尹晶煥監督招聘の狙いと、監督選びについて
- 2019.12.04
- 雑感
J2残留が確定し、江尻監督の今季限りでの退任が発表される一か月前の10月半ばから、韓国経由で噂が流れていたので、候補選定、交渉も含めると、クラブとしてはかなり早い段階で、来季は監督を再び変えてリスタートする考えであったように思います。
(江尻さんの就任の経緯を考えると引っかかるものはありますが。。。)
「更地」と寿人が表現した今のチーム。
エスナイデル監督以降のチーム作りを考えず、
完全にゼロベースで考えたならば、尹晶煥監督は、おそらく適任なのでしょう。
チームの課題であった、
「守備の構築」が出来、
厳しい練習で「走力・フィジカルの底上げ」が出来、
補強よりも「今いる選手を重視する」姿勢、
「センターラインを重視」した補強の方向性。
そして「Jリーグでの指導経験があり、かつ結果も残している」。
ハマれば、今よりも成績は上向くと思いますし、
実績を考えれば、もっと良いオファーがあったのでは?と思います。
近年のジェフの状況や、現在のチーム状態を知りながら、よくオファーを受諾してくれたものだと驚いています。
就任が発表された以上、フロントには尹晶煥監督のバックアップを全力で行って、来季に備えて欲しいと思います。
しかし、大きな疑問として残るのは、ジェフの監督選びの基準は一体どこにあるのか?ということ。
エスナイデル監督を招聘し、ジェフの新しいサッカースタイルを築こうとした三年前。
そのエスナイデル監督を解任し、江尻監督の下でも、そのサッカーを継承しようとした半年前。
にも拘らず、これまでの路線とは明らかに異なるサッカーを構築してきた尹晶煥監督の招聘。
ジェフの弱点は、チーム作りの一貫性の無さだと看破し、
そこから脱却を目指していたはずの高橋GMの考え方が、ここで変わったように映ります。
肝心のチーム作りの継続性について問う質問は、監督就任会見ではなく、決定の基準は分からないままです。
ジェフはこれまでも、監督選びの基準が不明確でした。
コミュニケーションを重視して日本人監督としたと説明した事もあれば、
日本人選手には外国人監督の権威がプラスに働くと説明した事もあり。
オシム監督時代のような走力を前面に出したサッカーを目指したかと思えば、
急に「アンチ・フットボール」と言われるような飛び道具を用いた、タテポンを志向したりする。
かと思えば、「ハイライン・ハイプレス」でロマンを前面に戦う。。。
強化責任者が変わっても、変わらなくても、監督選びの方針がまちまちで、「軸」が無い。
かつて、オシム監督の時代に掴みかけていたジェフのサッカーから、淀川元社長が決別を言い出し始まった迷走。
それを反省して、昔を懐かしんでは、お題目だけは「走る」を唱えてみても、伴っていない。
監督は毎年のように変わり、そのたびに、サッカーが変わり、適応できる選手を呼び寄せ、育てようとしない。
せっかくジェフを選んだ選手たちも、毎年のように変わるサッカーに適応しきれず、力を発揮できずチームを去っていく。。。
もう、この負の連鎖から、脱しなくてはならないと思います。
ジェフは、チームとして「軸」になるものを定めて、それを皆で共有して、守るようにならなくては。
社長が、GMが、監督が、選手が、サポが変わっても、変わらないチームとしての在り方を。
それを今こそ真剣に考えなくては、仮に尹晶煥監督がチームを立て直し、J1に復帰する事が出来たとしても、
監督が代わった時に、チームとして何を「軸」にして大事にするのかが分からなければ、
また、「たまたま」チームに合う監督に巡り会うまで、何年も低迷が訪れてしまうのではないでしょうか。
そうなってはいけない。
これまでの取り組みを振り返り、これから先に向けて、守るべき「軸」を共有すること。
それは、来季以降、チームが苦しい時にも、一丸となって耐えて戦うために、とても大切な事だと思います。
「共に戦う意識」が持てるように。
チームの「軸」、チーム作りの継続性、監督選びの基準、
しっかりとした説明が、チームから成される事を願います。
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