2009-2010選手補強雑感

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新体制発表記者会見も終わり、2010年のジェフが始動する。
「J1復帰」と言う大目標に向け、効果的な補強を施す事は出来たのか。
今季のオフを振り返ってみたい。

新体制発表記者会見(1)
新体制発表記者会見(2)
2010選手一覧

チームとしての指針は、江尻監督を核に据え、その求心力を軸に「現有戦力の残留」を図り、監督・神戸TDのコネクションで選手を集めるというものだったのだろう。
その目論見は表面的には成功したように映る。勇人、ミリガン(予定)をはじめ、J1でも引き合いがあっただろう村井を獲得。戦力外になった過去の所属選手をかき集め、他にも監督の望む若手の獲得も行った。昨年に比べて、確かに選手の数は増えた。

しかし、最下位降格にも関わらず、昨年までの問題に大きく踏み込んだ形跡は見て取れない。

個人的には「バランスの悪い補強」と言う印象を持っている。
「軸となる外国籍選手が不在」であり、「弱点の補強がされず、ポジションに偏りのある」補強がされているのではないだろうか?

J2に降格した事実を踏まえれば、思うような補強がJ1の時以上にやりにくい状況ではあったろうが、昨年までの反省が十分踏まえられているとは思えない。

仮に、4-4-2としてポジション別にレギュラークラスの分析を行ってみる。

【GK】

補強はなし。岡本と櫛野が軸。
昨年は「GKに救われた」試合はあまりない。一層の奮起が求められる。守備もさることながら、攻撃への第一歩として、キックの精度の向上が必要。

【センターバック】

問題のあるポジションの一つ。
新加入予定の豪州代表ミリガンと、福元が軸。彼の残留は大きい。
ただ、本職は他に池田と茶野の2枚だけで、選手層が薄いのが大きな不安材料。特にミリガンは、代表召集による不在が見込まれる。怪我人が一人でも出たら、大きく構想が崩れる恐れがあり、若手もおらず、チームとしての伸びしろもほとんど無い。高さも足りない。

【サイドバック】

昨年までは選手層に問題があったが、一気に層が厚くなった。逆に過多なくらい。
左は、アレックスで決まりだろう。サブは、良太に渡邊。
右は、坂本か和田が基本か。ただ、坂本はスピード面の衰えが大きいので、そろそろ次の世代が育って欲しいところ。鎌田がチャンスを掴めるか。
人数を考えると、良太はセンターに戻しても良いかも知れない。

【ボランチ】

中後・勇人が「軸」と思うが、どちらも守備を強みにする相棒と組んで力を発揮するタイプであり、バランスの悪い組み合わせであるといえる。
他の候補も、工藤や山口慶。守備にガツガツ行けるタイプでない。当初狙いに行っていた、エジミウソン(元大分)は最適だったのだが。勇人が獲れたので、路線変更してしまったのだろうか。勿体無い。人数は十分だが、弱点になる可能性が大きい。
若手の益山「守れる」ボランチとして成長して、どこまで食い込んでいけるか。

【オフェンシブ】

駒は多く、使い分けは出来るが、絶対的な存在はいない。00
左は、谷澤と新加入の村井の争いか。
右は、工藤・米倉・太田に、深井や、新加入の倉田や伊藤大介も絡んで来るだろう。
神戸TDの言葉からは、クロスを上げられる選手が使われるように思われる。

【FW】

新居が林に代わったのは、補強とは言えない。孝太の復帰、戸島の加入はあったが、懸案のポジションに関わらず無風だった。
ネットが「軸」に考えられていないのであれば、昇格は一気に遠のく。
巻をアンタッチャブルにしない競争が行われる事が必須。ただでさえ、昨年のJ1で下から2番目の攻撃力強化の最重要ポジションが放置されたのは理解に苦しむ。

<予想布陣>

--ネット-巻---
村井------工藤
--中後--勇人--
アレックス------坂本
--ミリガン--福元--
----岡本----

谷澤 → 村井
東美 → 勇人
エド → ミリガン

昨年からのスタメンクラスからの入れ替わりは3人くらい?
結局、昨年の反省は活かされず、外国籍選手枠は今年も余らせそう。
センターラインを強烈無比な代表クラスで固めた2001年をクラブは意識していたはずだが、ネットが使われるか怪しい時点で、その当時とは大きく異なる。

監督も含め、他は昨年の最下位降格メンバー。後半はわずか1勝のチームそのものだ。
ここに新戦力がどれだけ食い込めるか。

また、江尻監督がフラットな目線で、選手を競争させてくれれば良いのだが。
今年も巻が結果が出なくても使い続けられたり、元所属選手が優先して起用されたりとか、そう言うことが無いように望む。

サポの中には、元所属選手が多く戻ってきて、嬉しい方も居ると思う。
しかし、彼らがチームを離れてからは何年もの月日が経っている。あの頃の彼らとは、過ぎた時間の分だけ変化がある。年齢的な衰えも当然あるだろう。
「J1復帰」を望むなら、「戦力」としてドライな視点で彼らを見る必要がある。

それは、江尻監督に対してもそうだし、フロントにしてもそうだ。

違和感を感じるのは、三木社長や神戸TDが補強に満足し、サポもJ2レベルでは無い戦力と考えている節があることだ。俺らは、そんな事が言えるのか?J1最下位でJ2に落ちたチームの分際で。他チームの戦力外選手をちょっと補強したくらいで。

自分がいくら懸念しようと、勝ち続け、J1に上がってくれれば、それで良い。
杞憂で終わってくれれば、それで良い。

しかし、何とも言えない、この生温い違和感。
まるで、昨年のシーズン前のような、緩い空気だ。
数ヵ月後、「こんなはずじゃないのに」と、なっていない事を期待する。
J2は、名前で勝てるほど甘くないはずだ。