意外な組み合わせ 第37節・ロアッソ熊本戦
- 2013.10.20
- 雑感
まるで寝かせたワインのように、
久しぶりにボランチに戻って来た山口慶が味わい深いプレーを見せている。
6-0の派手な勝利の陰に隠れがちになるけれど、
先週のFC東京戦といい、今日の熊本戦といい、山口慶のプレーには目を見張るものがある。
まず運動量。そして、相変わらずの守りのツボを押さえたコースを切る守備。
それに加えて今日は、得点に結びつくタテパスと、ゲームキャプテンと言う役割までこなした。
山口慶と言えば、守りの人だ。それだけに、同じ守りのサトケンと組んでしまうと、
役割が被って攻撃が滞ってしまうのではないか。
そんな素人考えなどおかまいなしに、この試合でも慶のプレーは光っていた。
長い間、ベンチにも入れない期間があり、久々に得たトップでの出場機会。
他の選手とは明らかに違った心構え、危機感が、彼のプレーからは感じられる。
ともすれば、怪我をしてしまうのではないかと心配になるくらい。
大差がついた後にも、少しの緩みも今日の慶にはなかった。
そんなゲームキャプテンに引っ張られるように、今日は各々が素晴らしいプレーを見せた。
全員挙げて褒めたいくらいだけれども、三人を挙げると、峻希と兵さん、そして森本だ。
峻希は、今日は積極性があっただけでなく、クロスの精度も良かった。
得点したシーンでは、兵さんのパスに抜け出て、シュートまで迷わず撃ちきった姿勢がいい。
後半も、中にカットインしながら、低い弾道のミドルを撃ったシーンがあった。
後ろ向きでなく、前へのプレーが出たときにこそ、峻希はその魅力が発揮できる。
ムラを無くして、迷わず前へ。次も、今日のプレーを続けて欲しい。
兵さんは、ようやくコンディションが整ってきた。
気温が下がって過ごしやすくなって来た事も無縁では無いだろう。今日は90分戦い抜く事が出来た。
何より、峻希へのアシストシーンをはじめ、「らしい」スルーパスがようやく放てるようになって来た。
周りで動く、ヤマトや慶、ヨネがマークを分散し、兵さんがフリーになる局面を作っていることも無縁では無いだろう。
そこに自身のコンディションが噛み合いつつある。
一時期は、本当に苦しそうな顔をしていたけれども、笑顔が増えて来たのは何よりだ。
やはり兵さんのパスは絶品。守備を固めた相手を切り裂く異能の存在として、切り札になって欲しい。
そして、ようやく初得点を決めた森本。
プレーは相変わらず良くは無かったが、得点が取れた事でプレッシャーから開放されてくれるのでは。
周りが、何とか彼に取らせようとしていたのがありありと見て取れただけに、これからの爆発に期待だ。
もちろん、ハットトリックのケンペスをはじめ、他の選手も良かった。
ヤマト、慶と言う運動量のある存在が加わった事と、
先週・先々週と、レベルの高い相手と戦い、善戦した事で、
チームとして良いイメージが残像のように残っているように見える。
岡山戦の惨敗からの急激な上昇曲線に驚きを禁じえないが、
まだ半信半疑にチームの好調を見てしまっている自分が居る。
ただ、前半戦の6連勝時よりも、「中身」はずっと濃いように思う。
これが「実力」なんだと言い切れるように、続けて欲しい。
じきに、ヤマトも研究されるだろう。
慶に対しても対策は立てられるだろう。
残り試合、そう言う敵の更に上をいけるか。
彼らの台頭で、出場機会を減らしている、谷澤や勇人、大介の逆襲にも期待しつつ、
そう言うチーム内での争いを楽しみたいと思う。
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慶もヤマトもケンペスも良かったんだけど、ゴール裏の団体がチームに敬意を示さないことで喜び半減以下です。
とても気分悪い。
人それぞれ思うところはあると思うけど、個人的なガス抜きを公の場でするという浅はかさがとても寂しい。
もっと前はいいゴール裏だったのに…