江尻監督は決して諦めない ~練習見学雑感記 2010/09/25 ~
- 2010.09.25
- 練習見学雑感記
試合前日にも関わらず、見学者は20人ほど。姉崎の頃を思い起こさせる。
Bコート前では、選手たちがシュート練習を黙々と行っている。
時折、坂本の高い声が響き、勢いのあるシュートが決まる度に、メンバーの中から歓声が起こる。ミドルシュートを打ち込み、こぼれ球を狙う練習。両サイドからのクロスに合わせる練習。間断なく攻撃の精度を高める練習が続く。
インターバルを挟み、ハーフコートでのミニゲーム。
細かいエリアでのパス回しの反復は、今季の定番の練習だ。
チームを3つに分け、入れ替えながら全体で意識を共有する。試合前日とは言え、納得の行くまで身体を動かすのが、江尻監督の練習だ。1時間半ほどのメニューをこなし、軽く身体をほぐした選手たちが上がっていく。
今日は、江尻監督と話をしようとユナパにやって来た。
こう言うチーム状況、こういう天候だからこそ、話をする機会があるのではないかと思っていた。練習を終えた江尻監督がこちらを見つけると、「何かありますか?」と話かけて来てくれた。ユナパになってから、なかなか聞けなかったが、久しぶりに監督の生の想いを聞くことが出来た。
江尻監督は、「自分は昇格を諦めていない。人生を賭けて勝負する。」と熱く語り始めた。
結果を出せていない現状。監督としての苦しい立場。その中でも、熱く芯に一本通っているのは、サポーターと同じ、いや古河時代からの歴史を背負う人間として、それ以上の「ジェフを何とかしたい」と言う信念だった。ジェフがそのスタイルを確固たるものにしつつあった2006年。そこからの瓦解。2008年最終節の残留劇。外からジェフを見ていた時代、彼自身どれだけジェフの低迷を歯痒く思っていたか。
その中で自ら火中の栗を拾った昨年。
どうにかして、もう一度ジェフらしいスタイルを創り上げたい。この先に繋がるジェフのスタイルを、何としても残したい。他の監督と比べての経験の無さを、江尻監督自身認めながらも、それでも自分の信念を貫くと強く言い切った。
その為に、どんな苦境であっても、絶対に諦めずに戦い抜く。
その思いを選手に伝え、それが出来る選手を、ピッチに送り込むのが、自らの仕事だと言った。
実際、監督としての経験や引き出しは、まだ足りないのかも知れない。
しかし、江尻は現役時代と変わらずに江尻だった。我々サポーター以上に、ジェフを愛し、全身全霊をもって、このクラブを立て直したいと言う想いでは、一番の監督だろう。
「この黄色いユニフォームに、エンブレムに自分は誇りを持っている。同じ想いの、サポーターにも応えなくなくてはならない。そのための選手を、明日の栃木戦では送り出すし、自分達のサッカーをやり抜きます。」
退路無き、迷い無き境地。それが、今の江尻監督だった。
江尻は江尻なりに、「ジェフはジェフのサッカーをやる」と言い切った。
ならば、それに応えて最高のプレーをするのが選手であり、最高の応援をするのが我々サポーターと言うものだ。明日の栃木戦、そしてその先の10試合、我々の力の限りを尽くして勝利しなければならない。
結果が出ない。それを監督を代えろの一言で済ますのは簡単だ。
だが、想いを同じくして戦っている監督と戦う事がサポーターでは無いのか。我々は、何を「応援」しているのか、それを一人一人のサポーターが今一度考えるべきではないだろうか。
この監督の気炎・覚悟が、文章でしか伝えられない事が悔しくてならない。
戦うも、諦めるも、自らの意思次第。江尻は戦うと言った。我々はどうか。
残り11試合。最高の応援で、結果を掴もうじゃないか。
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はじめまして、コメント失礼します。
こういう、江尻さんの言葉を伝えて頂き、ありがとうございます。
mixiなんかでも、結果が出ないとここぞとばかりに
「江尻じゃもうムリ」なんて言葉が聞こえてくるのが
イヤで仕方がないんですが、
江尻さんを後押ししようという思いを新たにすることができました。
個人的には、福岡や甲府が11連勝するとは思いませんから、
勝ち続ければまだチャンスはあると思っています。
鍵になるのは富山戦かな、と。
