3/4(日)・第1節・名古屋グランパス戦
- 2007.03.05
- GAME REPORT
開幕戦、力を出し切れずに敗れ、焦燥ばかりが募る。
ブーイングで出迎えねばならないのが、悔しい。そうするのは、このチームで何かを成し遂げたいから。今年こそ優勝をしたいから。けれども、この日の戦いからは、「優勝」の二文字などとても口に出来ない。不可解な采配からは、新シーズンへ向けての期待と、掴みかけていた自信の両方をいっぺんに失いかねない危うさを感じた。名古屋は強かった。しかし、勝てる可能性も十分にあった。勝利の可能性を、自ら手放してしまう。“自滅”とも言える危険な敗戦では無かっただろうか。
アマル監督は、何がしたかったのか。
それが見えてこないのが、何より怖いのだ。
端的に言えば、今日の敗因は中島浩司の先発起用にある。
中島自身のプレーは、これまでの数年でジェフサポならばよく分かっているはず。この日の中島は、特段に悪かった訳でも無いが、良くも無かった。ただ、阿部勇樹が欠け、坂本将貴が欠け、去年までも中島のボランチ先発は「3番目」の選択でしかなかった。
中島は、残念ながら到底、阿部のプレーには及ばない。それを先発させれば、当然、スペックダウンになる。阿部の放出が大きな穴だからこそ、その穴を補う為の補強が、下村であり、ジョルジェビッチの獲得なのでは無かったのか。恐らくは、「戦術理解度」を基準とした先発起用であったのであろうが、判断に戸惑いの見られる中島は、時間が経つごとにチームの中で大きな穴になっていった。
中島の位置でボールを落ち着かせる、守備にキツく行く事が出来ないから、コンビを組む勇人は守備に奔走せざるを得ない。本来の持ち味である、ゴール前まで進出して攻撃に関与する事が出来ない。
さらに、中盤の底で組立てが出来ないから、そのツケは最終ラインのイリアンとジョレに回ってくる。攻撃のスタートが一段低くなってしまっているのだ。攻撃にスピードが無いから、怖さが無い。
加えて、攻撃のキーマンである水野は、すっかり相手チームの警戒の的になっていて、必ず2人以上が対応にあたっている。羽生のフォローアップも、相手にとっては計算のうち。反対側のサイドでは、智が精彩を欠いて完全に封じられている。徐々に、ジェフの動きがフィールドの中で小さくさせられていった。
それでも前半は、イリアン・ジョレが核となった堅い守備と、かなりコンディションが戻って来たと思わせる、巻の前線からのチェイシングもあって、長い時間ジェフのペースが続いた。惜しむらくは、ジョレからのレーザービームクロスを、黒部が決めきれなかったシーンと、多数あったセットプレーのチャンス。一つでもモノに出来れいれば流れは全く変わったはずなのだが。。。
この時点では期待感はあった。
中島の穴を早く対処して、ジェフの時間帯の間にどう言う形でも1点をもぎ取る。相手が焦ったところに、新居・青木のスーパーサブ2枚看板を解き放てば、あわよくば2点差には出来る。そう言う展開だったはずだ。
しかし、後半になって名古屋が少しずつペースを取り戻す中で、アマル監督は動かない。相変わらず、ピッチの中では中島・山岸らが苦戦を強いられている。下村はまだか。大さんを入れて、ジョレを前に出してもいい。とにかく中島の穴を埋めてくれ。悲鳴にも近い交代への願いが口をついて出てしまう。
交代1枚目、黒部→新居。
ごくオーソドックスな交代。かつての林のように、この新居と言う個性をチームが活かせるのか。しかし、ボールが回らない。走らせられない。この新居にボールが回らない。
そしてついに均衡が破られる。
中盤の守りが破綻して、金に抜け出されて強烈なシュートを見舞われる。もっとも避けたかった、追いかけねばならぬ展開を、この時間帯で。
交代2枚目、山岸→工藤。
山岸は正直代えられてもおかしくない出来だった。しかし、今日のベンチメンバーでは、代えようが無かったはずだったが・・・工藤が中に入り、それだけでも重量級の名古屋の中盤に、羽生・勇人・水野・工藤の軽量級選手で相対するのは、フィジカル的には至難だ。加えて、中島が左サイド!?そこまでして、残さなくてはならないのか?
