一時の感情の昂ぶりよりも、相手の立場を慮る事を

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非常に気分の悪くなる敗戦だった。
試合内容が、じゃない。試合後に一部のサポーターがとった行動がだ。選手バスを待ち構え、拡声器で野次を浴びせかけ、特定の選手を誹謗する横断幕を掲げていた。ホーム三連敗、悔しい気持ちは解る。けれども、あの行動は明らかにやり過ぎだ。あの幕を掲げられた選手は、どんな気持ちになるのだろうか?きっと自分なら、気持ちが暗くなってしまうに違いない。


「“彼”は必死にやっていた。そんな事する必要はない。」
言った自分に、彼らは、


「ホーム三連敗なんですよ。四連敗になっても同じ事が言えますか?」
「“役割”を果たしてもらわなくてはいけないんです」
(※役割とは、チームをまとめる。引っ張っていく強い力のこと。)
そう言って、再び場所を変えて幕を掲げに向かって行った。


彼らは普段から人一倍に応援を行っている。ずっと昔から応援をしている。そう言う姿を見ているからこそ、一時の感情の爆発が、こう言う形で現れてしまう事が悲しくてならない。彼らが一番、こう言う辛い時に選手がどれほど悔しい思いをしているかを解っいるはずなのに。


自分も同じ穴のムジナ。これまで、選手をさんざ野次った事も、いくらでもある。言えたクチじゃない事もわかっている。それでも、あんなやり方は自重して欲しかった。


今日、彼らは走っていなかったか?そうでは無かったろう?
敗れはしたが、全身全霊を持って、ホームの大声援に応えようと走り、戦った。ただ、千葉よりも後が無い東京の選手たちは、千葉の気迫をも上回る気迫を持って立ち向かってきた。二点先取していたのだから、ゲーム運びの拙さを指摘する声もあるだろう。失点の多さも不満だろう。けれども、間違いなく“やりきった”結果の末に敗れた試合だった。


それだけに。重ねて残念でならない。
いくら彼らが、叱咤激励の意味であの幕を出していたとしても、バスの窓ガラスを挟んで目に映る光景は、決して疲れた身体を奮い立たせるものではなかっただろう。気持ちを伝える手段は、もっと別にあったはずだ。


負けた試合直後で、冷静な考えなど出来るはずも無い。
それをしたら、相手がどう思うか。それを見ている周りの人がどう思うのか。ゴール裏のリーダーを目指すのなら、自分の立場に置き換えて考えてみて欲しい。いち個人の感情よりも、もっと大局的な物の見方が必要だったはずだ。
「WIN BY ALL」を掲げるチームが、自らの内側から崩れる事があってはならない。そんな事になって喜ぶのは他サポだけ。ジェフの強さ・魅力は、皆で難局に立ち向かう事、それにあるはずだ。


次の試合はすぐにやってくる。
選手たちは、疲れた身体と心を引きずって、観る側が期待するようなプレーを見せられないかも知れない。けれども、目先の勝敗やプレーの質では無く、彼らがどれほど期待に応えようと頑張っているか、勝てない苦しい時期を知っているジェフサポなら、そこを見つめて欲しい。


昨晩、横断幕を掲げた彼らもきっとヤマハに足を運ぶだろう。
あの幕を掲げたのなら、昨日の十倍二十倍の「頑張れ」と言う気持ちを込めた応援で、アウェイで戦う選手たちを勇気付けて欲しい。それが、幕を掲げられた選手の気持ちを再び奮い立たせる、唯一無二の方法であると思う。