姉崎雑感
新練習場への移転を2ヵ月後に控えた姉崎。
なんだか、止まっていた時間が動き出したような、そんな錯覚を覚える光景だった。
埋まった駐車場、夕暮れに映える大きな煙突の影、轟々と音を立てて燃える工場の火、静かになったプール、小さなグラウンドに張りつくように観戦するサポ、小さなショップ、クラブハウスから少しだけ顔を出して様子を伺う選手やスタッフたち。
2000年にここに移って来て、10年の歳月が経つけれども姉崎の空気は変わらない。
結構、いろんな事があったし、選手やスタッフも変わったけれども、ここに来るとそうして過ぎていった時間が繋がっているのだなと改めて感じる。
クラブは、江尻新監督、間瀬コーチの下、新しいスタートを切った。
いつかはこう言う日が来るんじゃないか、そう思っていた日が、紆余曲折はあったものの、少し唐突にやって来た。
その新しいスタートが、この姉崎から始まったのは、感慨深いものがある。
「師」からの独り立ち。
ジェフと言うクラブにとって、今まで必要だったのは、これだったのではないかと思う。
あまりにも大きな存在だった、オシム監督。
もう、二度と戻れない日々でも、どこかであの日に戻りたい思い、御大に頼りたい気持ちがあった。あの日のサッカーに戻りたい想いがあった。
それが決して出来ない事でも、あの日々を自ら否定するような事はしたくなかった。
チームとして、ジェフとして。あのサッカーをクラブの伝統として「繋いで」欲しかった。ジェフこそが、それをクラブの血統とするチームだと証明して欲しかった。
江尻監督の就任は、クラブとしての一つの決意だと考えている。
これから先、苦しい戦いが終盤まで続くはずだが、昨年以上の結束を持ち、クラブは一丸となって戦わなくてはならない。
「J1」の座を守る伝統を守る戦い。江尻監督が掲げる「ジェフのサッカー」を貫くための戦い。実にやりがいのある、後半戦を迎えたと思う。
この日行われたのは順天堂大学とのTG。
実にたくさんのサポーターが観戦し、期待の高さを感じた。
昨日出場時間の短かった、ネットや新居も出場。
メンバーは、リザやユースも含む混成軍で、連携も、選手のモチベーションもバラバラ。大きな背番号が並ぶ順天堂相手に、コレといってあまり見せ場もなく、90分を0-0で引き分けた。
江尻新監督は、時折選手達に声をかけながら、ゲームを見守っていた。
最後まで選手のクールダウンにも付き添う。選手との距離感の近さは武器でもあり、危うさでもある。間瀬コーチとの役割分担で、これから先、上手くチームを引き締め、選手のモチベーションをコントロールして行って欲しいと思う。
目に留まれば、益山のように抜擢はある。それは、選手達にも良く分かったはず。選手達にとっても、これからは大きな勝負であり、チャンスでもある。
チームは、2日間の休養を挟み、水曜日以降にミニキャンプに入る。
15日は、柏との重要な一戦。私達サポーターも、この試合へ覚悟を持って臨まなくては。
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