サッカーのある日常に思いを込めて 第32節 vs水戸ホーリーホック ○2-1
- 2019.09.18
- GAME REPORT
- 水戸ホーリーホック
2019/09/14(土)18:00
フクダ電子アリーナ
J2第32節
千葉 2(1-1,1-0)1 水戸
<得点>
31分 水戸 8前
39分 千葉 9クレーベ
30分 千葉 9クレーベ(PK)
中でも勇人。全盛期を髣髴とさせる動きで、フィールドの広い範囲をカバーし、ボールを刈り取る。
そして、刈り取ると両翼から崩しにかかる。
左は、為田と下平の二枚刃。
特に為田が普段以上に気持ちが乗りに乗っている。
右は、茶島が中に絞り、右SBのヨネが上がるスペースが、おあつらえ向きに空けられている。
左で崩していたかと思うと、一気に右へ切り替える。
フィールドを広く使い、攻撃面の良さは試合序盤から発揮できていた。
前線の小川も技術があって厄介な選手だが、右の福満、左の黒川も機を見て中に絞りながら攻撃に厚みを加えてくる。ボランチの前選手をはじめ、後方からの押し上げも抜かりが無く、連動性のある攻撃は、人数が多いような錯覚を受ける。
試合展開も、それを表す戦いになった。
手数を増やし、徐々に水戸を押し込むジェフは、25分過ぎから決定機を立て続けに作る。
直後、29分にも左クロスをクレーベの背後から飛び込んだ茶島がヘッド。
かろうじて、松井がはじく。立て続けに決定機。
さらに、30分にも、浩平→為田→下平と繋いで左クロス。クレーベがスルーしたところに、フリーで茶島。右足でシュートを放つも、当たり損ねてキーパーに難無くキャッチされる。
しかし、先制点の機運が高まってきたところで、水戸の速攻がジェフを襲った。
ただし、今日のジェフは先制されても、下を向かなかった。
ホームのジェフが押し込み、アウェイの水戸が受け止める。
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田生命J2リーグ 第32節
🆚 千葉vs水戸
🔢 1-1
⌚️ 39分
⚽️ クレーベ(千葉)#Jリーグ#千葉対水戸
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXumQp pic.twitter.com/9LSYTlKYTj— Jリーグ (@J_League) September 14, 2019
勝たなくてはならない水戸は、開始0分から決定機を作って、再びリードを奪いにかかってきた。
ジェフは、前半のようには前に出られなくなるが、57分。
クレーベが、右クロスに合わせようとするところ、マークについていたンドカ・ボニフェイスに倒され、PKを得る。これをキーパーの挙動を読みきったコロコロ弾で流し込んで、リードを奪う。
時折、左の為田を突破口にしてチャンスを作るものの、手元のメモには水戸の攻撃ばかりが増えていく。
水戸は、しっかりフィニッシュまで攻めきってくる。
対するジェフは、勇人を中心に、アンドリュー、浩平が、中盤でしっかりフィルタになる事が出来ていた。水戸を完全に自由にはさせない。あまり「気持ち」、「気持ち」と言うのも良くないけれども、守備のやり方自体は前節までと同じ問題を抱えながらも、ボールを持つ選手への寄せが厳しい。容易には前を向かせない。
膠着状態のまま時間が過ぎ、
普段のゲームだったら、後半15分を過ぎれば、足が完全に止まってしまうジェフだが、この日は崩れない。
涼しくなって来た気候のおかげもあるだろう。
この試合に賭ける気持ち、スタンドからの声援の後押しもあったろう。
後半30分を過ぎても、まだ足はなんとか動いている状態だった。
しかし、浩平をはじめ、限界は近くなっていた。
江尻監督は、交代をギリギリまで引っ張る。
86分に茶島に代えてゲリア。
89分には、浩平に代えて船山を投入。
最後の1枚、クレーベに代えて寿人。
勇人と寿人が左サイドでパスをかわし、時間を削りにかかる。
とにかく、勝ち点3が欲しい。
そして、すんでのところで、落してきた勝ち点があまりにも多い。
しかし、今日は。
選手達も、江尻監督も、必死に声をかけ、一つ一つのプレーを確実に、ミスの無いよう、集中して戦っていた。
アディショナルタイムが7分を過ぎ、まだか、まだかと誰もが思う中、ようやく笛が吹かれる。
その瞬間、ピッチに選手達は倒れこみ、フクアリは、本当に久しぶりの歓声に包まれた。
そして、試合が終わった後は、普段とは違う、特別な時間となった。
両チームの選手がピッチから去らない。
しばらくすると、両チームの選手が、「がんばろう千葉」のメッセージを掲げ、場内を一周して被災地への支援を呼びかけた。
改めてこの試合に来られなかったサポ、今も被害に苦しんでいるホームタウン、地元千葉、いや今回の台風で被害を受けた人たちへの思いを伝える為に。スタンドは、アメグレ。試合中や、試合後のアメグレは、特別な意味を持つ。ナビスコ決勝の延長戦の前、奇跡的に残留した試合後。
試合後も、昇格を争う大切な試合で敗れた後であったにも関わらず、セレモニーを受け容れてくれた。
心から、水戸ホーリーホック関係者の皆様には感謝したい。
ありがとうございました。
改めて、試合を振り返ると、戦い方自体は、ここ数試合と大きく変わったようには見えなかった。
失点を喰らったシーンのように、守備はボールや近くの選手しか見えていないし、容易にディフェンスラインの裏を狙われてしまうような隙もあった。
が、何が違ったか。
それはやはり「気持ち」だったと思う。
いくら戦術を練りこんでも、そこに魂が乗らなければ、戦いには勝てない。
勇人や、浩平のプレーは、年齢を感じさせないような運動量と激しさがあったし、為田の突破、茶島の飛び込みも、普段だったら安全策を選んで戻してしまうような場面で、迷い無くチャレンジし、五分五分のボールには身体ごと当たって、相手を潰す迫力があった。
そして、最後のフィニッシュは、「戦術クレーベ」。
水戸の「組織」を、クレーベの「個の力」で砕いてしまった。
「気持ち」と「個の力」が勝因だった。
失われていた自信を、やらなければならないと言う覚悟が上回って、プレーに責任感が戻っていた。
一つ一つのプレーの厳しさ、集中力が、勝利に繋がった。
そして、これは、前々から江尻監督が選手に求めていた姿勢だった。
自信を持ち、プレーに集中できれば、戦術の整備が不十分でも、ここまで戦える。
ポテンシャルの大きさを見せつつも、なら、なぜ今までの試合で出来なかったとも思う。
「気持ち」だけがその差なら、常に今日以上の戦いが出来るようにならなくてはならない。
状況は、まだまだ厳しい。
「気持ち」でも「個の力」でも、そして次は「組織」でも勝てるよう、
次の勝利に向けて、練りこんでいって欲しい。
フクアリには、やはり歓喜の声が良く似合う。
第32節終了 17位
(8勝10分14敗 勝ち点34 得点38 失点50 得失差-12)
残り10試合 J2順位表
-
前の記事
2019/09/02(月)-09/08(日) ジェフユナイテッド市原・千葉 Weekly News & Topics 2019.09.08
-
次の記事
2019/09/09(月)-09/15(日) ジェフユナイテッド市原・千葉 Weekly News & Topics 2019.09.20
コメントを書く