術中。 ~第20節・ロアッソ熊本戦~

術中。 ~第20節・ロアッソ熊本戦~

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第20節・熊本戦は、1-1の引き分け
得点者:竹内

なんと言うか、微妙な試合だった。
挨拶に来た選手達に、腕を組んだまま、首をかしげてしまった。
後半のほとんど、相手は10人だったのだから、ホームなのだから、勝たなくちゃいけないのはもちろん。

けれども、正直なところ、勝ちきる力が自分達になかった。。
熊本の方が上手くゲームをコントロールしていた。

前半、双方のゴールが決まってから、ゲームは膠着状態に陥るのだが、熊本に感じたのはプレーの精度の高さ。やってるサッカーは途中まで、「こんなに熊本は縦ポンだったっけ?」と思うほど、前線にそびえる、長澤とファビオの長身2トップをめがけたロングボール一辺倒。

ある面ではジェフと一緒だが、ただ、この精度が存外に高い。
しっかり長澤やファビオのところでボールが納まるから、ラインがぐいぐいと高くなる。

前々節、前節、ジェフが後ろでボールを回しているシーンがあったけれども、それよりもイメージで5~10mくらいはラインが高い。
その守備をコントロールしているのは、かつてジェフも獲得に動いた事のあるエジミウソン。いぶし銀のプレーぶりで、ある時はボランチとして。ある時はディフェンスとして、ラインを見事に統率している。昔のイリアンのようなプレーだ。

加えて、個々の選手も、思いの外と言っては失礼だろうが、後ろでしっかりとボールを繋いでいる。正直、ジェフより上手い。少しくらいプレスをかけても、すいすい回されてしまう。
途中からは、最初の縦ポン祭りが何だったのかと思うほどに、繋いで攻められた。

ジェフもオーロイをめがけてボールを蹴るものの、相変わらず収まらない。
かといって、オーロイがシュートを撃てるような精度のあるクロスも飛んでこない。

誰が、と言うよりも、皆が少しずつ物足りないプレーをしている。
もっと運動量を増やして、パスコースを増やして、相手を釣り出して、シュートを撃てば・・・と思うのだけれど、そのどれもが出来ない。絶好調の深井も封じられ、倦怠感ばかりが募る前半だった。

後半、ゲームは意外な形で動く。
相手の片山が、記録上、1分間で2枚のイエローを貰って退場。
ジェフから見て、右サイドに大きなスペースが急に出来る。

この退場で、熊本は確かにしばらくは混乱した。
それに乗じて、一気に攻勢をかければ、相手は崩れもしただろう。だけど、プレーは変わらず、積極性も意外性も無いプレーに終始。熊本があからさまに「引き分けでいい」と戦術を切り替えた流れに付き合ってしまう。

途中交代で出場した孝太も、まったく何も出来ず。
久保の投入は明らかに遅く、時間の経過に焦りを募らせ、状況は全く好転しない。
結局そのまま時間は過ぎ、1-1のままのタイムアップ。

決定的と言えるのは、ヨネのヘッドくらいだったか。
どうにも消化不良なゲームとなってしまった。
不満に思ってしまうのは、運動量の少なさと、思い切りの無さ。深井だけは、そのどちらも感じるのだけれども、他の選手達からは・・・。皆が深井になれば良いと思う。彼は守備も全力だった。よく動いてパスコースも作っていた。何も仕掛けず、待つばかりの選手が多すぎる。

引き分けで上位は大混戦。栃木の結果次第ではまた首位から落ちる。
こんなピリピリとした空気が12月まで続くのだろう。
混戦を抜けるには、 一人一人の意識を変える必要がある。ジェフは間違いなく色々武器は持っている、それを活かせる「チーム」になる為に、一人一人が逃げないでチャレンジしていかなくては、勝つことは出来ない。正念場だ。