もう一度「走るジェフ」へ

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土曜日に新体制発表があり、2014年シーズンが始まった。

クラブからの情報発信があまりないままにこの日を迎えたが、当日のサプライズは無く、今オフは、移籍・引退で抜けた選手の穴を埋める最低限の補強に止め、昨年の体制を維持する形となった。

J’s GOAL掲載の新体制発表記者会見の記事)(、今月号のUNITEDに掲載された鈴木監督のロングインタビューを読んだ。

気になったのは、目指すサッカーに繋がる順序を共有できているか?
と言うことだった。

昨年一年間、これがずっと疑問だった。
昨年のサポコミでも、斉藤TDは過去のいい時期に立ち返ってと説明されていた。
それは言わずもがな、「走るサッカー」と言われた頃のジェフの姿だろう。

勝敗云々を抜きにして、その方向へ成長する事を期待して、戦いぶりを見てきたが、残念ながら、それは期待はずれだったと言わざるを得ない。
JFLから昇格したばかりの長崎に2敗した事が象徴的だったように、ジェフは他を圧倒して走り勝つ事は出来ず、むしろそう言うチームにこそ弱かった。
夏場に走り負け、一試合の中でも終盤になればなるほど反撃の機運は萎んでいった。

「ジェフは走れない」
他クラブから、きっと2013年のジェフは、そう映っていた事だろう。

翻って、「走るサッカー」と言われた頃は。

労を惜しまずに走ってスペースを作り、そこにまた走り込む。
相手の動きを潰す、喰らいつく動きも、ような運動量がそれを支えていた。

狂気じみたハイプレスに怯んで、相手がバックパスをするシーンはザラだった。
しかし、今は、さして厳しくも無い相手のプレスに怖気づいてボールを戻すのがジェフだ。

鈴木監督の目指す「つなぎながらポゼッションして崩す」サッカー。
その実現の為には、走力が不可欠なように思える。
2年目を迎えるにあたって、監督には、この肝心要の土台の部分に取り組んで貰いたいと切に期待する訳だが、UNITEDの記事を読むと、技術や精度の問題、コンディションの問題、メンタルの問題が、それが出来ない原因に挙げられていて、何故かなかなかベースの運動量を改善する話には触れられていない。

その事が、どうしても心配だ。
昨年一年間を見て、同じやり方を続けていては苦手とする相手が変わらない事は明らかだ。
長崎に、札幌、松本、岡山、そして降格してくる湘南や大分も厄介な相手だ。
いずれも、愚直にボールを追いかけ、ボールを奪った場所から、一直線に速攻を仕掛けてくる。しかも、それぞれのチームが、監督を代えず、去年よりも戦力を上積みして挑んでくる。
今季の成否は、土台たる運動量をジェフが見せ付けられるかに懸かっていると思う。
それが出来なければ、上記のようなチームとの差は開く一方だ。
 
大きな補強は無かったが、そのこと自体はあまり心配はしていない。
目指すサッカーの為に、走れる選手を監督が起用するかどうかが、より大きな問題だ。

2003年も、ベテラン・武藤のポジションを勇人が奪っていった。
走力の権化のような存在だった大柴ですら、サンドロ・巻・林らとのポジション争いに巻き込まれていった。

2013年終盤、町田也真人が可能性を示したように、今こそ若手が奮起し、それを指導陣しっかり感じ取って、実戦で起用して伸ばす事だ。補強した選手が簡単にポジションを掴む。そう言うジェフの姿はもう終わりにしよう。本当の意味での競争が今年こそは必要だ。
目指すサッカーの為には、何が必要か。
その原点に立ち返る事から、2014年をはじめて、実り多き一年に育んでいって貰いたい。


【2014シーズン始動!】千葉:2014新体制会見での出席者コメント(2)