想定内のスコアレスドロー 2021 J2第8節 vs栃木SC △0-0

想定内のスコアレスドロー 2021 J2第8節 vs栃木SC △0-0

2021/04/17(土)14:00
フクダ電子アリーナ
J2第8節
千葉 0(0-0,0-0)0 栃木SC

<得点>
なし

千葉公式
栃木SC公式
Jリーグ公式

好意的に言えば、栃木に点を取らせず作戦通りに封じ込めた。
悪く言えば、それ以上の事を出来ずに、無得点で終わった。

尹晶煥監督としては、決して「ただ」守るだけの意図の布陣では無かったのだろうが、栃木を警戒し、合わせた結果、琉球、京都、金沢と芽吹き初めていた攻撃、主導権を握ろうとする戦い方は、一歩後退してしまった。この現実策を、半歩前進と見るか。それとも。

どんよりとした重い曇り空。
試合途中からは、自称・雨男=光永さんの言葉通りに本降りに。
迎えるは、栃木SC。先日、古河OBで、栃木SCにおいてGMも務められた上野佳昭氏が亡くなられ、試合前には黙祷。涙雨が見守る中でのゲームとなった。


今日のポイントはスタメン。
前節・金沢から、メンバー的には、岩崎→岡野へと1人が変わっただけ。
が、布陣と戦い方は大きく変わった。

スタートから3バック。3-4-2-1。
岡野が右CBに入り、主に矢野貴章を見る。
前線へ手数をかけずに放り込む戦術、そして相性の悪さを補おうと最初から対策が施された。


キックオフ。
前節、金沢戦のような、「前から奪いに行く」守備は無い。
たとえ、同じことをやろうとしても、栃木はプレスを受ける前に、ロングボールを放り込んで来ただろう。

試合前に尹晶煥監督が「ゲームはボールが上にあることが多くなると思う。」と話していた通り、ボールは足下で収まらず、常にハイボールを競り合ってクリアし、押し戻される、落ち着きどころがないゲーム展開になった。

ただ、危ない場面はほとんどない。対策は、守備面では確かに奏功している。
強いて言うなら、相変わらず岡野は対応が遅れると手が出てしまう悪癖があるので、ファウルを貰わないか怖かったくらいだ。

栃木とやる時は毎度こんな試合になる。
直近5試合の対戦で勝ちが無く、いずれも、0-0か0-1と言うスコア。
蹴り合い、競り合い、互いにファウルが多く、フィジカルで削り合う。
ゴール前でのシーンが少ない塩試合。正直、エンタテイメントとは言い難い。

ようやく攻撃らしい攻撃は19分から。
セットプレー崩れからの流れの中で、小田のクロスにチャンがヘディングシュート。
さらにキーパーからのフィードを壱晟が奪い返して、福満へと繋ぎ、最後は飛び込んだ岡野がシュート。

30分には、福満のサイドチェンジが左の小田に渡る。
小田はそのまま勝負を仕掛けてクロス。中の大槻は合わせられず。
こぼれたボールを大槻が回収して、持ち直してシュート。

31分にも、自陣からのFKを、大槻→米倉と繋いでクロスを上げるも、キーパー。

その間、栃木も変化をつけたFKや、競り合いのこぼれ球が開けたところで、41松本や、17山本がミドルで狙って来るが、フィニッシュまで至る回数は少ない。

互いに打開できず、互いに消耗して、前半は終了した。
この時点で、90分を通して1点でも入れば良いと感じる試合展開。


後半に入り、圧力を強めて来たのは栃木。
FK、CKでゴール前に迫り、放り込むだけでなく、ドリブルで仕掛けるシーンも増えて来た。
何より、守りから、攻めへの切り替えに、チームとしての塊感がある。

ジェフは、繋ごうとして繋げられない。
細かいミスが出る事に加え、キーパーまで戻しても、新井が圧に負けて、ボールの行方が定まらない。何度となく、サイドラインをボールが割ってしまう。

最大のチャンスは59分。
米倉が「個」の力で右サイドを深々と抉り、中の壱晟、そして福満。
シュートまでの形を作る。

が、その後の60分のFK、63分のCK。
いずれもここが、ジェフとしては得点を奪う勝負どころの場面で、見木のキックはいずれもミスキックでラインを割ってしまう。リズム、流れを引き寄せる事が出来ない。
田口の復帰の目途がまだ見えない状況下で、セットプレーキッカーの不在は得点力不足をより深刻にしている。


77分に大槻、福満、壱晟に代えて、ソロモン、岩崎、小林を投入し、フレッシュな選手で打開を図ろうとするも、失ってしまった攻撃のリズムは戻らず。
逆に、終盤に向けて攻撃のペースアップをする栃木の攻撃シーンばかりが続く。

86分の栃木の10番森の突破からのシュートは、サイドネットで事なきを得たものの。
これを、この時間に撃たれ、決められるのが、これまでの負けパターン。
本当に危ないシーンだった。

結局、後半のシュートらしいシュートは、59分の福満と、90分に岩崎が撃ったミドルの2本くらい。

5バックにしてガチガチに守ったと言うのではなく、相手のプレッシャーに負けて、徐々にズルズルと陣地を押し込まれ、たまに良い位置でボールを奪えても、カウンターを仕掛ける意思統一も出来ていなかった。切り替えの遅さは相変わらず。

今出来る精一杯のゲーム内容なのかも知れないが、そうだとすると寂しさもある。
もう少し、何とか出来なかったのだろうかと。

再び、「攻撃の為の守備」と言う言葉が頭に浮かぶ。、
今日の布陣の狙いもそこにあったのだろう。
が、守った後、どう攻めるつもりだったのかは、見て取れなかった。
カウンター攻撃の練習はしているのだろうが、いつになれば形が見えるのだろうか。

チームを作るのに時間はかかるが、シーズンには時間の限りがある。
我慢と苛立ちのせめぎ合いをぐっと飲み込んで。
きっと今日は半歩前に進めたのだと、次節に期待。

三連戦の二試合目。難敵、水戸戦は、21日(水)。