アピールも、課題も、詳らかに 天皇杯2回戦 長野戦
- 2014.07.13
- 雑感
関塚監督体制になっての初陣。
天皇杯という事もあって、観客数は3,000人台と少なかったけれども、
試合前に監督がスタンドに挨拶に来てくれただけでもとてもありがたい。
ほんのちょっとの事だが、サポーター心理としては大きい。
こちらも見てくれていると分かるだけでも、後押ししようと言う気持ちが大きくなる。
さて。新体制とは言え、まだ数日。
いきなりガラリとやり方を変えるような事は無く、これまでのやり方を踏襲してゲームに臨んだ。
メンバーは、先週の大分戦と変更無く、4-4-2でスタート。
天皇杯となると、カテゴリ違いのチームがぶつかり、やる気に優る下のカテゴリが思いの外に善戦したりする。
今年も、昨日のゲームで鹿島・神戸・仙台と言ったJ1勢が苦杯を味わっている。
そして、ジェフも毎年のように苦戦を強いられている。
今日の相手:長野は、現在J3でも上位につけ、やる気も十分。
世間様も、番狂わせを期待していた事だろう。
ゲームの入りはジェフ。
いきなりセットプレーから智が決定的なヘディングを放ち、その後もパス回して優位に立って長野を押し込む。
そして、10分、森本が大岩の右からのクロスを頭で合わせて、早々と先制する。
森本は、大分戦でも2得点。調子は確かに上向きのようだ。
これでさらにジェフの攻勢になるかと思ったが、そうはならなかった。
直後の11分、元ジェフリザの佐藤悠希が、速攻から迷い無く振り抜いて同点。
なかなか気持ちのこもった良いシュートを食らってしまった。
元々、モチベーションと言う意味では長野が上。
加えて、昨年から指揮を執る美濃部監督の下で、戦い方は成熟が進んでいる。
ジェフは、個々の力では勝っているものの、長野の攻勢の前に劣勢を強いられる。
向こうの方が、ひとつひとつのプレーがはっきりしていて、シュートで終わる意識も高い。
去年の讃岐より強い。なかなか厄介な相手だと思って感心していたら、39分、セットプレーから宇野沢にヒールで合わされ、一気に逆転されてしまう。前半はそのまま、リードを許して終了となった。
ここまでの戦い、大きくやり方は変わっていない。
サイドからケンペスに合わせる形も従来通りだし、パスを繋ぎすぎて行き詰ってしまうのも一緒だ。
ただ、少し異なっていたのは、プレー中にも監督が選手を呼びつけて、指示を行っていること。
従来はあまり見られなかった光景だが、選手からしたら修正がし易そうな感じではあった。
後半に入り、ジェフは同点・逆転を目指してさらに攻勢を仕掛ける。
長野は、慎重なゲームの入り。
やや守りに比重がかかっていて、そのせいもあってジェフの攻勢を許す事に繋がっていた。
後半立ち上がりから攻勢を強めるジェフは、51分には左からの大塚のクロスにペスが合わせてまず同点に追いつく。
ペスは、このシーンに限らず、フィジカルで圧倒する場面が多かった。
長野のディフェンスに圧力をかけ、ボールをかっさらう場面も多々。
J3ではペスのような選手は恐らくいないのだろう。長野の選手が面食らっているように見えた。
ところが、同点後、流れが良かった時間帯に智が負傷するアクシデント。
智はプレーを続けようとしたが無理で、足を引きずりながら交代。
智に代わって入ったのは竹内ではなく、井出。
井出は右のMFに配置され、それに伴い、玉突きで田中か右SBへ。大岩がセンターバックと言う、ポジションチェンジが行われた。予期しないメンバー交代だったので、ジェフ側では少々混乱も見られた。それまでの流れがとまり、長野に反撃の機会を与えてしまう。
そこから、なかなかゲームは動かなかったものの、膠着を打開したのは「個」の力だった。69分中央でボールを受けた森本が、ドリブルでボールを持ち込むと、強烈なシュートを突き刺して再びリードを奪う。
森本は、ゴール裏に向かって、「よっしゃぁー!」と大きな声で叫び、ユニフォームの11番を何度も叩いて自らをアピールする。
これまでの鬱憤を晴らすような2試合連続2得点。
関塚監督には、これ以上無い良いアピールになった事だろう。
その後は、お互いにチャンスはあったが決めきれず、
ジェフは時間の経過と共に、勇人や竹内を投入してゲームを落ち着かせる。
手堅い采配だ。
長野は、厄介な動きをしていたスキンヘッドの13番が下がってくれて楽になった。
徐々に全体の運動量と集中力の低下も感じたので、リードしてからは、あまりやられる気はしなかった。
ロスタイムにもジェフ側に惜しいチャンスがあったが決めきれず。
粘る長野の反撃を凌いで、タイムアップとなった。
関塚監督も、初戦を勝てた上に、森本の好調ぶりや、ペスの特徴、大塚の献身とアイデア、
ゴール前まで行ってシュートを撃たない・撃てない選手たちの様子までを実戦で見られたことで、
今後に繋がる、意味のあるのゲームだったのではないだろうか。
ただ、気になるのは智の怪我。
どちらか片方ならば問題ないが、大岩・キムの組み合わせでは、イージーミスが多すぎる。
智が長引くようだと守備力は途端に下がったままになる。後半戦を考えると、かなり心配だ。
そう、残りシーズンは半分。
監督も変わり、これから少しずつ形が見えてくるでしょう。
どんな化学変化を見せてくれるか。
一戦一戦の成長を楽しみに応援するとしましょう。
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