4/15(土)・第8節・FC東京
- 2006.04.17
- GAME REPORT
余計な失点で肝を冷やされたものの、久々にジェフらしいサッカーを見せて快勝。少しずつではあるけれども、トップチームはコンディションを上げてきた。
ハース・勇人がベンチスタートで、結城・水野は引き続き負傷欠場。
巻の1トップでこの日も戦う事になった。
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--09--22--
16------02
--06--25--
-03-05-04-
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対する東京は4-4-2のダイヤモンド。CBは増嶋+茂庭でジャーンが居ない。1ボランチには今野ではなく、新人の伊野波が入っている。2トップにササ&ルーカス。
いつも通りジェフは、彼らをマンマークで絡め取って潰していく。
東京は確かに戦い方が変わっていた。去年までなら「タテに速く」がなく、自分達のボールにしてから組み立てようとして行くポゼッション重視のサッカー。これがまだ機能していないようで、ボールを受けてから「次」への動作が遅い。昨年までの連動性を取り戻しつつあるジェフは、この動作=判断の遅さを格好の餌食にして襲い掛かった。
最前線から巻のチェイシングでプレッシャーをかけ、近くの選手にボールを出そうとしたところへは、羽生・クルプニが詰めていく。東京は堪らずボールを下げるか、前にボールを大きく蹴りだす。もしくは網にかかってボールを失う。この繰り返しで、ほぼハーフコートに東京を追い詰めた。
その攻撃が早々に実る。
今年、悶々とその力を封じ込めて来た阿部が、持ち場を捨てて右サイドを駆け上がる。スピードに乗ったまま、茂庭をあっさりと抜き去ると、中に戻して巻!丁寧にインサイドで合わせて先制。
さらに攻勢は続き、中島からパスから羽生、右クロスにクルプニのヘッドと言う流れるような攻撃で追加点を得たか・・・にも思われたが、これはオフサイドの判定。SR上川と審判団の判定が怪しくなり始める。
それでも、攻勢の流れまでは止まらない。
32分には、リスタートから坂本のクロスを巻が合わせて2-0とする。運動量は当然前半で衰えるような事は無く、順調な試合展開が怖いくらいだ。そう、怖いのは流れの中で中島が居場所を見つけて機能している事もそうだ。ミスももちろんあるけれども、回ってきたボールをきちんと繋いで、しかも効果的に展開している。波状攻撃。
羽生のシュートは、土肥に阻まれる。3点目まではそうそう許してくれない。
この流れのまま前半を終えたかったが、怪しくなっていたジャッジの犠牲になって、終了間際で立石とイリアンがイエローを喰らってしまう。これでイリアンは4枚目。磐田戦には出ることが出来なくなった。
ただ、目の前の一戦をどう勝つかが遥かに大事だ。「2-2はデフォ」そう思いながら、3点目をイメージして後半を迎える。
後半、東京はいきなり3枚を代えてきた。
伊野波→ジャーンで、巻への守りと3バックへの変更を行い、ササ→赤嶺、栗澤→川口で打開の出来なかった攻撃の立て直しを図る。特に川口は磐田時代よりも器用にプレーがこなせるように進化しているらしい厄介な相手だ。
交代で流れを変えさせたくないジェフが、後半もアタマから攻勢に出る。3枚交代の副作用、ポジションとマーキングの確認の間隙を突いて、羽生・山岸・クルプニらが仕掛けるものの、シュートになかなか至る事が出来ない。流れは来ている、後は得点だけだ。
そして、待望の3点目に手が届く。
羽生・巻とヘディングでワン・ツーパス交換を行い、その巻の超低空ヘッドで出たボールに飛び出したクルプニが右足で突き刺す。一気に試合の流れを決める一撃だ。
後は、気を緩めずに攻勢に出るだろう東京にカウンターを喰らわせつつ残り時間を凌げばいい。試合の趨勢は握った、そう思った。ところが、物事はそう簡単ではなかった。水本が厳しい判定でPKを献上すると、その数分後には立石のファンブルで3-2とされる。しょうもない失点でも、当然東京は勢いづく。生き返らせてしまった。
初めてこの試合押された時間帯、阿部が攻撃参加して右足を振り抜くもののクロスバー。不思議なもので、流れが変わってしまうと、ボールも枠に収まらなくなってしまう。
東京は、ここぞの攻勢。去年のような、タテに速いサッカーがこの時間になってようやく片鱗を見せる。静かだったホーム側のゴール裏もにわかに活気付く。
そこからは、望んでいなかった一進一退の攻防となってしまった。
一方的に攻められている訳ではなく、カウンターの打ち合い。ジェフは羽生・クルプニ・山岸に途中出場の楽山。東京は赤嶺に川口。同点を狙ってリスクをかけているだけに、東京の隙は大きい。特に茂庭の攻撃参加後は明らかに穴だった。そのせいか、普段なら時間稼ぎに入る時間帯でも、クルプニが中へ中へ切り込んで得点を狙っていた。そして、そのままタイムアップ。
結局崩されての失点は結局無かった。
苦しい時間帯はあったが、90分の流れを見れば完勝と言って良い。メンバーが欠けた中で、久々に良いゲームを見ることが出来た。次の磐田戦に向けて、明るい展望が開ける試合だった。
巻の活躍はもちろん、これまでとの大きな変化として阿部の攻撃参加が効果的な形で何度も見られたことが、全体に厚みをもたらしていた。良い時のジェフは、阿部も攻撃に絡める。次節もこう言う展開になれるかが鍵だろう。
磐田戦に向けて、イリアンの出場停止は痛い。相手も調子を上げてきている。
けれども、苦境の時に磐田が相手だというのは願っても無い展開だ。出場停止?そんな事は関係なく、強い気持ちを持って戦える。ハースや勇人も帰って来るだろう。相手がワントップなら、それに応じた戦いもするかも知れない。
順位も8位まで上がってきた。これからが巻き返しのとき。磐田と言う言葉を耳にするだけで湧き上がる闘志を、勝利への力に変えて。次節は大勝負だ。
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