“日本代表”オシム監督の記事からジェフを顧みる
オシム監督が日本代表就任にしてから一ヶ月と少し。
毎日のように新聞やWebで報道がされていますが、雑誌でもオシム監督の特集記事が増えてきました。いま発行されている「sportiva 10月号」と「Number 660」はとてもよく似た構成。どちらも、木村元彦さんによる旧ユーゴやオーストリアでの足跡を辿るレポートと、ジェフの選手達を通してみたオシム監督が志向するサッカーについて書かれています。
「sportiva 10月号・オシムが人生を変える。」
・サラエボ、ベオグラード、グラーツからの現地の声(12P・木村元彦氏)
(当地の現在の写真や、オシム監督の現役当時の写真など貴重な写真多し。)
・アシマ夫人インタビュー(2P)
・坂本インタビュー(2P)
・阿部勇樹インタビュー(2P)
・羽生、巻、勇人、山岸、大輔コメント(1P)
「Number 660・オシムの全貌」
・ストイコビッチ、サビチェビッチ、ヴァスティッチ、カタネッチが語るオシム監督(5P・木村元彦氏)
(選手の視点から見た、指揮官オシム。カタネッチに尋ねた「オシムをどう攻略しますか?」のやりとりが面白い。)
・智将を知るための5つのエピソード(2P・木村元彦氏)
(昨年のナビスコ杯優勝が、母国ボスニアでどう報道されたかが興味深い。もしかしたら、ジェフサポに対する木村さんの心遣いかも。)
・アシマ夫人インタビュー(2P)
・阿部、巻インタビュー(5P)
それぞれ、どちらも読みごたえあり。
特に現地を回って集めた関係者の証言は、どれも貴重で今更ながらに前指揮官の偉大さを思い知らされる。じっくりと読んで、改めて感じたのは、この指揮官の下で三年半みっちりとこなしてきた事が、そうそう簡単には崩れはしないと言うこと。
今は少しだけ、過渡期の苦しみを味わっているかも知れない。けれども、もうかつてのように「何をしたらいいのか」誰もが分からない状況にはならない。誰もが「何をすればいいのか」を自ら考えるようになっているのだから。
オシム監督が遺したのは、単純にサッカーをするための運動量やプレーの判断だけではない。プレーへの自信、内面での変化が大きい。そして、それはクラブを取り巻く全ての人々にとって、かつては無かったクラブへの自信と誇りになっている。それこそがジェフの強みだ。
かつて、オシム監督は、「勝つ時も負ける時もある」と言った。「市原は市原のサッカーをやる。それを観に来て欲しい」と言った。そしてもっと街全体の盛り上がりを促した。
目先の勝利、敗戦一つ一つに揺さぶられる事無く、全力を持って選手でありクラブをサポートすること。それが今こそ必要なんだと、オシム監督の記事を読むほどに思いを強くした。
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