ボランチが前を向けばチームは動き出す 第35節・福岡戦

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久しぶりに内容の伴った勝利だった。
放ったシュートは22本。
試合を通じて、攻撃的な意思を失わず、福岡を上回る運動量で相対した。

快勝を呼び込んだ要因は何だったか。

それは、勇人・健太郎のドイスボランチがこれまでに無く見せた、「前へ」の姿勢だった。 

これまでのジェフは、ボランチの位置でボールを持っても、相手のプレッシャーに晒されると、
すぐにボールを後ろに戻すか、横に繋ぐかで、前に運ぶ意識がとても弱かった。

それが今日の試合では、健太郎は先制点のアシストをはじめ、
これまでの試合よりも格段に前にボールを運ぶシーンが増え、
勇人もまた、全盛期の彼を彷彿とさせる、チャンスと見るやペナルティエリアにまで飛び込んで、
シュートまで撃つ姿勢を見せ続けた。

これまで、後ろに戻ってばかりいたボールの、大まかにでも半分が前に運ばれるとなると、
キーパーまで戻して、アバウトなボールを前線に放り込んだり、
まごついて、掻っ攫われてはカウンターを浴びるシーンが減るから、
印象としてジェフの攻撃がずいぶん増えたように感じる。

前半から、チャンスは何度もあった。
けれども、精度欠いて、得点を奪えない。
ここまで、得点力不足に悩まされてきたチームそのままに、シュートが枠に飛んでいかない。

じりじりした展開が続いたが、そこで勝負を決めたのが健太郎のパスからの森本の先制点。
あの一点で福岡の集中が切れ、焦りが隙を生み、そこを突いてゴールを重ねることが出来た。

追加点は、幸野のアシストから、タイスケのゴール、
さらにジェフらしからぬ高速カウンターから奪ってみせたキムのゴールで、3-0。
危なっかしいシーンもあったけれども、概ねゲームをコントロールして、勝利をあげる事が出来た。

それにしても、健太郎の変貌ぶりは戦犯級だ(笑)
これまでも今日の試合くらいに、前を意識してくれれば、もっとジェフは相手にとって怖いチームで
あり続けることが出来ただろうし、こんな勝ち点ではなかったろうに。

大きな問題は、こう言う「前へ」の意識を保ち続けられるか。
毎試合続けられるかだ。

今日勝てたことで、プレーオフへの可能性を残すことが出来た。
負けていたらどうなっていたか。
今季が終わっていたかも知れない。
もう、勝つしかない試合ばかりが続く。

接戦を制するには、相手が想像するプレーの上を繰り出し続けること。 
ヨコパス、バックパスじゃ、相手は守る余裕が出来てしまう。

「前へ」
今日掴みかけた意識の欠片を大事に育てて、次に繋げて欲しい。
きっかけになる一戦だった。