抜き身の鍔迫り合い 第21節・湘南戦 

抜き身の鍔迫り合い 第21節・湘南戦 

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ヴェルディ戦以上に、緊張感溢れる戦いだった。
久々に、J2のレベルを超える、スペクタクルなゲームだったんじゃないだろうか。

お互いが、ゴールを目指し続け、それぞれの持てる武器をぶつけ合った戦い。
個人的には、今季のベストマッチだった。


湘南の戦いが素晴らしかったから、ジェフの良さも映えた。

湘南は、とにかく速い。そして運動量がある。
このハーフカウンターのキレ味、なんだか10年以上前のジェフ。
そう、2001年のベルデニック監督の下でのサッカーを思い起こさせるような、新鮮で懐かしいキレがあった。
少しのミスよりも、ワンタッチ、ツータッチでボールを速く回す事を徹底させたチームは、美しい刃物のようだった。

特に10番と23番、6番は印象が強い。
一人一人の選手が「勝負」の姿勢を持っている中でも、とりわけ、「我」を押し出したプレーで、アクセントになっていた。ドリブルで、シュートで、切っ先を喉元に突きつけられているかのような、「怖さ」のある選手達だった。

前線から、後先を考えない猛烈なプレス。
奪ったら、ゴールまで一直線の猪突猛進ぶり。
なるほど、まともにこれを受けたら、点は取られるわけだ。

ただ、それを真正面から受けられる力がジェフにはあった。
結果は、1-1。仕留め損ないはしたものの、「たられば」が許されるならば、勝てたゲームではあった。

湘南の猛攻を浴びながらも、ゲームを大きな意味で支配していたのはジェフだった。
俯瞰してピッチを見れば、湘南のプレスやカウンターは強烈でも、超攻撃的であるが故のひずみが、守備のあちらこちらに出ている。最前線で起点になった藤田が散らす左右へのボール。湘南のウイングバックの裏を狙う、佑昌や深井の動き。

相手GKとディフェンスの粘り強い守備があったから、1点に止まってしまったが、結果は結果仕方が無い。
普段以上に、局面への厳しさを維持しながら、波状攻撃を仕掛けていったジェフ。
特に、後半10分間のラッシュは、左右の展開も、ミドルも、何もかも、持てる武器を使い切ってそれでも駄目だった。

ホームで引き分け。この結果で良しとは言えない。
けれど、前節ヴェルディ戦と合わせて、これからの戦いへの覚悟を固めるには悪くなかったんじゃないか。
ジェフもまた強くなって来ている、そう思える事が嬉しい。

7月には、山場の試合が続々と行われる。
7/22にはロボも加わる。
勝ち点1差に5チーム。

今季こそは、後半戦がハイライトになる。
さあ、面白くなってきたぞ。