秋春制移行と、2ステージ制復活
- 2013.06.12
- 雑感
なんだか重要な事が決められようとしているのに、蚊帳の外に置かれた感がありあり。
今日行われたJ1とJ2の合同実行委員会で、シーズンを現行の春開幕から欧州主要リーグに合わせた秋春制に移行した場合のメリットを確認。移行を前提に準備を進めることで合意したとのこと。
時期は定めていないとあるものの、「移行を前提に」と言うのは流れが変わった感がする。
しかし、札幌や山形、新潟をはじめ、降雪の問題や冬開催に伴う観客減の恐れがさんざ言われている中で、こうした方向性に舵を切ったのはどう言うことか。
こちらの記事では、独自にその分析をしている。
代表の国際日程との兼ね合い、ACLとの日程の兼ね合いが大きな理由とされているが、どうも「秋春制」の結論ありきで議論をしようとしている感がある。
この記事で挙げられているような、国際Aマッチによる中断や過密日程は、現行の春秋制で全く対応が出来ないとは思えない。多少の過密日程は従来からある。
心配されるのは、常に『代表ありき』の考え方を押し通そうとすると、代表にとっても、Jリーグにとっても、双方にデメリットが発生するのではないかと言う事だ。
秋春制に移行して、代表の日程を優先したとしよう。
それによって、厳しい冬の観戦を強いられれば、観客動員が減る可能性も高い。
代表を支えるべきJリーグの経営が苦しくなれば、選手への給料もますます厳しいものとなり、力のある選手は海外に移籍する流れが強くなり、代表がさらに海外組ばかりになれば、今以上にJリーグ所属する代表選手による集客効果は落ちる。
経営が厳しければ、Jに来日する選手のレベルも落ちる。
観客が少なく、選手の魅力も少なく、経済的に潤わないリーグでは代表を支える事も難しくなる。
そして、そうした懸念を軽減する為の手段として、2ステージ制を復活させようとしているのなら、それは更に大きな間違いだ。
秋春制移行を前提とした日程調整の為、またライトサポーターを増やす手段として、クライマックスの数を増やそうとしているのだろうが、増えるのは「薄まった」「偽の」クライマックスだ。
年間最多勝ち点のチームが優勝できない可能性がある手法は、チャンピオンの価値を薄めてしまう。方や秋春制で欧州基準と言いながら、2ステージ制でその逆を行く、ダブルスタンダードは、サポーターには受け入れられないだろう。
サポーターが求めているのは、誰が見ても分かり易い「最強」のクラブが、年間を通して決まること、そして本当の意味での真剣勝負の増加だ。
そして、それを観戦し易い環境の下で堪能したいのだ。
自分の考えでは、JリーグはJリーグで良いと思う。
実際問題代表は、欧州組が主力となり、Jリーグの選手はほとんどスタメンに名を連ねていない。ならば、代表を中心に据えても秋春制はあまり意味が無い。
(代表選手の居るJチームに不公平感があるにせよ)
それよりも、純粋にJが盛り上がる事を考えるべきだ。
・1ステージ制を堅持
・ACL出場枠の増加
(もしくは、天皇杯枠を撤廃して4位までを出場とする)
・J2プレーオフを撤廃し、J1・J2入れ替え戦の復活
余計な装飾を排除して、密度の濃いゲームを増やす事で観客を増やして欲しい。
いずれにせよ、「合同実行委員会」がどれだけJリーグのサポーターの声に耳を傾けているのかには、疑問を抱かざるを得ない。代表には代表の、Jリーグの経営サイドには経営サイドの、サポーターにはサポーターの考え方がそれぞれにあってしかるべきだが、こと、観戦するサポーターへの影響が大きい問題だけに、何らかの方法でサポーターの意見を酌んだと分かる議論の進め方をして欲しい。
そうでなければ、この議論に固執している人達の思わぬところで、不満が噴出する事になりかねない。Jリーグも20年が経つ。サポーターとどうすれば歩調を合わせられるのか、各クラブの経営者達、Jリーグの幹部には、思いを巡らせて貰いたいところだ。
Jリーグの為、とは何なのか。
代表が盛り上がる為にも、Jが元気でなくてはならないのではないか。
より多くの人が楽しめる事が、Jの原点では無いのか。
この問題は、もっとサポーターの声を聞いて、考え直して欲しい。
(追記)J公式で、この件についてのリリースが。
やっぱり移行する前提で話が進んでいる模様。
(備忘録 追記 2013/07/27)
昔のサッカーダイジェスト(2003/12/02号)を整理していたら、当時の2ステージ制を見直すべきか?と言うテーマで、信藤健仁さんのコラムが。2ステージ制の問題点は以下のような感じだった。
・ホーム&アウェイの意義が感じられない
(サポーターの後押しによるアドバンテージを公平に受けられない)
・リーグ戦を2つに分けると、一般の人たちに分かり辛いものになる
(1stステージ優勝決定のすぐ後に、2ndステージが始まると、1stステージの優勝の印象が薄まる)
・チャンピオンシップになってようやく、その年の優勝チームが見える
・1シーズン制では、年間を通してのチームの浮き沈みが反映され、ドラマがある。
短期決戦の中では、そうしたドラマを見出し辛い。
・1ステージ制には、サッカーと言うスポーツが長年培ってきた要素が凝縮されている。
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