早過ぎた逃げ切り策 2020 J2第14節 vs徳島ヴォルティス ●1-2

早過ぎた逃げ切り策 2020 J2第14節 vs徳島ヴォルティス ●1-2

2020/08/23(日)19:00
フクダ電子アリーナ
J2第14節
千葉 1(1-0,0-2)2 徳島

<得点>
45+5分 千葉 10船山(4田口)
73分  徳島 19垣田(24西谷)
90+4分 徳島 3ドゥシャン(CK)

千葉公式
徳島公式
Jリーグ公式

悔しいゲームを落とした。
尹晶煥監督の試合後コメントにもあるように、
判断に誤りがあったとすれば、守りに入るのが早過ぎたのだろう。
が、それは結果論でしかない。

徳島に対して、一進一退、拮抗したゲーム展開だった。
両チーム、攻守の切り替えが早く、少ないチャンスの中から決定機も作った。

ジェフは、前半40分過ぎ、キレのある動きをしていた川又が競り合いで脳震盪を起こし、大事をとってクレーベと交代。アクシデントを抱えつつも、安田のライン上のクリアをはじめ、チーム一体となった守備をベースに戦い、前半ロスタイムには、田口のクロスから、船山が豪快なヘッドを叩き込み、リードを奪う事が出来た。


後半も、リードを盾に、繋いで攻め寄せる徳島の攻撃を受け止め、カウンターで追加点を狙い、ゲームをコントロールした。

山下の至近距離からのシュート、
カウンターから、クレーベ→堀米→船山と繋いだ決定機、
あるいは、船山のコースを狙った一撃など、
いずれかが決まっていれば。

しかし、少なくとも「2点目」を奪われるというリスクを突きつけ、徳島の重心を後ろに下げる事は出来ていた。
が、徐々に高まる徳島のプレッシャーの前に、70分過ぎに尹晶煥監督は山下に代えて鳥海が投入し、5バックへ移行。1-0で守り切る方向へ舵を切る。

すると、ジェフが攻めて来ないと見るや、
徳島は、一気呵成に同点、逆転を目指し、攻撃に重心を全振りして来た。

右サイドのゲリアは、2試合ぶりの出場だったが、それまで酷暑の中で3試合を戦った疲れが抜けきっていなかったのだろう。これまでのようなキレがない。重たい身体を、なんとか奮い立たせているような動きだった。

後半のいくつかのピンチは、新井章太が、それこそ神がかったセーブをこの日もみせて、崩されながらも最後の一線を割らせないでいた。

しかし。

何度目かのクロスを徳島の左から送り込まれ、とうとう決壊してしまった。
同点に追いつかれ、試合展開はさらにオープンになる。
こうなると優勢なのは徳島だ。
2点目を取る意識が統一されていた。

ジェフは、ホームで一度はリードしたのだから勝ち切りたい。
が、前の駒が足らない。カウンターに活路を見出すも、堀米の足も攣り、交代出場の為田にも、なかなかボールを集めることが出来ない。
それでも、最後の交代で登場した旭が抜け出してシュートを放つ決定機も作ってみせた。

ドローも見えたアデシショナルタイム。
徳島にさらに圧をかけられ、FK、CK、セットプレーが繰り返される。
その何度目か、残り時間もわずかになったCK。
これを上がってきていたDFに合わされ、最後の最後で失点。

前回のフクアリで払拭したはずのアデシショナルタイムの悪夢が、またも繰り返されてしまった。

悔しい負けだったが、特に攻撃面で成長を感じるゲームでもあった。
船山の初ゴールに繋がった田口からのクロスは言わずもがな、いくつも作り出した決定機は、クロス、カウンター、セットプレーとバリエーションが増え、得点への道筋がはっきりと見えるプレーが増えて来た。

手数をかけず、大きなサイドチェンジで相手のディフェンスを揺さぶり、選手と選手の距離感と連携も良くなり、川又や、堀米が、彼ららしいトラップやターンで前を向けるシーンも何度も見られた。

少し前までは、ひたすら閉じこもるばかりだったチームが、相手を脅かす攻撃を繰り出せるようになって来ている。
今はその成長を楽しみに見守りたい。

もちろん、ホーム=フクアリでこんな負け方は誰もがごめんだ。
連敗となってしまったが、悔しさを忘れずに、次の試合ではより良いプレーを見せて欲しい。