挙句、交代3枚目、ジョレ→朴。
ここまで抜群の安定感があったジョレを外す意味とは?中島を下げて、ジョレを上げるだけでも展開は違ったのではなかったのか?最後に岡本がやらかしてしまった失点も、ジョレが居たならば、詰められる前にボールを預けられたのではないか?
朴は、右サイドに入って、水野が前目に出たようだったが、機能せず。
交代でズブズブと崩れていくジェフを尻目に、名古屋は序盤でスピラールをアクシデントで失ったにも関わらずに、しっかりと手堅い戦いぶりで完封勝利。個々の選手達は非常に良く戦っていたと思えるだけに、采配で崩れていくように見えてならなかったのが、悔しかった。こんな事、一体、いつ以来だろう。
正直、こんな戦いを繰り返していたら、どんな戦力を持っていても泥沼にハマってしまうだろう。失った戦力の穴を埋め、去年の問題点を潰していくのが、この2ヶ月間では無かったのか。
今年、アマル監督は、プロの監督としてより厳しい眼で見られるべきだあろう。3年前からコーチとしてジェフを見ていて、それでも今日のような采配にしかならないのならば、何か目指すものとの間に埋め難いギャップがあるように思えてならない。
そして、ゲーム後のコメントにも、もっとしっかりと答えるべきだ。
自分の言葉で、敗戦の原因をしっかりと語り、言葉をすり替えたりはぐらかすのは止める事だ。アマル監督は、先代とは違うのだから、自らの言葉で皆の信頼を得られるように一言一言を紡がなくては。
すぐにゲームは続く。
次も強敵・清水だ。負け続くホームで、次こそ勝たなくては。今日のような采配では、まったく勝利は遠いであろう。一週間で立て直すこと。ホームで強いジェフの姿を見せること。敗戦から学び、歴戦の価値を創り出すことが、アマル監督の使命だ。
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<選手寸評>
GK岡本:失点するまで、ハイボールの処理や至近距離での1対1に抜群の安定感。しかし、最後の最後の迂闊なプレーで、全て台無しに。しかし、この1点もこれから何十点と経験する失点の1つに過ぎない。ゲームの中で、失点にいちいち気持ちを落とさないこと、強くあれ、グッピー!
DFイリアン:守備では変わらない安定感。阿部が居なくなった分、攻撃の組立てを担おうとしているように感じた。しかし、攻撃参加への周囲のフォローが十分でなく、攻撃は単発で連動性の無いものになっていた。
DFジョレ:さすが、元セルビア・モンテネグロ代表DF。全ての面でレベルが高かった。前半、黒部に通したレーザービームの右クロスは絶品。ボランチでも見たかった。
DF水本:少し疲れが見えたが、守備では相変わらずの安定感。終盤は、若干厳しかったか。
MF中島:この日のブレーキとなった。J1で優勝争いをしようとするのなら、今の中島が先発するようでは難しい。使うのなら、相当なレベルアップをしなくては。プレー自体は、いつもの中島だったが、フィジカル負けするシーンや、パスミスなどがとりわけ目立ってしまった。名古屋も、狙っていた。
MF勇人:守備に奔走。持ち味の攻撃参加が出来ず。
MF山岸:厳しいマークに封じられ、何も出来ず。勝負の姿勢が足りなかった。
MF水野:常に単騎突破では厳しい。相手も、必ず2枚で当たるなど、対策が進んでいる。水野をフリーに出来る展開が出来るボランチが欲しい。
MF羽生:相変わらず良く動いていたが、決定的な仕事は出来ず。
FW黒部:ボールが来なければ厳しい。ポストは確実にこなしていた。
FW巻:だいぶコンディションが上がってきたか、チェイシングに以前の迫力が出て来た。シュートも積極的に放っていたし、全快も近いか。
<交替選手>
FW新居:ボールが届かず。動きにはキレ。前を向いてボールを受けたかった。
MF工藤:再終盤に同点を目指して奮闘するも、決定機を作れず。
MF朴:時間も短かったが、良いボールも回ってこずに、何も出来なかった。
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私は中島交代させたほうがいいとは必ずしも思いません。
少なくとも誰が見ても中島が良かったとは思えないでしょう。
しかし、中島をあそこで下げてしまったら、つぶれてしまうんじゃないんでしょうか?
