無心に還る ~ 練習見学雑感記 2010/09/23 ~

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up_100923練習前に福岡の勝利が伝わり、これで勝ち点の差は「7」。
ジェフの来季J1昇格は風前の灯火。まさか、9月にしてここまで追い詰められるとは思ってもみなかったが、これが厳然たる現実。いくら後悔をしようが、勝ち点は戻ってこない。状況を打開するには、勝って勝って勝ちまくり、上が落ちてきてくれるのを待つしかない。

冷たい雨の降るユナパ。

ミーティングが長引いているのか、選手たちはいつまで経っても出てこない。16時半近く、ようやくスタッフが練習器具を用意し、練習が始まる。
強化担当の吉野さんが、「雨が降っているのでこちらへどうぞ」と、ファンサービスゾーンの庇がある方を開放してくれた。

全体練習には、アレックスが復帰していたが、ネットはまだランニングのみ。表情が冴えない。通訳さんが伴走する様子を見る限り、もう少しネットは時間がかかりそうな気配だ。他の選手たちは黙々とストレッチをこなし、配られたビブスをまとって、ボール回しの練習へと移る。

そう、もはや焦ってもどうなるものでもない。
自らを信じ、自らの力で苦境を打開するしかない。
練習を重ね、それを試合で表現するしかない。

「J1級の戦力」をフロントが公言した今季。
もしも昇格が叶わなければ、大幅な減棒や、大量の戦力外通告といった、今季のジェフの原型も 残らないような、大きな変化が待ち受けているのかも知れない。結果を出せないのは、戦っている選手であり、現場スタッフであるが、ここ数年の低迷は、クラブの指針が定まらないが故の結果でもあり、その犠牲に現場がなっている側面もあると言う事が残念でならない。
この責任を、フロントはどのように考えているのだろうか。「現場と選手を信じていた」「やれる事はやった」と言い切れるのだろうか。自分には、そうは思えない。問題は、他のクラブと比べて、どれだけプロフェッショナルであったか、なのだ。

年初からの懸念と、現状を見渡しての後悔が、頭の中を巡っては消える。
ジェフは、本当の意味でプロクラブにならなければ、釜の底が抜けるかのように、低迷を続けるだろう。 

柏が勝ち、甲府が勝ち、ジェフが置いていかれる。 
だからと言って、何が終わったわけじゃない。あと、11試合が残っている。挫けそうになる心を奮い立たせ、この選手たちが戦う限り、サポーターも戦わなくては。最終節、残り15分で2点負けていても、諦めなかった我々なんだ。最後までしぶとく、今季も戦い抜いてやろう。

雨の中、黙々と走り、泥に塗れる選手たちを見て、改めてそう思った。