嬉しい。

なぜなら、今のジェフが、どれだけ出来るのか、あの大敗の試合とどう違いを見せることが出来るのか、それが楽しみだったからです。

試合が始まると、お互いが真っ向勝負の目まぐるしいサッカーを展開します。
ジェフは、高いラインを維持し、シンプルに前線にボールを繋ぐいつものプレーを展開。
今日はラリベイがベンチのため、ボール回しは前線にかかると地上戦が多くなっていました。

それに対して、湘南は、ジェフを上回るプレスとチェイスで対抗。
ボールはキープできていても、その圧力に押されて、なかなか良い形で前に繋ぐことが出来ない。
フリーな選手にボールが回っても、援護の選手が近づく前に、3人もの湘南の選手が寄せている、そんな苦しい展開が序盤から続きました。

最初の20分くらいは、まだ良かったものの。
シュートで終わるシーンでも、湘南の圧力が厳しくて、良い体制で打てない。
湘南の守備を上回るアイデアが出せずに、徐々に徐々に、パスは湘南の網にかかり始め、押し込まれはじめると、前半の31分。スローインからボールをつながれ、中に送られたボールにジネイが合わせて湘南が先制。松本戦とおなじような時間帯に点を奪われ、攻めなくてはならない展開に。

湘南は、ゲームプラン通りとばかりに、ジェフのボール回しをしっかりとプレスで受け止め、そして鋭いカウンターを繰り出すというシンプルな作戦を続けます。

後半に入り、ジェフはまずイッセイに代えて、マサキを投入。
さらに、足を傷めた船山に代わってラリベイを投入し、反転攻勢をしかけようとするも、これと言った攻め手が作り出せず、歯切れの悪い攻撃からカウンターを喰らうという時間が続きます。

ある程度は、出来ているんです、ジェフも。
湘南のカウンターを何度もオフサイドにかけているし、局面の戦いでも戦っている。
下げずに前へボールを送ろうとする意図は感じるし、清武をはじめとして局面を打開しようとする、個人でのチャレンジもある。けれど、その上を行かれてしまっている。キジェ監督の想定の範囲内を、ジェフがトレースしているようで、それ以上のプラスアルファを示せなかった。

70分過ぎ、今季初出場のマキトを投入するも、その後に2点目を奪われ、さらに苦しくなったジェフ。
最終盤は、スタミナ切れを起こし、湘南のカウンターから、フリーでシュートを撃たれるシーンも何度か作られてしまい、0-2で終わってくれて良かったとも言える敗戦でした。

完成度の差、ありあり。
完敗でした。

けれど、中継で水沼さんとかも、しきりに「ハイラインハイプレスのジェフ」と伝えていましたが、これ、ある意味すごいと思うんです。ここ数年、カラーが変わりすぎて、「ジェフのサッカーって?」って聞かれたら、誰も答えられなかったと思うんですよ。
ヘタをすれば、強化担当や、監督自身ですら。

それが、この何ヶ月かで、マスコミ、ライターやら、サッカー解説者やら、我々サポーターも、 「ハイラインハイプレス」がジェフの特徴だって言い始めている。たぶん、ジェフの歴史を紐解いても、ベルデニック監督時代か、オシム御大の時代しか、ジェフのサッカーのカラーを、周りも含めて言えた時代って無いのではないかと思う。

そう言うチャレンジをしている事が嬉しいし、湘南という強敵を相手にして、時間帯によっては主導権を握れている時間帯もあった。これは、大きな進歩だと思う。それに、メンバーを入れ替えながらも、概ね同じサッカーが出来ている。これも、チームに戦術が浸透している証拠だと思う。

今日の試合では、湘南の完成度、経験値に負けたけれども、彼らも最初からこの完成度であったわけではもちろん無いし、メンバーを失いながらも、苦しみながらチームカラーを磨き続けている。
ジェフもまた、3年後でもいい。他サポから「ジェフは3年前から、あのサッカーをやっているんだから、完成度が違う。かなう訳ない。」 と言わせたいものだ。

連敗は辛い。けれど、松本戦も、湘南戦も、自分達がやりたいサッカーをぶつけて敗れた、この先に活かせる敗戦だった。この先も一歩ずつ、勝ちからも負けからも、経験を積み重ねて、ジェフのサッカーを磨いて欲しい。

次はホーム。より大きな声援で、選手達を勇気づけ、勝利したい。