内容は悪くとも勝つ! 2025 J2第1節・いわきFC戦
- 2025.02.24
- GAME REPORT
- いわきFC, ハワイアンズスタジアムいわき, 椿直起, 横山暁之, 髙橋壱晟

2025/2/15(土)14:00
ハワイアンズスタジアムいわき
J2第1節
いわき 0(0-1,0-1)2 千葉
<得点>
31分 千葉 10横山(PK、14椿が左の突破から獲得)
60分 千葉 2髙橋(10横山の縦パスに抜け出しループシュート)
開幕戦は、昨年無得点でダブルを食らった、いわき。
難しい試合になると予想はしていたけど、ここまで難しい試合内容になるとは。
そして、この内容でこの結果になるとは。
「この内容で何で負けた(勝てた)」って試合はたまにある。
だいたいジェフは、「負けた」の方ではあるけれど。
去年で言えば、アウェイ秋田。
決める時に決めておかないと痛い結果になるという。
それが、今日のいわきだった。
快晴のいわき。
ひなたに居ると暖かさすら感じるサッカー日和。
チケットは前売りで完売。
待ちわびた新シーズンを迎え、開幕らしいお祭り感がスタジアムを包む。
ちばぎんカップを厳しい内容と結果で終えたジェフ。
それから一週間、スタメンの変更は4人。
日高→壱晟
河野→久保庭
田口→エドゥアルド
石川→林
日高はちばぎんカップで痛むシーンがあり、大事をとった感があるけれども。
田口に関しては、前日コメントも出しており、状況が全く不明。
代わりにベンチには、昨年負った怪我の癒えた鈴木大輔が復帰した。
いわきは厄介な相手だ。
鍛え上げた走力とフィジカルの飽和攻撃。健在のエース・谷村。
さらに今年はこれまでで一番の練習が出来ているという。
それとどう相対するか。
昨年と同じように「ジェフのサッカー」で真正面から立ち向かっては、また同じ結果になりはしないか。リードを許せば、時間が経つほどスタミナのある相手が有利になる。序盤で主導権をしっかり握らなくては、勝機は掴めない。そんな事を考えながら試合に臨んだ。
コイントスが終わると、なんといきなりエンドチェンジ。
これは、風向きを踏まえ、いわき側が選択したとのこと。
そして試合が始まった。
最初の鍔迫り合いから、ジェフも前から仕掛けようとする意思が伝わって来たが、
ほどなく主導権はいわき側に握られ、ほぼハーフコートで押し込まれる展開になってしまう。
懸念していた通り、まず局面局面でいわきの当たりが強く、ボールをまともにキープ出来ない。ちばぎんカップでも感じた、「もしかしてパスが下手になった?」と疑うぐらい、前に向けてのパスが全然繋がらない。
田中、椿の両翼がサイドを快走するようなシーンはほとんど無かった。
戻すパスが増え、押し込まれ、ゴールキックの回数ばかりが増えていく。
最後方からビルドアップをしようとするものの、前からプレスに晒されてまともに繋げない。そこで方針転換してロングフィードを前線の林に放り込むも、精度が低く、なかなか収める事が出来ない。
ボールをいわきに回収し続けられ、「ずっといわきのターン」状態。
14分、15分には、立て続けにシュートを撃たれ、ゴール前はスクランブル状態。
ほうほうの体で身体を張ってクリアするものの、失点に至らなかったのは、「相手が外してくれたから」に尽きる。
20分過ぎには、谷村が壱成を田中を久保庭をフィジカルの強さを存分に発揮してボールを運び、24分には打点の高いヘッドでバーを直撃するシュートを放つ。
直後、椿がカウンターから独走し、中の横山に繋ぐチャンスを作るもシュートまで至らず。
しかし、先制点に繋がるカギになるプレーの転換点だった。。
29分、再び椿が左から突破。
エリア内で倒されてPKを得る。
新・10番の横山が冷静に決めきって、1-0。
ここまでの展開からすれば、まさかのリードを奪う。
ゴールシーンをPLAYBACK🎥
31分#横山暁之 選手のゴール(PK)⚽️
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— ジェフユナイテッド市原・千葉【公式X】 (@jef_united) February 15, 2025
