完勝。 第23節・ガンバ大阪戦

完勝。 第23節・ガンバ大阪戦

P1150868

やっぱり、満員に近いフクアリっていいね。
黄色に染まったスタンド、耳が痛いほどに屋根で反響する手拍子。

そして、やっぱりJ1上がりたい。
今日のガンバのように強い相手と戦う方が、やっぱり単純に見ていて面白い。
プロの試合観に行ってるんだから。やっぱり、それだけのものを見せてもらわないと。

それにしても、前節・富山戦の重たい動きが嘘のよう。 
このフクアリの雰囲気のおかげか、それとも攻めて来るガンバのスタイルを逆手にとったか。
それとも、亡くなられた君津住宅の社長さんへの想いが選手を強くしたか。

キックオフと同時に、ガンバに攻められはするものの、要所を押さえる集中した守備をみせる。
ガンバはやっぱり上手かった。遠藤や今野のパスを見ても、崩しのアイデアを見ても、やっぱりこれまで戦ってきたJ2のチームと比べると技術が段違いで、危ないシーンも何度も作られた。けれど、今季の長崎のような、尽きる事の無い運動量や、局面での粘り強さ、当たりの強さと言った、「愚直さ」を素にしたような怖さは感じなかった。ボールを上手に回されても、回されているだけなら失点はしない。

失点をしなかったから言えるだけかも知れないけれど、まるで、ジェフ自身を見ているかのような、「上手いけれど怖さが無い」 チームに見えた。このあたりは、レアンドロ、家長が退団し、倉田が怪我と言った前線の事情が無縁では無いだろう。

そして、ガンバからすれば、チクリと痛い思いがよぎったかも知れない。
ピンチの場面で常に顔を出した智の存在感の大きさが、この試合では特に際立っていた。

そうして緊張した展開で始まったゲームを、一気に加速させたのはヨネだった。
田中→大塚と繋がって、ノートラップで送られたスルーパスに抜け出したのはヨネ。藤春と競り合いながら、置き去りにして、最後は絶妙なループで均衡を破って見せた。
今のジェフの象徴とも言える、生え抜きの米倉の一撃で、フクアリは早くも総立ちに。 

そして、その興奮も冷めやらぬ間に、今度は峻希が二川と競り合いながら粘って抜け出すと、併走していた大塚にパスを預け、その大塚が、パスを選択する事無く、距離も物ともせずに弾丸シュート!これが決まって、瞬く間にリードを二点差に広げる。
ガンバユース出身の大塚の一撃に、静まり返るガンバのゴール裏。遠目にも腕組みをしている姿ばかりだった。普段はやられるばかりの恩返し弾だから、こう言うときの複雑な気持ちは良く分かる。

それにしても、アウェイ・ガンバ側のゴールに突き刺さる大塚のゴールは、ただの一点以上の意味を持つ、このゲームの流れを大きく手繰り寄せる、強烈な一発になると思った。

2点のリードを奪い、無理をする必要が無くなったジェフは、智を中心に冷静にガンバの攻撃をいなしていく。
ガンバ側の焦りも見えて、紙一重ではあったものの、冷静にゲームコントロールが出来ている様子だった。

後半開始と共に、あっこちゃんの応援で応援のボルテージはさらにアップ。
バックやメインスタンドも、タオマフや、フラッグを振ってくれているのが嬉しい。

コーナーキックになれば、屋根から手拍子の反射が心地よい。
久々のフクアリらしい空気だ。

次の一点が重要な状況、ガンバは早くも二枚のカードを切って、劣勢を打開しようと動く。
その準備の最中のFK、メイン側から大介が入れたボールに、智が飛び込む。
万博ではバーに弾かれたシュートだったが、今度はドンピシャでゴールに突き刺さる。
W恩返し弾で3-0。勢いのままに、ほぼゲームの趨勢にケリをつけてしまった。

とは言え、普段だったら、そろそろ運動量がガタ落ちになってくる後半の15分過ぎ。
ところが、これがあまり落ちてこない。

ガンバにも疲れはあったろうが、ジェフの選手達もノッているのか、まだまだ体が動く。
攻め急ごうとするガンバの逆手を獲って、カウンターでチャンスを伺う。
ケンペスに4点目のチャンスもあったのだが、決めきれずに試合は終盤へと移っていく。

優勢の中、気に掛かるシーンもあった。
スローインやゴールキックなど、慎重にやればマイボールに出来るシーンで、プレーが雑で簡単にボールを相手に渡し過ぎる。もっと丁寧にプレーを出来ていれば、バタバタせずに、試合をクローズできたように思う。

交代の一枚目は、ケンペスからナム。
その後、峻希を大岩に変え、最後は大介を勇人に。

特に悪い選手が居ない中で手堅い采配になったのは理解できる。
反対にガンバは、まだ宇佐美やロチャの登録が規定上出来ず、代えの駒は、未知数の若手ばかり。
優勢を、冷静に変えてクローズ出来る余裕がジェフの方にはあった。

ロスタイム、遠藤のFKも枠を捉えず、3-0で完勝。
望外の勝利を手にすることとなった。
しかも、この客入り。ライト層に素晴らしいアピールにもなった。

P1150862

冷静に考えれば、勝利の要因は、ガンバの戦力的な空白に上手く当たったこと、ガンバにとっては大差首位、大勝の後の一戦、ある意味「ただの一試合」だったのに対して、後の無いジェフと言うメンタル面の差などがあったかも知れない。 

しかしながら、 それを結果に結び付けられたのは大きい。
試合後、ヨネがインタビューで語っていたように、これから追い上げてJ1に上がる為に、勝ち続けるしかない。
この勝利に浮かれるのは、今晩までにして、来週の山形戦。フクアリでの大敗の借りを返す為、気持ちを切り替えて準備して行こう。


<余談>
試合後、大塚にもお立ち台に立たせてやりたかったなあ。
練習試合で結果を出した大塚が、トップで結果を出しつつあるのは嬉しいこと。
次はヤマトだと勝手に期待しています。

<余談2>
運営の金子氏(元古河電工の名DF/当時の渾名=ゴルゴン)が、異動でジェフを離れられるとのこと。
試合後は、ゴール裏から花束の贈呈と、一緒に記念撮影がありました。
自分自身も色々お世話になりました。フクアリでの再会を楽しみにしています。
ありがとうございました。

<余談3>
試合前のコレオやバンテーラの準備に結構お金がかかったとのこと。
もし、カンパしてあげても良いと言う方がいらっしゃいましたら、ぜひご協力をお願いします。
詳しくは、サポーター連絡協議会のブログまで。