イビチャ・オシム監督も同じことを言っていたと思います。
強いジェフをつくるためには簡単に変えることができなかたのではないでしょうか?
最近のJサポも代表サポも目先の一勝にはしりすぎな気がします。
目の前の1勝を確実に掴んでいってこそのリーグ戦だと思いますが。
最低でもアウェイで勝ち点1、ホームで勝ち点3を取っていくこと、
それを積み重ねていかなくてはタイトルを手にすることは出来ないでしょう。
確かに勝利だけに拘るというのは私も好きではありませんよ。
でも内容ばかりに目を向けすぎるのもどうかと思っています。
内容が良ければ負けても良いなんて、それではプロとは呼べませんから。
まだ1節が過ぎたのみですから、お先真っ暗とまでは考えていません。
次節ホーム・フクアリでのエクセレントなゲームを期待しています。
目先の1勝>中島の成長
通りがかりですが、↑だと思いますよ。
ここでの勝ち点3逸は最後まで-3で、取り返せないんですから。
それに去年全く同様のヘタレ開幕戦をやっておいてこれでしょ?
しかも4年連続で開幕落としてるんですよ?
いい加減にしろ。と思われても仕方ないでしょう。学んでないだから。
百歩譲って仮に選手の成長を優先したとしても、どう考えても
下村>>>中島
でしょう。
結果失敗に終わったとしても、可能性の高い方に賭け続けるのが、
勝者への唯一の近道で、そういった万事も尽くさず、天命を待つなんて
おこがましいにも程があるでしょう?
ただ確かに最悪の状況下ではないです。
原因がハッキリしているから対処は早く出来ますし、
今期のFWやDFの厚みを考えたら、
反転攻勢の可能性は十分あるでしょう。
でも次節のホーム開幕でも同様の結果の場合は・・・。
アマルはTHE ENDでしょうね。
わたしの見方も大体同じです。せめて後半の頭から下村を入れるなり、大輔をいれるなりするべきだったかと。
まあ次がホーム開幕ですから、しっかり応援するのみですが。
中島のプレーは確かにわれわれを落胆させるものでしたが
敗戦の原因かと言われるのでしたらそれは間違いです
昨日の敗戦、端的に言えば水本と岡本のミスによるものです
ああいうタフな試合ではバイタルでのミスが敗戦につながるもので
二人の経験の無さが露呈した形だと思います
繰り返しますが、中島は確かに中島でしたが
少なくとも昨日の敗戦(=失点)は彼のミスによるものではない
つまり、彼が期待された仕事をこなしたかの評価とは別の話です
サポーターは好みで選手を評価するの仕方ないことですが
敗因を中島に押し付けるのは論評としてあまりにお粗末ではないですか?