ホームチームにとっては、心理的なダメージを受けかねない状況だったが、そんなに相手はヤワじゃない。より一層のプレッシャーをかけ、立て続けのセットプレーで同点を狙ってくる。際どいシーンをいくつも作られるものの、鈴木椋大を中心にこちらも集中を切らさず、スコアはそのままで前半を終える。
リードは奪ったものの、あまりに一方的な劣勢に思わず「なんだこれ」との感想が漏れた。
後半、選手交代。
足を気にする様子を見せていたエドゥアルドに代わって、デリキが登場。林との2トップとなり、横山がボランチに下がった。横山と、品田のボランチでは、相手と競り合ってボールを奪う事は難しい。そこは、割り切る判断なのだろう。
風上に立った後半、最初こそ、いわきのプレッシャーに押し込まれたものの、前半ほど一方的な展開ではなくなった。ただ跳ね返すだけではなく、落ち着いてボールを繋ぐ事が出来るようになり、サイドが生きるようになる。前半は全く目立たなかった右の田中も前を向いて走れるシーンが増えた。
いわき陣内でのプレーが増えた後半10分過ぎ。
右サイドのボールの競り合いに勝った田中から横山にボールが繋がり、さらにDFラインの裏に抜け出した壱晟へ。ブロックに飛び出してきたキーパーの上をふわりとかわす、芸術的な一撃で追加点を奪ってみせた。
ゴールシーンをPLAYBACK🎥
60分#髙橋壱晟 選手のゴール⚽️
DAZNの視聴はこちらhttps://t.co/JtKiOqBPWt#jefunited #ジェフ千葉 #jleague #WINBYALL pic.twitter.com/C1h3DepPFI
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なんでこの位置に壱晟が抜け出して来ていたか、改めて見直しても分からないくらいだから、いわきにとっては予想外の飛び出しだったろう。見事に意表を衝いて、ゴールを奪ってみせた。
2-0となり、いわきには焦りが、ジェフには余裕が生まれつつあった。
アウェイで2点差は上々。無理に攻める事もなく、時間も使いながら試合を進めていく。
70分には、椿→岩井、林→石川。
前線を入れ替えて運動量の維持をはかる。
ちばぎんカップでイキのいい動きを見せていた岩井は、この日もゴールへの貪欲さが健在。
仕掛ける意識と共に、がら空きのゴールを狙ってロングシュートを放つ思い切りの良さも。
惜しくもゴールはならなかったものの、初ゴールも近いだろう。
80分ごろには、スタンドから「WIN BY ALL!」のコール。
サポもクリーンシートでのクローズを目指して一層応援に力を込める。
何よりも必要なのは、勝点3だ。
攻め込まれても、身体を張り、致命的なミスなく時計の針を進められている。
鳥海、前といった、新加入選手の存在が守備面で大きい。
鳥海と2人、アカデミー出身でCBを組んだ久保庭も落ち着いている。
89分には、横山に代えて小林。
AT、いわきはブワニカを投入して来たが、こちらも田中に代えて河野を投入。
粘るホームチームにゴールを許す事無く、試合を締め括った。
本当に厳しいゲームだった。
試合の中で、ジェフらしい攻守を出せたシーンはほとんど無かった。
が、その一方でこれまでのジェフが出来なかったこと、
・流れに乗れない展開を耐えきれず、ミスから安い失点をする
・その失点をきっかけにあっさりと崩れる
・リードしていても終盤の攻勢を耐えきる事が出来ない
そういう展開にはならなかった。
セレッソから戻って来た鳥海は、引き分けを勝ちに、負けを引き分けにすると言っていた。
この試合前のミーティングで壱晟は、試合内容に関わらず今日は勝つと檄を飛ばした。
有言実行のゲームだった。
リーグ戦38試合。うまく行かない試合で、どう勝ち点を拾うか。
今日は難しい試合になる。それをチームに関わる皆が試合前から意識して臨んだ事がこの結果に繋がった。この一勝は、きっと、これから大きな意味を持つ。
次は、ホームで富山が相手。
昇格組を苦手にするジェフにとって、また難しい相手にけれども、次はよりジェフが本来やりたいサッカーを前面に出して、フクアリのジェフサポを歓喜させて欲しい。
さあ、また長くて短い一年が始まった。
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