連敗から何を学ぶか 第8節・愛媛戦、第9節・磐田戦

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木山さんの張った罠を破れなかった、愛媛戦。
決定力を欠き、 一発に沈んだ磐田戦。

連敗となってしまったが、決して中身の無い負けではなかった。
むしろ、長いシーズンの中で、この負けから何を学び、糧とするかが重要だ。

磐田戦。
15,000人の詰め掛けたスタジアムで、キックオフのセンターサークルに立ったのは井出と阿道だった。
二人の姿に、「これからのジェフ」を感じずにはいられなかった。

森本、勇人、2人の欠場は、思った以上に大きかった。
前線からの猛烈なチェイシングを失い、勇人の飛び出しを失ったジェフは、やはりどこかリズムがおかしかった。

選手層の薄さ、それはシーズン前から分かっていたこと。
特に、FWとCBは極端に枚数が少ない。
それをどう、底上げしていくかは、大きな課題だった。

森本の代わりに先発したのは阿道。
もちろん、森本以上のプレーをいきなり期待するのは酷な話だ。
それでもこの試合、前線からチェイスし、ポストプレーで味方の上がりを促し、裏へ抜け出す。
今やれる、精一杯をぶつけているのは十分に分かった。
この舞台を90分体験できたことは、若い彼には、この上ないエネルギーになっただろう。

そして、勇人の代わりは健太郎。
こちらも、練習試合で、去年とはうって変わって前への姿勢を強く出していた。
この試合でも、前へ、前へ、積極的なパスで、ラインを下げず、磐田を押し込んでいた。
ただ、勇人にあって、健太郎に足りなかったのは、前への飛び出しだった。

パスを出すだけでなく、自らも攻撃参加する。
それがこの試合、足りないスパイスになっていた。
あのクロスにもう一枚居れば・・・あのシュートに詰めていれば・・・勇人が埋めていたスペースに、健太郎は顔を出せていなかった。
タイプが違うと言えば、それまでだが。
去年までの健太郎と異なる、前への姿勢を目の当たりにすると、欲が出てくる。
もう一歩の積極性。身体が自然に前へ駆け出せば、より怖い選手になるのは間違いない。


試合は、磐田のGKカミンスキーが大きく立ちはだかり、フクアリに歓喜が訪れる事はついに無かった。
しかし、選手たちは最後まで試合を捨てずに戦っていた。
なのに、2点目が決まった瞬間、潮が引くように、多くのジェフサポがフクアリを後にしたのは残念だった。

招待客なのかもしれない。
不甲斐ない試合だと思ったのかもしれない。
けれど、今日のジェフは間違いなく戦っていた。

結果は負けだったかも知れない。
それを共に噛み締め、そして応援するからこそ、次の勝利がより大きな喜びになるんじゃないのか。

選手達が戦っていたと感じたのなら、応援でも、無言でも、激でもいい。
最後まで残って見届けて欲しい。
90分だけが応援じゃない。 

共に戦うと言う意味を考えて欲しいと思った磐田戦だった。