成長した姿を報告する場に イビツァ・オシム元監督像完成にあたって

成長した姿を報告する場に イビツァ・オシム元監督像完成にあたって

先日、6/24(土)に行われた大分戦の前に、
オシム元監督の銅像の除幕式が行われました。

久しぶりにお元気な姿を目にする事が出来た、アシマさん、アマルさん。
遠く欧州からこの為に来日ありがとうございました。
また、列席頂いた関係者の皆様、制作にあたって尽力された皆様、ありがとうございました。

アシマさんが、銅像を見上げ、寂しそうに涙された時、こちらも貰い泣きしそうでした。
これからも、どうかお元気で居て欲しいと思います。

アシマさんの言葉通り、多くの日本の人々がオシム元監督を慕っている事を確かめる場であった一方、こうして形になってしまうと、オシム元監督が亡くなった事実を改めて思い知らされもしました。

本当は、病魔に襲われる事無く、もう一度オシム監督にフクアリを訪れて欲しかった。
それは叶わぬ願いになってしまいました。

御大が亡くなり、一つの区切りとしてこの像が立ちましたが、
大事なのは像そのものではなく、彼が遺したものを伝えてゆく事です。

当時を知る私達一人ひとりの心の中には、オシム監督と過ごした日々が、教えが、想いが残っています。
それを私達一人ひとりが、さらに考え、進化させ、自分のものとして、オシム監督を知らない、後に続く世代へ伝えていくこと。親離れし、オシム監督を超えてゆくこと。それはサッカーに限らず、人生のあらゆる場面において。
それこそが、御大が望んでいる事なのではないでしょうか。

この像を過去の思い出に立ち止まる場にするのではなく、
一人ひとりが、成長した姿を報告する場になって欲しいと強く思います。