鬼門の昇格組に勝ち10年ぶりの開幕連勝 2025 J2第2節・カターレ富山戦

2025/2/22(土)14:00
フクダ電子アリーナ
J2第2節
千葉 2(1-0,1-0)0 富山
<得点>
35分 千葉 20石川(67日高からの左グラウンダークロスに合わせる)
50分 千葉 24鳥海(ショートコーナー、67日高のクロスを頭で合わせる)
アウェイでの開幕戦を、2-0で勝利したジェフ。
ホーム開幕戦の相手は、J3からの昇格組・富山。
J2復帰は実に11年ぶり。それだけに、この舞台への思い、今季に賭けるは並大抵ではない。
この日も、豪雪の富山から多くのサポーターがかけつけ、人数以上の声を張り上げていた。
ジェフは、昇格組にめっぽう弱い。
昨年も3月、鹿児島にアウェイで2-4で敗戦。
先制しながら、ミスを犯し、相手の勢いに飲まれ、勝点を失っている。
そしてジェフは、序盤戦になかなか勝てない。
開幕連勝は、遡る事10年前、2015年までない。
そういう過去を一つずつ乗り越えてゆかないと、未来は拓けない。
この日のスタメン。
システムは4-5-1から、4-4-2に。
変更は4人。
久保庭、前、エドゥアルド、品田に代わり、
怪我から久しぶりの復帰となる鈴木大輔、そして日高、田口、石川が先発となった。
戦前のコメントにもあったように、キックオフからラインを高く保ち、攻め込むジェフ。
が、富山はがっちりとブロックを敷いて、なかなか隙を見せない。
引き籠る富山を釣り出そうと、ジェフは最終ラインからボールを細かく繋いでスペースを生み出そうとするも、その誘いにはなかなか乗ってこない。膠着する状況を打開しようと、前線の石川は度々ボランチの位置まで下りてきてボールを繋ぎ、ギャップを作ろうと試みる。
それでも攻め手を欠く展開が続き、両チーム通じて初のシュートは富山の井上が放った22分まで待たねばならなかった。そして、そこからゲームが少しずつ動き始めた。
引き続きラインを高く保ち続けるジェフは、サイドから膠着の打開を図る。
前節と違い、左には日高がいる。
椿とのコンビに横山が加わり、細かいパス交換。
椿と日高がポジションを入れ替えながら二枚刃で富山の右を崩しにかかる。
徐々に富山の守備に隙が生まれ始めた。
前半29分、田口の縦パスに石川と田中が反応し、入れ替わりながら田中がシュート。
これは富山GK田川にセーブされるものの、初めての手応えのある攻撃だった。
さらに31分。椿からパスを受けた日高が左を抉ってクロス。
中で林が頭で合わせるも、惜しくも枠外。
32分には前線のプレスでボールを奪い、田中、椿と繋いでシュート。
ハーフコートに押し込み、可能性のある攻撃が続く。
待望の先制点は34分。
左サイドを深々と日高が破り、グラウンダーのクロスを送ると、手前で林が潰れ、その奥で石川が詰めてボールを流し込んだ。石川は、この日誕生日。自らのゴールで祝ってみせた。
ゴールシーンをPLAYBACK??
35分#石川大地 選手のゴール??
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— ジェフユナイテッド市原・千葉【公式X】 (@jef_united) February 22, 2025
均衡が破れ、守り続ける訳にはいかなくなった富山。
リスタートから前進しようとするも、ロングボールは鈴木大輔と鳥海が弾き返し、戻されたボールをキーパーの田川まで戻してビルドアップしようとすれば、林、石川、田中、椿らが、最後尾からの繋ぎを限定しにかかる。富山に流れを渡さず。さらに攻勢。
前に出ようとする富山の両翼は、格好の標的。
椿&日高、田中&壱晟が幾度も突破とクロスを仕掛ける。
43分には、左の連携から横山が前を向いて強烈なシュート。
田川に横っ飛びで防がれるも、さらにCK、その後の攻勢で畳みかけた。
最後まで休むことなく攻め続け、押し切って前半は終了した。
後半に入っても流れはジェフ。
富山の最初の攻撃を受け止め、田中が右から突破。そこからロングスロー、CKの波状攻撃。
CKを蹴るのは日高。連続3度目のCK。4度目のクロス。真っ直ぐなボールが、ファーサイドまで抜けると、待っていたのは鳥海。身体を目いっぱい伸ばして、ゴールに叩きこんだ。
ゴールシーンをPLAYBACK🎥
50分#鳥海晃司 選手のゴール⚽️
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更に前へ出ざるを得なくなった富山だが、出足で先手を取るのはジェフ。次の1点を狙いにゆく。2点のリードがあるので、ボールキープはややゆっくりと。勝負所だけギアを上げ、緩急をつけている。監督からはラインをコンパクトに保つように指示が飛ぶ。
富山が早々に交代枠を使い切る中。
ジェフは1枚目の交代、デリキを準備するも、ボールがなかなか切れずに、73分まで待って結局3枚替え。林→デリキ、石川→品田、椿→岩井。岩井は右サイド、田中が左へポジションを変える。また、横山はトップ下にポジションを上げ、4-5-1の布陣となった。
岩井は、自ら仕掛けゴールを狙う。
落ち着きつつあったゲームが、また動き始めた。
一方でベンチは試合をクローズさせる交代を進める。
日高に代わり、前。鈴木大輔に代わり、河野。
終盤、カウンターで抜け出た田中から、フリーのデリキとボールが繋がるも、トラップがゴールとは逆向きに大きくなって、良い形でシュートを撃つことが出来ない。
ATにもボールを奪った品田から、岩井にパスが通り、シュートまでいくもブロックに遭ってしまう。
3点目が奪えていれば、完璧な展開だったが、追加点は生まれず。
しかし、しっかり2試合連続のクリーンシートでゲームを締め括った。
膠着した展開から、試合が動き始めた後は、しっかりとボールを回して主導権を握り、流れとセットプレーから得点を奪い、コントロール出来たゲームだったと思う。
復帰した鈴木大輔を中心に、守備面では大きな問題はほぼなかった。
一方で攻撃面では、ボールをこね回し過ぎ、前に行ける場面でサイドや後ろに戻したり、シュートを打てる場面で打たずに終わってしまうシーンが何度も見られた。昨年までは、そうした場面で小森が前を向き、シュートを打ち切って、そこから二次三次攻撃が始まっていたのだが。試合を通じ、ともすれば単調で物足りなさを感じたのは、攻撃面での思い切り、意外性の部分だろう。
ただここは、意識次第で変える事が出来る部分ではあると思う。全員が、自ら試合を決める意識を強く持ち、ヒーローになろうとすれば、自然と魅力あるゲームが出来るようになると思う。岩井や、壱晟には、既にその兆候を感じる。
これで、開幕連勝。10年ぶりの事だ。
そして、次節もホーム。迎えるは山形。昨年の最終戦を挙げるまでもなく、言わずもがな、ここ何年も大きな壁になっている仇敵だ。ただ、彼らを乗り越えなければ、未来は拓けない。勝たねばならない、ホームでの6ポイントゲームだ。
そして、開幕3連勝はジェフの歴史上、まだない。
山形は開幕連敗。背水の陣で勝ちに来るだろう。
連勝したとはいえ、彼らに勝つには、まだ内容で足りないと感じる。
ピッチも、スタンドも、昨年の最終戦以上の準備と気持ちの強さでこの一戦に臨めるか。
最終戦も、第3節も何も変わりない。天王山の一戦だ。
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