全然ジェフらしくない完勝 2020 J2第3節 vs水戸ホーリーホック 〇3-0

全然ジェフらしくない完勝 2020 J2第3節 vs水戸ホーリーホック 〇3-0

2020/07/04(土)19:00
K’sデンキスタジアム
J2第3節
水戸 0(0-1,0-2)3 千葉

<得点>
6分 24山下(50米倉)
56分 4田口(直接FK)
90+4分 44川又(10船山)

千葉公式
水戸公式
Jリーグ公式

いやいやいやいや。
こんなの、ジェフの試合運びじゃないでしょ。

開始6分で首尾良く先制。
相手の攻勢を手堅くいなして、前半をリードして終了。

56分に、直接FKを沈めて追加点。
その後も手堅く守って反撃を許さず、
ロスタイムにダメ押し点。

得点が全て、新加入選手。
アウェイ初戦で勝ち点3。
相性の悪い、北関東のK’sスタで。

書いてて、別のチームのコトを書いてるような気分になってくる。
ああ、これが「普通」ってことか。
普通って、難しい事だし、大事な事なんだよと、誰かが言っていたような。

ぼんやり遠くを見るのは、こんなもんにして、レポート書いておきましょう。
今日も今日とて、リモートマッチ。
アウェイ、水戸戦。


スタメンは、前節から右サイドが入れ替え。
右MFに米倉、右SBに田坂。
前節途中出場した2人が、今日は先発に。
攻撃面でテコ入れしたかったとは、尹晶煥監督。

壱晟、山下はこの日も先発。
期待の高さが伺える。
他のメンバーは、前節と変わらず。

対する水戸は、長谷部監督が福岡に引き抜かれ、秋葉監督が今季から就任。
どんなサッカーを仕掛けてくるのだろうか。

気温21.3度、曇り一時雨、湿度78%が公式記録。
梅雨らしい気候だ。

前節大宮戦のように、リモート応援システムは導入されていないため、DAZNを介して選手達の声や、息遣い、身体を当てる音が聞こえてくる。耳を澄ますとゲコゲコとカエルの合唱も。。。

19時3分キックオフ。

試合開始から攻撃的に出たのは、ホームの水戸。
ラインが高く、積極的に前からプレスを仕掛けてくる。
イメージすると分かりやすいのは、ハイラインを敷いていたかつてのジェフの姿。

ボールの回収が高く、早く、次々と攻撃を仕掛けられる。
特に厄介だったのは、水戸の右MF27松崎選手。
大宮ユースから東洋大学を経て、今季から入団したそうだが、ドリブルが果敢で技術もあり、対面する堀米や下平を向こうに回して、致命傷になりかねない突破を仕掛けてくる。

新井(章)の好守もあり、水戸が決めきれずに事なきを得たものの、、、
最初のボールタッチで厄介な選手だと言う事は明らか。
試合を通して一番の脅威であり続けた。

その水戸の最初のラッシュを受け止めていたジェフは、6分に早くも先制する。
水戸陣内に少し入ったところで、米倉、クレーベが連携してプレッシャーをかけ、ボールを奪う。キープしたクレーベがタメを作ってから、スペースに駆け上がった米倉にボールを出すと、そのまま切れ込んで中に折り返す。

受けた山下が、ダイレクトで振り抜くと、ボールは相手DFの足をかすめて軌道が変わり、そのままゴールへと吸い込まれた。

 


先制点を奪った後も、水戸の攻勢は続く。
ラインが高く、クリアを何度も拾われては、波状攻撃を受けてしまう。
失点してもおかしくないピンチ、あるいは、決まっていてもおかしくない強烈なシュートもあったのだが、新井(章)を中心とした守備が、実に手堅い。

水戸のチャンスが、一つ、また一つ潰されていく。
反対にジェフのチャンスは多くは無い。
水戸陣内に攻め込む事すら多くはない。

が、28分には、増嶋のロングスローからのこぼれ球を、ダイレクトで山下がボレーシュート。手応え十分の一撃だったが、相手キーパー松井の好守に阻まれる。
この山下という選手、撃てる場面で、手数をかけずに撃つのが良い。
少なくとも、今日の試合では、その良さが目立った。