私には中島という選手のミスの多さを免罪符にして
昨日の敗戦の悔しさのはけ口に祭り上げているだけに見えます
私は彼を批判をするなと言っているのではありません
ですが、昨日の試合内容で敗戦の責任を彼に求めるロジックは間違いです
>ジェフファンさん
>私には中島という選手のミスの多さを免罪符にして
>昨日の敗戦の悔しさのはけ口に祭り上げているだけに見えます
おっしゃる通り。読み直してみてひどい文章ですわ。
不快な思いをさせてしまってすみません。
開幕戦の興奮と、アマルさんへの期待が強すぎて、冷静さを欠いてしまったようです。
・・・しかし、あそこでミスを連発されたら勝利は遠くなるわけで、それを分かっていて敢えて先発起用するのなら、前任の阿部とは別の中島なりのプレーで結果を出して欲しかったところです。
昨日の出来ならば、例えば、中島をリベロに下げてイリアンかジョレをボランチに上げるとか、中島を交代させて大さんを入れて、これまたイリアンかジョレをボランチに上げるとか、ゲーム中にも修正のしようはあったかと思うんですが。
前半、いい流れは出来ていたから、ボランチが落ち着けばなぁ。。。
>ruinさん
ご返事ありがとうございます
アマルは多分彼のスルーパスのセンスに期待して起用したと思うのですが
ああもミスが多いと冷静に見るというのも難しいものですね
彼のプレーの意図にはたまに感心させられる時があるのですが
上手くいけばたぶんビックチャンスを演出できるであろうパスも
繋がらなければ意味がないのも確かです
勇人も味方を活かすパスを出すというより飛び出すタイプだし
下村が攻撃面で中島に負けない付加価値を見せるか
米倉あたりが成長するのを期待するしかないかなと思います
中島は下手なら下手なりに一生懸命やってもらいたい。
ミスをしたあとたらたら戻ったり、どうみても一生懸命やっているように見えないプレーが目立った
開幕戦見に行きましたが、ほんとTHE中島って試合でした。
私が気になるのがジェフらしいパス回しから、前線に繋がりそうになった時、
中島のパスが選手の走ってる方向のマイナスに出してしまい、時間をロスしてしまうシーンが目立ったことですね。
その結果、ラインを割らなかったとしても相手に時間を与えてしまい、結局DFに戻してロングボールを蹴らざるをえなくなってしまってました。中島のアバウトなパスは結果として、ミスパスにならなくても今までのジェフらしさが消えてしまう原因になっているようにも感じます。
他の選手も当然ミスはあるんですが、ここぞってところのミスは中島ほどないんですよね。
中島にはこれからもっと巧くなってもらいたい気持ちも当然あるのですが、若い選手と同じように期待して見るのは逆にかわいそうなのかなという気も…もう30ですし。
下村、中原、米倉あたりの台頭に期待したいです。
先日の試合でジェフファンさんは水本のミスだと指摘されていましたが、
それは違うと思います。
あれだけ、中島選手のフォローに走らされて疲弊しているにも関わらず、
失点の場面だけ彼のミスを指摘するのは納得できません。
そもそも、あの場面だって、中島選手のパスミスで相手に突っかけられた
のを止めた後に前にだそうとしてパスミスになってしまっています。
もし、中島選手が自分が取られた責任を感じて全力で戻っていれば、
パスミスを出したあの場所に戻ってこれましたよ。
自分はリーグ戦で初めて泣きました。彼の不甲斐なさに。
回りの選手達が可愛そうです。今までは中島選手の擁護派でしたが、もう
限界だというのが本音です。
負ける度に選手の質を嘆いた前任者も
選手を守るべき立場の人間の発言という意味では
五十歩百歩、大差ないと思いますが…
まあサポーターが前監督への未練や
現監督との比較を止められない現状です。
恐らく選手もスタッフも同じなんでしょう。
そんな中で力を出せる訳もなく
―あ、もとから力がなければ話は別ですが(笑)
この悪い流れは当分止まらないでしょう。
>まつGさん
水本のミスはそこ(パス?クリア?)ではないです
ボールを失った後に、彼が安易に杉本の懐に飛び込んで
簡単に裏を取られてしまったこと
それが失点の原因であり、彼の判断ミスなんですよ
これはA代表に選ばれるレベルのDFがやっていいミスではありませんし
このプレーに関しては水本個人の判断ミスとしか表現できません
といって別に水本を責める気持ちは更々ありません
彼はまだ若いしコレを教訓にして成長してもらえれば充分です
中島はあまりボランチに向いてないと思います。
マークが緩慢だし、やや判断が遅い。
でもリベロに入ると、なかなかいいプレーをします。
そして彼がリベロのときはチーム全体でもリズムが良い時間が多い。
私もイリアンかジョレ、下村をボランチに、中島はリベロでの起用がいいと思います。
アマル監督ですが。。もっとサッカーを良く観て欲しい、というのが去年からの私の願いです。
選手交代がうまくいかないのは試合の流れを見れていないからです。
あと、個人的な感想ですが、櫛野の不在はやはり痛い。
キーパーにはコーチング、という重要な役割がありますが、
岡本も立石もこの点では櫛野に及ばない。
ここ数年、櫛野のときが勝率が一番いいはずです。
岡本、立石にはイリアン相手でも遠慮せず、どんどん怒るくらいになって欲しい。