何が後半変わった!? 第36節・ヴィッセル神戸戦
- 2013.10.07
- 雑感
正直、前半を観る限り、勝てる気はしなかった。
三連敗の危機感から、これまでの試合よりも気迫は見えたものの、神戸との力の差は明らかなように思えた。
神戸は、選手同士の距離感が良く、特に攻撃に移った時の連携は訓練されたチームのそれだった。
ジェフがボールを奪った後のプレーが全部苦し紛れで、バックパスするか、狭い所で詰まるか、当てずっぽうのロングボールで簡単にクリアされるか、なのと対称的。
神戸ボールになれば、前の選手がスペースに走り出す。
ブロック全体が、常に数的優位を作るように配され、加えて三人の外国人をはじめとして、それぞれに技術が伴い、フィジカルも頑強。なるほど、首位に立つだけの事はある。勝ち点の差、いやそれ以上の積み重ねの差を感じざるを得なかった。
ジェフも、先発したヤマトの奮闘もあってチャンスは作る。
開始直後のヤマトがGKもかわしたシュート、ヤマトからウラに抜けた田中の一対一、ヨネのクロスから勇人のヘディング、いずれも決めきれずに、前半は0-1で終える。
後半、大岩に代わって、峻希がそのまま左SBに入る。
前半、ボランチの両佐藤にミスパスが相次いでいたから、代えるならボランチかとも思っていたから意外な交代だ。
試合の流れが変わるような空気は感じなかった。
このままズルズルと行くような気がしていた。
それが、何故かどうしてか、一気に流れはジェフへと傾いていった。
ゴール裏からのエンドレスのあっこちゃんに押されるように、ラインがぐっと高く保たれる。
前半のように両翼が抉られる事が少なくなり、むしろ米倉と峻希が攻め上がって相手を封じている。
前線では、ヤマトがさらにあちこちに顔を出して、他の選手が動かない分までを補うような運動量を見せる。
自分でも切れ込めるし、パスがほとんどワンタッチで時間をかけないから、相手に考える時間を与えない。
相手の裏をかく、突拍子も無い場所にボールを送るから、相手を慌てさせる事が出来る。
徐々に神戸のラインが押し込まれる。
そこにさらにヨネが進出して、好機を演出する。
同点弾は、そのヨネのクロスにケンペスが合わせ、田中が詰めていたものだった。
フクアリのボルテージも一層上がるが、
そのすぐ後に、ポポに一対一になられたシーンは危なかった。
この日、不安定で落ち着きの無かった岡本の、今日イチのビッグセーブで、追加点を許さない。
すると、65分には、カウンターから、森本→ヤマト→ケンペスと繋ぎ、
ケンペスがペナルティエリアの角から、利き足と逆の右で、技ありの一撃を決めて逆転してみせた。
しかし、あれほどに前半安定していた神戸が、
ジェフが前がかりになったからと言って、こうも押し込まれるものだろうか?
俄かには逆転が信じられない気持ちにすらなりながら、さあ、これからだと言うときだった。
前半から審判のジャッジに不満そうだったケンペスが、相手に肘を見舞ったとして、二枚目のイエローで退場になる。その前の一枚目が異議で貰ったイエローだっただけに、不用意なプレーになってしまった。
ベンチは、奮闘していたヤマトに代え、竹内を投入。
逃げ切りモードに入る。
キーマンになっていたヤマトを失い、これでどうなるか。
数的不利になり、神戸も猛攻を仕掛けてくる。
正直、同点、逆転されてもおかしくない攻められぶりではあった。
けれども、今日は最後の最後で粘る事が出来た。
神戸が、マジーニョ、小川、エステバンと、次々と厄介な選手を何故か下げてくれたこと、
森本やヨネ、峻希らが、身体を張って時間稼ぎをしてくれた事もあって、時間はじわりと過ぎていき、
そしてようやく、久方ぶりの勝利を収めることが出来た。
何で勝てたんだろう?
後半、ペスが退場するまでの30分間、何であれが出来たんだろう。
涼しくなって来た気候、ヤマトと言う新しいピースの存在、峻希への交代、神戸の采配、
開き直り、メンタルの問題?それとも、サポの悲鳴にも近いエンドレスのあっこちゃんか?
どの姿が、本当のジェフなんだ?出来るのに、何か条件が整わないと、「これ」は出来ないのか?
観戦歴の中でも、今日の勝利は、不思議な勝利の一つになった。
一つ言えるのは、出来たんだから、出来る力はあると言うこと。
出来るのに、やれなかった、前節岡山のような試合は論外だ。
何故出来たか、その「何故」を突き詰めて、経験に変えて、それを実力に変えていかなければ、
チームはまたすぐに前節のように戻ってしまうだろう。
まぐれであっても、経験に変えなければ、成長は無い。
残り6試合、今日の後半のようなジェフがどこかに眠っているのなら、
叩き起こし、目を覚まし、残り6戦、「成長」を見せてくれ。
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勝ち続ける力こそが、力なんだと思います。
その意味では、まだまだチームは発展途上なのでしょう。
とはいってもあと6試合。開き直って戦ってほしいです。