重い沈黙 J2 第10節 大宮アルディージャ戦

重い沈黙 J2 第10節 大宮アルディージャ戦

※今節はゲームレポートではなく、主に感想です。

ほとんど「自滅」と言える敗戦だった。

安易なミスから失点したのは、100歩譲ってやむを得ないにしても、得点を奪うための道筋が一向に見えないのが苦しすぎる。結局、今日も最終盤にスクランブルアタックから、新井一耀がかろうじて1点を奪ったのみ。

あとは、それまでに、失点がゼロか、1か、2以上かで、勝利、引き分け、敗戦が決まる。
2得点以上する試合がほとんど無いから、2失点した時点で苦しさが滲んでしまう。


スタンドは期待している。
シュートを放ち、ゴールを撃ち抜く姿を。
ゴール前まで迫りながら、繰り返される人任せのパス。
シュートではない選択。

お願いだから撃ってくれ。
スタンドからは、声にならない悲鳴が聞こえてくる。
頭を抱え、首を振り、手を叩き、頭を垂れる。
目の前で戦うジェフの選手たちが、「もっとできる」事を知っているからだ。
ちがう、そうではない、そのプレーじゃないと。


ここまで勝ちのない大宮。
スタンドには空席も目立ったものの、この状況下でスタジアムに集うサポーターの覚悟というものは身に沁みて分かっている。煩悶を飲み込み、目の前の一戦に集中するホームチームは、ジェフよりも遥かに塊感(かたまり・かん)があった。
内容、戦術云々ではなく、一つ一つのプレーに気持ちを込めた大宮の筋の通った強さに、ジェフは最後まで後手を踏んだ。

10番、河田の2ゴールは、ジェフのディフェンスのミスもあったが、気持ちでもぎ取られた失点だった。彼は、自ら決めきる意思を持ってボールを運んでいた。
それが、ジェフにもあったなら。


試合後、項垂れた選手たちを迎えたスタンドは、野次も飛ばぬ重い沈黙だけがあった。
彼らが挨拶に来る前に、席を立ったサポがどれだけ居たか。
早々に空になるスタンドは、言葉よりも遥かに辛辣だ。

10節が過ぎた。シーズンの4分の1が終わった。
様々な理由、要因はあったにせよ、勝ち続けたチームが順位を上げ、勝てぬチームは順位を落とす。成長過程、内容は良かった、それはそれで評価はしても、昇格を目指すならば必要なのは、得点であり、勝利であり、勝ち点だ。

今季のジェフは、ここからどこを目指すのか。
最初の岐路を迎えつつある。

少なくとも、自らシュートを撃ち、流れの中から得点を奪える道筋を見出さねば、目標は昇格から降格阻止に変わってしまうだろう。
ただ、試合を見る限り、問題は監督の指導よりも、戦っている選手たちの姿勢の問題がより大きいように見える。