大岩・町田のデビュー戦 第2節・京都戦

NO IMAGE

開幕連勝、そして昇格のライバル叩きを目論んだアウェイ初戦は、0-2の厳しい結果になった。

夕方から降り出した雨で芝の湿る西京極。
キックオフからは一進一退の展開が続いた。

この日のジェフは、開幕スタメンから坂本がベンチから外れ、代わりに五輪代表候補の大岩がJデビューをスタメンで飾る。それ以外のメンバーは変わらず。
対する京都は、バヤリッツァが負傷欠場。ドゥトラもベンチにも居ない。浩平を右サイドに置き、FWは売り出し中の久保・宮吉の二人が組む。

濡れる芝に足を取られたり、折からの強風でなかなかパスも定まらない中、先にチャンスを作ったのはジェフだった。左の武田、右の大岩から、可能性を感じるクロスが放り込まれるものの、僅かに精度を欠いて、シュートまで持ち込めない。

最大のチャンスは、藤田のシュートを大介が押し込んだシーン。
見ようによっては、大介がカバーに入っていたDFを後ろから引っ掛けたようにも見えたが、ゴールは認められずに、流れが少しずつ変わっていってしまった。ちなみに東城主審。

流れを奪われたと言っても、京都の修正が効いてきて、と言うよりも少し焦りを見せてしまったのだろうか。
パスが雑になり、ミスパスが増え、ラインが下がる。
なかなかボールが繋げられずに、シュートまで持ち込めず、ゲームに停滞感が漂う。  

それでも、前半はまだ0-0。
後半の修正に期待したいところだった。


後半。
選手を代えずに臨んだジェフ。
流れは変わらず、相変わらずミスパスが多く、ラインは下がりがち。

徐々に流れが京都に傾いた60分。
浩平からのスルーパスが、武田と智の間を綺麗に切り裂くと、飛び出した中村がしっかり流し込んで京都が先制に成功する。

ジェフ時代に比べて、浩平のプレーの質が上がったように思う。
狙いを定めたスルーパスは、腰をずしりと落として、「力」が込められている。
前半、クロスに飛び込んでヘディングを放ったシーンといい、大木監督が上手く「力」を引き出しているんだろう。
なかなかに憎たらしいプレーぶりだった。

対するジェフは、田中、久保を相次いで投入して同点を狙うも、どうにも流れが来ない。
逆サイドに展開したいのに、同サイドで展開をうかがう内に潰され、ボールが前に運べない。
形を作れない分、コーナーキックを何とか奪うも、これも決め手にならない。

そんなジェフを尻目に、京都はディフェンスの裏を狙って、ポスト直撃のシュートを含め、追加点のチャンスを何度も作る。正直、守ったと言うよりも、運に助けられて追加点だけは事なきを得ていた。だがそれも、運だけでは守りきれない。ロスタイム直前の87分、コーナーキックをヘッドで競り負け、こぼれたボールが原の足元へ。ダイレクトで振り抜かれて、0-2。万事休すだった。

残り時間は僅か。
この日、ほとんどボールが回って来なかった深井が、せめて一矢と想いを込めてシュートを放つも、枠を捉えず。
0-2。痛い敗戦となった。

非常に厳しい結果だけれども、全勝出来る訳も無く、敗戦は次への糧にしなくてはならない。

まず、この日デビューだった大岩。 
90分を通じて無難なプレー振りだったと思う。前半に上げたクロスも、精度は悪くなかったし、後半、コーナーキックのこぼれ球をシュートしたシーンでも、ルーキーらしい思い切りがあった。十分戦力になると印象付けしたデビュー戦だったのではないだろうか。

そして、終了間際に投入された町田。
時間は殆ど無く、何かが出来る時間帯では無かったものの、木山監督の意図は短い時間でも実戦を味わわせる事にあったのではないだろうか。去年終盤戦に使われた、佐藤祥や井出と同じく、プレーして初めて感じ取れるものはある。

リーグ戦は、まだ二試合が終わったばかり。
彼らには、試合の中で成長して戦力になってもらう必要がある。
「先」を見据えた采配に、負けるにしても、ただでは負けない木山監督の意図があったように感じた。

対する京都は、若い選手が多いながらに、一年間、大木監督の下で戦い続けた積み上げを随所で感じた。
「オフサイドを恐れず、相手の裏を狙う」
シンプルな指示を選手達が、しっかり形にした。浩平のスルーパスも、注文通りだ。

今日は負けてしまったが、柏戦、山形戦で見せた、木山監督の「やりたいこと」は観る側にも伝わりつつある。
去年までは、一つの負けで、右往左往してしまったかも知れない。
けれど、今年こそやらなくちゃいけないのは、「やりたいこと」が「ジェフのサッカー」になるまで、その過程を後押しする事だ。

『勝つ時も負ける時もある。だけど、ジェフはジェフのサッカーをやる。』 
今年は「ジェフのサッカー」を奪還する年。

京都遠征組、お疲れ様でした。