90分間攻め抜いて勝て -第5節・磐田戦プレビュー-
- 2009.04.08
- JEFUNITED News
山形戦、現地観戦した仲間から、これまでの戦いと同じ感想が返って来た。
「戦術以前の問題」
「頑張ってボールを奪うんだけど、すぐボールを取られる」
「攻撃のアイデアが無い」
不甲斐無い戦い振りに、とうとう現地ではブーイングも出たようだ。
迎える今週末の磐田戦。
早くも正念場、裏天王山とみているサポーターも多い。
不満が高まっているのは、勝てていない現状以上に、試合内容の悪さだろう。
仮に四連敗していても、内容が悪くなければ・・・自ら主導権を奪って、攻め込む形が見えていれば、「こう言うサッカーをする」と言う「形」が見えつつあるのなら、もう少し我慢も続くのだろう。
「攻撃の創造」からチームを作ったオシム監督。
「守備の構築」からチームを作ったミラー監督。
もし仮に、その結果として出来上がるチームが同じサッカーをするとしても、そのチーム作りの過程で逆風に晒されるのは、ミラー監督のやり方だろう。
観客の目線からすれば、引きまくって完封か1失点に守った事を成長とするよりは、負けたとしても、リスクを犯して狙った攻撃の形で2・3点を奪えた方が、まだ試合を観に行った爽快感は残るだろうから。
磐田戦、まだあまりチケットはさばけていないらしい。
昨年の秋から続いていた、「バブル」が終わりつつあるように思う。
昨年、あれだけの観客がスタジアムに駆けつけたのは、逆境を跳ね返そうとするチームの戦いぶりに共感したからだった。
「苦しい状況の中で、あれだけ出来たのだから、準備万端の今季はもっとやってくれるはず。」
そう言う期待感をもって、サポーターはスタジアムに足を運んだ。
サッカーは相手チームがあること。
勝つ時も、負ける時もある。
けれど、「自分達のサッカー」を突き詰められているかどうかは、常に問う事が出来る。
サポーターが求めているのは、相手に合わせて守りに回る事じゃない。
たとえ相手が強かろうと、勇敢に戦う姿のはず。
今季は、まだそう言う試合をジェフは見せられていない。
だから磐田戦では、そんな落胆の声を吹き飛ばすようなゲームを、選手自身がサポーターに見せ付ける責任がある。それが出来ないのならば、これから先、黄色く染まらなかったスタンドの茶色い空席が、勝ち点以上に選手に、監督に、スタッフに、重く突き刺さる事になってしまうだろう。
では、どういう戦いを期待するか。
これまでの戦いで、最も戦えていたのはナビスコの柏戦。それをベースに考えたい。特に、新居と谷澤の2トップは、相性も良く可能性を見せていた。
--谷澤--新居--
----ミシェウ----
アレックス------中後
----大輔----
良太------坂本
--エド--池田--
----櫛野----
今のジェフには、2つの不完全な攻撃パターンがある。
一つは巻を狙うクロス。これは、クロス自体がほとんど上がらず、精度も低いまま。当てにならない。もう一つが、新居らの機動力・スピードを活かして裏を狙うやり方。
この2つのどちらかを選ぶなら、無理に巻を先発させて、クロスを入れるのか、それとも裏を狙うのかを不明確にするよりも、今は「裏を狙う」意図をハッキリさせた方が効果的に攻められると思う。バックアップも、深井や孝太が居る。
磐田のDF陣は、元ジェフの茶野と元ヴェルディの那須。スピードを活かした方が、結果を出せそうだ。
2トップに加え、ミシェウ、中後、アレックスがポジションチェンジを行いながら攻めれば、的を絞らせずにシュートシーンも生まれて来るはず・・・。
交代枠には、深井・工藤。状況に応じて、米倉・巻。
守備では、一人気を吐いているジウシーニョには、池田をつけ、DFラインはエドが高く保つ。サイドバックは、攻められないのなら、せめてラインを高く。その為にも、一つ前に居る大さんの負担は大きいが、やれるところまで踏ん張ってもらうしかない。
この先発でのデメリットは、セットプレーの守備時の「高さ」。
ただ、磐田と言うチームは、さほど長身選手が居る訳でもないので、気にし過ぎる必要は無いかもしれない。
磐田戦は、色々なものが懸かった試合になる。
それは相手も同じだろうが、舞台は、ホーム・フクアリだ。
勝利した上で、今後に期待を持たせる攻撃の質を見せつけて欲しい。
選手は、戦う義務が、監督は、選手を走らせ、戦わせる義務がある。
試合後、走りきって、足をつり、誰一人立ち上がれないような、そう言う全力を尽くした試合を期待する。フクアリに足を運ぶだけの価値がある試合が出来るチームなのだと、サポーターに意地を見せ付けて欲しい。
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はじめまして
オシム監督も最初は守備に力を入れてましたよ。それをベースに攻撃サッカーを作り上げたという感じだと思います。守備にも力を入れつつも守りきるようなサッカーはしたくないと。
確かに戦術というか方向性は真逆ですよね~。
はじめまして。
コメント、ありがとうございます。
仰るとおりですね。
言葉が足りなかった部分というか、端折った部分を補足します。
オシム監督は、3バック+マンマーク。
前任のベングロシュさんまでが、ゾーンで守備をしていた(と思う)ので、新しい守備の方法で、チームを作ったと言えると思います。
まず、1対1でしっかり相手を止め、奪ってからの攻撃にも人数をかける。
攻めることで、相手が攻める時間を奪う、攻撃的な部分が際立っていたと思います。
対して、ミラー監督は、4バック+ゾーン。
今のところは、「奪う」までは出来るものの、その次の攻撃段階が未完成。
奪っても、前に人が少なくて奪い返されてしまうから、腰が引けてドン引きになってる。
たぶん、今のように守備と攻撃のメンバーをハッキリ分けるつもりなら、攻撃陣にはある程度「個」の能力が求められるんでしょうが、力不足なのでしょう。
ならば、補強するか?それとも、攻めに人数をかけるか?
少ない人数でも攻め崩せる「形」を浸透させるか?
解決方法は限られてくるのでしょうが、ミラー監督が、「今のジェフの選手に有効な『攻撃』に関しての約束事を、どれだけ早く浸透できるか」に注目しています。