2019シーズンを忘れるな。 第1節・FC琉球戦プレビュー

2019シーズンを忘れるな。 第1節・FC琉球戦プレビュー

昨年2019シーズン。
ホーム開幕は、新潟に1-4で敗れた。

それから21試合。
ホームゲームのうち、敗戦が実に10試合。
そのうち、3点以上奪われた試合は、なんと8試合を数える。

・・・ありえない。
フクアリが、まるでアウェイチームの為にあるかのようだった。

最終成績は17位。過去最低。
J3降格の危機が、シーズン終盤まで残る屈辱のシーズンだった。

オフシーズンを前に、江尻監督の退任と、尹晶煥新監督の就任を発表したクラブは、
本来あるべき2019シーズンの振り返りを経ることなく、
かつて川淵会長が代表でそうしたように。
新チーム、新監督への期待感を煽る事で、2019シーズンを過去の記憶へと追いやろうとしている。

例年になく中身のあるオフが過ごせていると、ジェフへの評判はすこぶる良い。
だが、2020年を戦うチームは、紛れもなく2019年の延長線上にある。
その事を忘れて、新監督が作る新しいチームへの過大な期待だけを膨らませていては、厳しい現実の前にまた失望する事になるだろう。

我々は、昨年17位のチームだ。
過去3年間のサッカーから方針を転換し、リフォームをはじめた一年目だ。
選手の入れ替わりは少なく、尹晶煥監督に合わせた選手を揃えた訳ではない。
ベテランが多く、また一年、歳を重ねている。

そして、これから戦うチームは、2年目、3年目の継続した強化を重ね、
我々よりも若く、走れる、戦えるチーム。
あるいは、レベルの違うJ1から僅かな差で零れ落ちてきたチームだ。

それらの現実をしっかりと見据えて。
一戦、一戦、目の前の戦いに集中し、昨年よりも上の順位へ。
一年を通してみた時に、今よりも、夏のチーム、秋のチームが、積み重ねた強さを見せてくれるように。
足元を見据えて、シーズンを戦い抜いて欲しいと思う。

我々は、17位のチームだ。
が。17位の力しか無いとは誰も考えていない。
誰しもがリベンジに心を焦がしている。

ベテランが、若手が、切磋琢磨して、今年こそ、これこそがジェフだという戦うチームを作り、
フクアリで、アウェイで、走り、戦い、勝利を積み重ねて欲しい。


前置きが長くなった。
予想スタメン。

ちばぎんカップと同じメンバーでのスタートを予想。
リザーブもあまり大きくは変わらないものと考える。

ポイントは、スタート時の守備ラインの高さ。
ちばぎんカップでは、試合開始当初は高いラインをキープしようとしたものの、柏に圧倒され、特に先制されてから前半終了までは押し込まれるシーンが目立ってしまった。その後、後半幾分持ち直したものの、それは柏の余裕の裏返しとも言えるものだった。押し込んだのではなく、柏が引いたから高くなったものだった。

それに対して琉球は、おそらくアウェイの戦い方に徹して来るものと考えられる。
GKカルバハルなど、怪我人が複数おり、万全のスタメンは組めないとのこと。
そのため、安易にラインを高くして真っ向勝負ではなく、まず守備から入って、彼らの得意なロングカウンターで少ないチャンスを得点にする事を狙って来るのではないだろうか。

思い返せば一年前、琉球のスタートダッシュには目を見張らされた。
攻撃に切り替わった時、ゴールに向けて複数の選手が長い距離を厭わずに走りこむオートマティズムと、終盤になっても衰えない運動量は、脅威そのものだった。ジェフは、去年2勝出来ているとはいえ、特に寿人のゴールで勝ったホーム・フクアリでは内容的には苦戦した。

ちばぎんカップを見ても分かるように、ジェフは攻撃面に大きな課題を残している。
まだこれと言った「形」が無く、明日はセットプレーが頼みになるかもしれない。
先制点を奪うことに苦労をすれば、時間が過ぎれば過ぎるほど、「琉球のゲーム」になっていくだろう。

キックオフから、ラインを高くし、琉球を籠に押し込め、クレーベと言う「個」を活かして、ガードの上から殴りかかって、ゴールをこじ開ける事が出来れば、琉球を前につり出し、今年のジェフが前線からの防衛ラインに琉球を搦めとって、試合展開を有利に運ぶことも出来るだろう。

最初の15分。
琉球がどう出てくるか、ジェフがどう主導権を奪いにかかるか。
そこに注目して試合に臨みたい。

最初に厳しく書いたけれども、自分も新チームには期待している。
しかし、足下だけはしっかりと見て、チームが今年だけでなく、2年後、3年後、さらにはその先までを見据えた時に、チームを取り巻く人達へ正しい説明や段階を経て、きちんと「UNITED」してチームを作っているのか?
その視点を決して忘れずに、一戦一戦の一喜一憂と、長期的なチーム作りと、2つの視点で2020シーズンのジェフを応援してゆきたい。

2019シーズンの悔しさ。
託された、PASIÓNを忘れるな。

さあ、いくぞ。開幕だ。