明日栃木に勝たなければならないのは当然ですが、
アウェイ富山戦で勝てれば、変わるきっかけになると思います。
そのあと水戸、横浜と勝って4連勝で甲府を叩ければ、
まだまだわかりません。
一つ気に入らないのは、このところフロントが矢面に立つ事なく、
陰でぬくぬくしていることです。
三木、島田あたりは08年を経験しているわけですから、
この期に及んで為すべき事は1つしかないはず。
どう動くか、注視したいと思います。
私は、江尻解任派です。近頃の試合、これが江尻監督が昨シーズンから1年間かけて作り上げてきたものなのか、目指してきたものなのかと頭を抱えてしまいます。
これまで監督を変える猶予は十分にありました。ふがいない試合、攻撃の形の見えない試合が何度あったでしょう。それでもまだ昇格圏だから、首位とは勝ち点○差だから、といって目をつぶってきました。私も昇格圏にいたうちは、そのように自分に言い聞かせ、妄信的に応援してきました。その結果が今と言う現状。4位という現実です。
私が江尻さんを見て思うのは、江尻さんには、哲学を貫き通せるだけの素地がない、もっというと監督哲学がないということ。これは、当初の戦術と現状の采配のブレを見れば決定的だと思います。これは監督だけの責任ではないですし、それを江尻さんに責任を取れというつもりもありません。そもそも監督経験のない江尻で大丈夫だと判断し、碌に分析なくJ2に落とした張本人の続投を決めたフロントこそが原因なので、責任を取り決断を下すべきだと考えます。
とはいえ、江尻監督解任こそが最善策かはわかりません。ギャンブルだと思います。しかし、サポとして何かアクションを起こさなければ何も変わらないのではないでしょうか。これまで黙って応援していた結果が現状の4位という結果なのですから。だからこそ、サポはサポとして起こせるアクションを起こさなければならない。私はそう思います。Ruinさんのブログのような重みも無い、1サポごときが送るメールにどれほどの効果があるのかはわかりませんが、クラブにも解任を要求するメールを送りました。私の取るべき行動はこれだと思ったからです。
最後に、私はruinさんとは取っている行動こそ違いますが、1年でJ1に昇格したいという想いは同じです。応援も懸命に続けますし、昇格の喜びを皆で分かち合いたいと思っています。お互いにがんばりましょう。
>「あ」さん
意見の相違は尊重します。
解任と言う意見があっても当然だと思っていますし、自分の周りにもそうした考えの仲間が居ることも事実です。ただ、出来ればハンドルネームや、メアドは書いて意見して頂きたいものです。
自分は江尻さんの思いに賭ける思いと別に、もう少し現実的な視点から2つの懸念を持っているので、まずは現状の体制で最後まで戦うべきだと思っています。改めてエントリーで書きたいと思っていますが、簡単に理由を書きます。
1つは、江尻監督を解任したとして、フロントがしっかりした監督を連れて来れるのか?と言うこと。果たして、強化担当としての経験の浅い神戸TDの人脈でそれが可能でしょうか?まして、シーズン中では監督職を受けられる人材はかなり限られてしまいます。中断期間、選手の補強すら話をまとめられなかったのです。
せいぜい、内部昇格がオチではないでしょうか?
新しい監督に切り替わったとして、その戦術を浸透する時間がどれだけあるのでしょうか。今のタイミングでのジャッジは余りに遅すぎ、リスクが大きすぎると考えます。この期に及んでの混乱は、他クラブからすれば、自爆にしか見えないでしょう。
もう1つは、江尻監督が現在の成績の全ての責任を背負わされてスケープゴートにされること。そして、問題の根幹がボヤけさせられる事です。相次ぐ強化責任者と監督の挿げ替え、一貫しない強化体制、それを招いている根幹にこそ、我々は眼を向けるべきと考えます。
昨年の監督交代の時、三木社長は江尻監督を「熱い男」と言い、サポーターに支持を呼びかけました。今はどうでしょう。全く、社長の声も、TDの声も聞こえtて来ません。これだけの苦境にチームがあるのに。自らが難しい状況下で江尻に託したのです。彼が苦境にある今こそ、三木社長は矢面に立って、彼を支持する発言をしても良いのでは無いでしょうか。
最終節でJ1復帰を決めて、江尻さんと泣きたいです。