絶対残留圏への戦い。この黄色いユニフォームを着る。その意味を知る選手達と。-京都戦プレビュー-

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16位・得失点差-16。入替え戦対象。
17位・磐田との勝ち点差はわずかに「1」
15位・残留圏の東京Vとの勝ち点差「4」。2ゲーム差。
残り、8試合。

今一度、置かれた立場をしっかりと理解しよう。
悲観をする必要は無いが、楽観は禁物だ。
自信は持って良いが、過信は不要だ。

降格の危機に変わりはない。これからが本当の勝負。

三連勝、自動降格圏脱出と言う達成感に気が弛みがちになる現在。
このタイミングで京都と言う敵と当たれる巡り合わせを、幸運と思わざるを得ない。


10ヶ月前。寒風の吹く姉崎。
次々と噂の上がる主力の移籍話。不安に苛まれるサポーター達は、その日のトレーニングに“彼ら”が来るのかも分からない中、ただひたすらに待っていた。

あの時、チームを取り巻く状況は確かに劣悪だった。
短い選手生命ならば、より良い条件を求めるのも当然だろう。
それでも、サポは信じて待っていた。
「今年もジェフで戦う」と言うその言葉を。

しかし現実は残酷だった。“彼ら”は沈み行く船に残る事をよしとせず、ジェフを捨てた。
苦難を共に乗り越えようとはしなかった。


あれから10ヶ月。
苦しみと絶望の中から、ジェフは再び蘇りつつある。
ここに苦難がある事を分かって、それでもここで戦うことを自ら選んだ監督・選手と共に。

愛するクラブに残った、巻が、工藤が居る。
罵倒を受けながらジェフに戻った坂本が居る。
前所属チームでレギュラーを取れなかった悔しさをぶつける、谷澤が、青木良太が、深井が居る。
再起を期す戸田が、代表を捨ててチームに賭けるエドが、このクラブで戦うことを選んだ選手達が居る。

そして、2分9敗の成績を知りながら、リバプールの栄光を投げ打ってフクアリに立ったミラー監督が居る。

この、菜の花色のユニフォームに袖を通すその意味。
“彼ら”は真には理解していなかった。
勝って、解らせなくてはならない。俺達の、今を。ジェフで戦う意味を!


この試合、ジェフは中3日のアウェイゲーム。
一方、京都は26節の対戦相手・浦和が水曜日にACLをこなした為、中1週、空いている。ホームで戦うことも加味し、コンディションの差で言えば、京都の方が上だ。
しかし、今のジェフは今季最高の充実の時を迎えている。すぐにでも戦いを続けたいほど、気力・体力共に満ちている。

スタメンは名古屋戦がベースになるだろう。
だが、この数試合で格段に攻撃のオプションが増え、当日のメンバーは読みきれない。

前から見ていくと、まずワントップが巻になるか、レイナウドかの選択肢に当たる。
京都は、上背のあるシジクレイを中盤の底で起用しているため、DF陣にはさほど高さはない。どちらかと言えば、コンディションも考慮して巻の高さを活かす選択肢だろうか。

中盤の構成も複数組めるだけの駒がある。
札幌戦のように、戸田を先発させて守備のバランスを図る可能性が高いように思うが、名古屋戦では浩平のインターセプトが守備で効いていただけに浩平・ボランチの可能性も捨てきれない。

攻撃のキーマンは、ミシェウ。
多少のプレッシャーをかけられても、キープできる技術があるので、タメを作る役割を大いに期待したい。名古屋戦の再現をするためには、彼の働きが必須だ。京都は当然、彼を潰す為に勇人らを当てて来るだろう。しかし、彼がミシェウにかかりきりになるようならば、こちらの思惑通りだ。勇人は前に出た時にこそ彼の良さが出る。彼が守備に追われ前に出られない状況は、京都が押し込まれている状況と言うことだ。

DFラインでは、良太の出場が微妙。早川が名古屋戦では、右SBをソツなくこなしたので、ここであえて、良太が無理をする必要は無いと思う。
残りのポジションは不動。


一方、京都。
ここまで10勝5分10敗の五分。補強に次ぐ補強でチームを活性化させ、9位と言う順位を維持している。磐田2-0に勝ち、ガンバに敗れているが、0-1の最小得点差。ガンバ戦では決定力を欠いたものの、チャンスは作れており、調子は決して悪くない。

そして、このゲームは、西京極のホーム三連戦最終戦。
前回対戦でジェフに敗れている事もあり、モチベーション高く臨んで来るだろう。

京都のシステムは、4-3-3。
攻撃陣では、今季の復調著しい柳沢、相変わらず煩わしい動きをするフェルナンジーニョが厄介。レギュラーに定着した若手の渡邊も含めて、思い切りのいい攻撃をしてくる。柳沢は昇平に任せるとして、フェルナンジーニョをどう潰し、前線との分断を図るかが鍵になる。

中盤は、底にシジクレイが構え、その前に勇人と角田がいる。
名前だけ聞けば、守備的にも見える3選手だが、ここが攻撃に絡みだすと、京都は強い。ジェフの中盤が、どこまで主導権を握れるか。特にシジクレイは、こちらの機動力で翻弄したいところだ。

そして、スーパーサブに控えるタケの存在も忘れてはならない。
前節、決定機を外してしまった事から、かなりこの試合に賭けているに違いない。
もちろんジェフにも、新居と言う切り札がある。


現状の順位は京都が上だが、実力的には近いものがあるのではないかとみる。
コンディションの差は気力で補って、必ずや勝利を手にしたい。
ここで勝たなければ、名古屋戦勝利の意味も無くなってしまう。
見えてきた絶対残留圏に届く為、クラブ・サポーターの総力を結集して勝利を!