前半残り時間も、攻める水戸、冷静に守るジェフという展開が続き、ハーフタイムへ。

後半頭は、ジェフは選手交代なし。
同点に追いつきたい水戸は、山谷選手を投入。

展開は大きく変わらず、10分を経過。
水戸の攻撃に慣れたのか、ジェフの守備にやや余裕を感じる。

迎えた56分。
水戸のゴール前でフリーキックのチャンスを得る。
ボールには田口と堀米。

田口の蹴ったボールは、水戸の壁の上、スレスレを越して、正にゴールに「置く」ようにネットに吸い込まれる。理想的な形、時間で追加点。

おそらく、水戸からすれば、ここから2点を奪い返すイメージは湧かなかったのではないだろうか。反撃の意欲を奪う、メンタル的にもダメージの大きい一撃であったと思う。

加えて。

68分には、堀米に代えて、船山。
78分には、米倉に代えて、アラン。クレーベに代えて、川又。
名前でプレーする訳ではないとはいえ、次々とインパクトのある選手を投入し、プレッシャーをかけていく。

ホームで一矢を報いたい水戸は、80分には松崎が、
さらに91分には山口が、強烈なロングシュートを放つものの、ゴールには至らない。

逆にジェフも、88分に、アラン、川又のチャンスメイクから、
壱晟が30mクラスの強烈な左足ロングシュートをエリア外から見舞う。
バーン!!と看板を叩く派手な音が響きわたる。

そして、ロイスタイムに入り、
もうゲームも終わろうかという、+4分。
新井(章)のゴールキックを水戸の選手がヘッドで大きく浮かす。
落下点に入った船山が、ダイレクトで前のスペースに送ると、川又への絶好球に。

川又は、ンドカ ボニフェイスがついていたが、エリア内に持ち込むと、
いち、にの、さん!で切り替えして、振り切って、シュート!
駄目押しの3点目を流し込んで、勝利を完全なものにする。

そして、間もなく、試合終了。
3-0、完勝だった。

最初に書いたように、全くジェフらしくない。
負け試合で、こういう内容はよく見かけるような気がするが(記憶から消している)、
勝ち試合で、こういう内容のジェフは見た記憶がほとんど無い(本気で思い出せない)。

実に手堅く、効率的な試合運びで、
戦力差をゲーム内容に反映させた。

イエローカードが無かったと言う事も、守備に余裕があった現れではないだろうか。

再開してまだ2試合だが、昨年から大きく変わった事が良くわかる。
90分を通じて、崩れる事が無かった3ライン。
ここ数年、欲しくて仕方が無かった「守備のルール」がいまここにある。

前節大宮のイッペイシノヅカ選手にやられたように、まだ穴はあるものの、この水戸戦では、守備を破綻させる可能性のあった、松崎選手に仕事をさせずに乗り切ることが出来た。

守備だけではない。

この試合で得点したのは、いずれも新加入の山下、田口、川又。
スタメンを見渡せば、レンタルバックの壱晟も含めて、半数の5名が新加入。
補強が、補強としてしっかり機能している。

さらにその中で、壱晟をチームの新たな中心に据えようとしているかのような、先を見据えたような起用も行っている。

守備の構築、補強の成否、世代交代、
これまで止まっていた様々な要素が、何か動き出したかのように感じる勝利だった。

もちろん、一試合を勝っただけで、様々な問題が解決されたと考えるのは早計に過ぎる。
ただ、「兆し」は見えつつある。

この試合、唯一残念だったのは、新加入の3人がゴールしたにも関わらず、無観客だった事だ。
普段のゲームならば、「俺たちジェフ」だって出来ていたはずだ。

来週のフクアリから、観客動員は再開される。
が、以前のように大きな声で、彼らの活躍に喝采を送ることはまだ当分出来ない。
声援が送れる日常を取り戻したなら、必ず今日の3人のゴールを祝おう。
その日まで、さらに多くのゴールを積み重ねて欲しい。

最後に。
ナイスゲームでした!
選手たち、尹晶煥監督!