久々の快勝-W杯最終予選・カタール戦-

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代表戦、久々に90分間通しでTV観戦しました。
15年前の「ドーハの悲劇」の映像は、何度観てもイヤなもんですね。当時は高校生でしたが、たしか自分の部屋で観戦していて、茶の間からも近所の家からも「あーっ」って声がして、その後の記憶があまりない、そんな苦い記憶が残ってます。

当時とはスタジアムも変わっていたので、あの「ドーハ」のイメージは無かったですね。
そして、ゲームも、ここのところの沈滞した内容とは大きく変わっていたので驚きました。

正直、試合前は相当に苦戦するんじゃないかと思ってました。
日本代表のチームカラーと言われても、オシム監督から岡田監督に替わってからイメージがなく、前線のメンバー構成も足の速い突破型の選手ばかりを揃えている。
ジェフサポ的な視点で言うと、先日のナクスタでの大宮戦のような、前線へのボールを跳ね返されては、カウンターでピンチを招き続ける展開になるのではというのが、自分の戦前の予想でした。


試合が始まっても、序盤のカタールの動きは良かった。
最初から全開の激しさで、球際への寄せも速いし、そこからのカウンターも意思統一されていて、鋭さがある。個々を見ていても、想像以上に技術のある選手が居て、単騎で打開するちからもある。厄介な相手だなと思いました。

ただ、この日の日本はそれ以上に中盤のプレスが速かった。それに、ディフェンスもシュートを撃たれる前の詰めが鋭かった。そして何より、奪ってからが速かった。
大宮戦のジェフのようにならなかったのは、徹底して地上戦で攻め続けた事と、それが実行できるだけのタメを作り、囲まれながらもボールを前に出せる、中村と遠藤の存在があったこと。また、それをフォローアップする長谷部や大久保の守備も良かった。

カタールは攻めにおいて、トゥーリオと寺田の固める日本DFに対して、ハイボールが使えずに、地上戦主体の戦いとならざるを得なかった。
それに対して、日本の方が地上戦においては、技術でも連携でも一日の長があった。

そして、絶妙なタイミングで奪う事が出来た先制点。
田中達也が、相変わらず危険な選手だと再認識させられるシーン。
二点目の玉田の得点も、なかなか見ることが出来ないクリーンヒット。

この二発で、試合の流れはほぼ制する事が出来てしまってました。
カタールもメンバーを入替えて来るものの、守備を整えてカウンターの機会を伺う日本の前に打開をする事が出来ず。トゥーリオの追加点も決まり、最後は時間も上手く使い切っての完勝。いや、本当に完勝だったと思います。

ここまでハマったのが不思議なくらい。
何故、突然これほどに連携が上がったのか?

中村が話していた、「オシムさんがやってきたこと」が繰り出せたのは、この一戦にW杯出場を賭ける、白く染まったカタールの“攻める意識”が、日本の良さを引き出してしまったのではないでしょうか。カタールがホームゲームで守る選択肢は無かったのでしょうが、もしもそうされていたら。その方が苦戦していたのかもしれません。

ただ、快勝は自信にはなるものの、課題が完全に消えたようには思いません。
布陣自体も対カタール用と言ったものでしょうし、オーストラリアとの対戦に向けて、岡田監督がどういう対策を取ってくるか。この試合を踏襲して、ガンバの西野監督のように、地上戦でいくのか。そういえば、この試合の日本は、ACLのガンバの様でもありました。
しばらく時間は空きますが、良い結果が出るよう願っています。


最後に蛇足な話ですが、ジェフサポ的には巻のベンチ外は残念。
ベンチには先発同じタイプの、松井・寿人・岡崎。
パワープレー要員としてもベンチ入りさせないのは、巻もさぞや無念だったと思います。この鬱憤を、リーグ戦にぶつけて欲しいと思います。