この感覚はいつ以来か 第7節・大宮戦
- 2015.04.12
- 雑感
フクアリに響く遥也のチャントが心地よかった。
難敵を下す2発は、生え抜きの右足から。
今日も、緩む事無く徹底された、90分間のプレス。
走り、競り合い、喰らいつき、前へ進む。
一つ一つのプレーの積み重ねが、5勝2引き分け、5つの完封と言う結果に繋がった。
メンバーは前節と変わらず。
右SBには北爪が引き続き起用された。
金井は負傷が癒え、サブメンバー入り。代わりにヤマトがサブを外れた。
対する大宮は、ムルジャがスタメン。
家長はサブ入りとなった。
序盤、両者探り合いの展開。中盤の潰しから、大宮は左の泉澤を使って攻撃を仕掛ける。
対面の北爪が、試合前に対戦を楽しみにしていた相手だったが、やや劣勢を強いられた。
幾度か、北爪の裏を泉澤が狙うシーンがあり、危ないピンチもあった。
そういったシーンでも、パウリーニョや、中村らが、北爪に声をかけて、叱責と修正をしていた。
徐々に北爪も、落ち着きを取り戻しているようだった。
時間の経過と共に、ペースを握ったのはジェフ。
中盤でボールが奪えるようになり、攻め込んでセットプレーのチャンスを得る。
そのセットプレーから、何度かキムがゴールに迫るものの、精度を欠いて得点できない。
この日も最前線の森本から始まるプレッシングは健在。
おかげでまた、森本は頭から流血し、パウリーニョは足を傷めるなど、諸刃の剣のような激しい守備だ。
そのせいで、一度に二人が治療のためアウトしてしまい、一時的に9人のゲームを余儀なくされたほど。
なんとか凌ぎ、逆に前半の最大のチャンスはパウリーニョから。
奪ったボールを持ち込んで、ペナルティエリア内から左足でクロス。
ネイツがドンピシャで合せたものの、枠を外れて、先制には至らない。
結局0-0の前半も、ベンチの岡本や金井が、笑顔で選手を出迎えて、雰囲気を上げていく。
笑顔が多いのはいいことだ。
後半、大宮も反撃を試みるものの、際どいプレーまでは至らない。
しっかりと前線からのプレスを効かせたジェフが、大宮を狭いゾーンに押さえ込んで、自由にプレーをさせていない。中盤を経由しようとすれば、パウリーニョと勇人が喰らい付き、戻せばそこに、森本・ネイツ・井出がプレッシャーをかける。長いボールを放り込めば、キムと大岩が対空戦を制して、シンプルにボールを弾き返す。裏を狙われれば、そこには高木が飛び出して、穴を作らせずにクリアする。
それぞれのプレーに迷いが無い。
やるべきことを、各自が淡々とこなし、じわりと大宮を締め上げているようだった。
ただ、そう言うプレーをしていても、チャンスを作れているかと言うと、そうでもなかった。
特に後半は、シュートチャンスまでなかなか持ち込めずに居たので、先制点次第では、大きくゲームバランスが大宮に傾いてもおかしくない展開だった。
交代のカードが切られる。
前半から、やや押し込まれていた北爪に代えて金井。
攻撃力のある金井が入ったことで、より大宮が押し込まれる。
金井は、守備でも粘り強くボールを絡め取って、右で優勢を作り出す。
続いて切られたカードは田中。
イエローをもらっていた谷澤に代えての交代。
これまでは、ここで代えられていたのは井出だっただけに、意外とも言える交代。
田中はそのまま左に入る。
この交代に、奮起したのだろうか。
遥也が最終盤に一気にギアを入れた。去年までだったら、スタミナ切れの時間帯。
さらに一歩踏み込んで走る。田中の右足クロスに、つま先で合せてコースを変え、終盤に待望の先制点を奪う。
ベンチの岡本に抱きつき、歓喜の輪が広がる。
そしてさらに、80分、遥也が右でボールを持ち、いったん中央の中村からタテパスがネイツに入り、リターンを受け取った遥也が、ドリブルからコースを突いたクリーンショットを叩き込む。これがやりたかったと本人がコメントした通りの、これが井出遥也のゴールと言うものが、ついに飛び出した。
フクアリを揺らす、「いーで はーるーやー ラーラ ラーラ ラララー」のチャントの、締めの「ハルヤ!」のシャウトがフクアリに響いて、フクアリが我が子の活躍を祝福しているかのようだった。
セレッソ戦では、ここから不覚をとったものの、この試合は残りの時間をしっかりと潰しきった。
クローザーのサトケンが、全力プレスを続けた森本に代わって入り、パウリーニョがアンカーに入って、最後の大宮の攻勢をいなす。
難しい相手ではあったが、90分間集中してハードワークを続けたことが、勝利と言う結果に繋がったのだろう。
守備陣も5試合目の完封。充実したチーム状態だ。
再び首位に立ったが、7節での首位に大きな意味は無い。
これから先、さらに気を引き締めて戦えるか。
去年の湘南がそうだったように、追われる立場でさらに突き放せるか。
90分間の集中と、一戦必勝の積み重ね突っ走りたい。
次は木山さんの率いる愛媛。
きっと、ジェフ対策をしっかり練って来るだろう。
それを弾き返せるか。
厳しい試合になるだろうが、首位を守って、フクアリに戻ってきて欲しい。
<採点>
GK高木 6.5 確実なキャッチ。起点になるキック。DF裏も幅広くカバー。
DF中村 6.0 相手の警戒に苦戦も、囮の動きでハルヤの得点に絡む。
DF大岩 6.5 シンプルに相手を弾き返す。 智ばりの好フィードも。
DFキム 6.5 防空戦にほとんど勝利。ムルジャを大岩と二人で封殺。
DF北爪 5.5 警戒していた泉澤に裏を取られるシーンも。攻撃にはあまり絡めず。
MF勇人 6.5 終盤まで高い集中で守備を引き締め、攻撃参加で相手の守備に穴を開けた。
MFパウリーニョ 6.5 今日もボールを駆りまくった。途中、痛んだのが心配。
MF谷澤 6.0 ポジションを何度も変え、相手の守備を攻略にかかる。
MFネイツ 6.0 前半のチャンスは決めたかった。運動量、キープは相変わらず。
MF井出 7.0 MOM。拮抗したゲームを2発でクローズ。
FW森本 6.5 今日も前線から強烈なプレス。点を取らせたい。
DF金井 6.5 北爪と交代。守り一辺倒だった右を攻撃的に変えた。
MF田中 6.5 谷澤と交代。前節に続き、交代早々に貴重なアシスト。
MF佐藤健 - 出場時間も自覚評価なし。
監督 関塚 7.0 金井の投入、井出を残した判断が勝利を呼び込む。
-
前の記事
重馬場だからこそ差が出るハードワーク 第6節・京都戦 2015.04.05
-
次の記事
厳しい生存競争 TG水戸戦 2015.04.16
コメントを書く