必要なのは、「戦犯探し」ではなく、「敗因の分析と改善」

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成績が悪いと、とかく「敗因分析」が「戦犯探し」にすり替わってしまっている事がある。

先日、JEFSPIRIT.comの本サイトでも「クラブ間の競争に負けている」と書いたが、今日のJリーグの戦いは、現場だけでなく、強化、営業、集客、あらゆる面でのクラブ間競争の結果が、またその「継続」がリーグ戦の成績に結び付いていると感じる。

にも拘らず、ジェフはここ数年の低迷に対する客観的な分析が無いのではないだろうか。

分析の結果として、問題の原因が個人の能力にフォーカスされる事もあるだろう。
しかし、個人の問題を原因の全てと捉えてしまっては、根本的な問題は修正されない。
その愚をジェフは犯し続けてしまっているように思う。

では、核心は何なのか。
既に何度も書いている通り、ジェフの場合は「組織」が問題なのではないだろうか。

社長や、GM(TD)が変わるために、容易に揺れてしまう指針。
経営と、強化・育成、現場の権限の境が明確でなく、容易に緩衝が起こってしまう構造。
2つの大きな親会社への配慮と、ジェフ自身の独立した自我の欠如。

これらが相まって、ジェフはジェフ自身の確固たる意思が無いクラブになってしまっている。かつて、祖母井GMが指針を作り、オシム監督と言う絶対的なカリスマが居た時だけは、ジェフには、外から見たときに確固たる「ジェフらしさ」があった。

しかし、オシム監督の退任から4年が経ち、その「ジェフらしさ」が如何に個人の力に、依存していたかに気付かされる。

ジェフは成功体験が少ないが故に、「あの頃は良かった」と懐古の念に浸ってしまう。
私もまたそうだ。

しかし、オシム監督に頼りきりだった、あの頃は戻らない。
本当に取り戻すべきは、オシム監督が居ようが居まいが、「ジェフらしさ」とは何だと言い切れるクラブとしての指針、理念、組織の構築であり、それを隅々まで浸透させることだ。

そして、それはオシム監督が居なくても出来る。
40近いJクラブは、カリスマが居なくても、それぞれの「らしさ」を構築している。

いまのジェフにあって、そうした「ジェフらしさ」を構築しようとして、三木社長が江尻監督にチームを託し、今季に賭けた思いは強く共感できる。それ自体は今も変わらない。だからこそ、自分は江尻監督を今季の最後まで支持するし、三木社長に「辞めろ」と言うつもりはない。

チーム全体を俯瞰する「ジェフらしさ」の構築をしたい。
それぞれの思いは分かる。
ただ、あがくが故に、それぞれの頑張りが、上手く一方向を向かず、空回りや矛盾を生んでいるように思う。多くを求めるが故に、優先順位がつけられなかったし、多くのサポが危惧したように、中途半端なプライドが、物足りなさと後先を考えない補強と相まって、この成績を招いてしまった。現状はクラブ全体の責任だ。

フロントが言うように、成績も残し、若手も伸び、スタイルも構築できれば、それはバラ色だっただろう。でも、敵を圧倒し、それを達成するには、まだまだ頑張りが足りなかった。足りない事を理解できなかった。

だからこそ、ジェフは、今が大事だ。
降格でも目覚めなかった、見通しの甘さを理解し「敗因分析」の上で「改善」の為に、自身を見直さねばならない。今季をその契機にしなくては、この4年間が無駄になる。予算規模が小さくなった今こそ、その好機でもあるはずだ。

だれが辞めると言う話ではなく、他のクラブよりも強くなるために、ジェフはどういうクラブ組織であるべきなのかを考え直すこと。
誰が、どう言う権限を持つべきなのか。強化責任の明確化、経営との分離。トップの決済権限。やるべき事はたくさんある。

誰が社長になっても、誰がGMになっても、監督になっても変わらないクラブの構築。
5年前のジェフ自身を一つの理想にするのはいい。
現状の客観的な分析の上に、それを考えるべき時だ。
ナビスコの初優勝から5年が過ぎた。
まさか、5年前には今のジェフがこんな低迷の底にあるとは思わなかった。
輝ける未来を夢見ていた。
悔しくてならない。

下り続けた4年間だが、倍の8年かかってもいい。
開幕以来、12年待ち続けて、ようやくナビスコを勝ち取ったんだ。 
一歩一歩、確実にあの場所へと戻ってくれればいい。
一足飛びなど考えない事だ。

今季も厳しい年になった。このオフもサポにとって心地良いものとはならないだろう。むしろ、これまで以上の辛い冬の到来を予感している。
しかし、何の積み上げの無かった1年間とは思わない。この1年で僅かながらでも根付いたジェフらしさを温めて、来季以降へ繋げねばならない。

誰が社長でも、GMでも、監督でも、ぶれないクラブを作るために。
触れたくないと思うところにこそ、低迷の原因はある。
それは、個人で片付けられる簡単な問題ではない。
サポと言う立場だからこそ、しがらみ無く、その事を訴え続けて行きたい。