この勝ち点“1”を無駄にするな 第21節 vs徳島ヴォルティス △1-1

この勝ち点“1”を無駄にするな 第21節 vs徳島ヴォルティス △1-1

2019/07/07(日)18:00
鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム
J2第21節
徳島 1(0-1,1-0)1 千葉

<得点>
6分 千葉 10船山(PK)
60分 徳島 16渡井

ジェフ公式 試合結果
徳島公式 試合結果

DAZN観戦でした。
現地組の皆さん、苦しい試合展開にもかかわらず、最後の最後まで途切れる事のない応援、ありがとうございました。

タイトルにも書きましたが、この勝ち点1を無駄にしないこと。
この試合の意義は、これに尽きると思います。
不本意ながら、J2残留を目下の目的として戦うことになるだろう後半戦。
どんなに無様でも、勝ち点1でも必要になる戦いがある。
そんなとき、この勝ち点1は、とてつもなく重い意味を持つようになる。
その事を心に留めて、前向きに後半戦に臨みたいと、自分自身が奮い立てるよう、言い聞かせています。


この日のハイライトはスタメン。
意表を突いた、強化指定・見木選手のスタメン大抜擢。
そして試合が始まると、システムも4バックにチェンジしている事が明らかに。
4-5-1の布陣で、守りを立て直しつつ戦おうという意図が見えます。

試合は、早々に動き、ジェフは5分。
徳島のゴール前に殺到すると、後ろから抜け出てくる見木に、クレーベが絶妙なスルーパス。
飛び出した見木をGKが引っ掛けてPKを得ると、これを船山がコースを読まれながらも決めて、先制。期待の見木が早速仕事をし、幸先の良いスタートを切るも、、、

残りの時間は、ほとんど全て徳島のターン。
4バックにした事で、サイドのスペースは多少なりとも埋まっているものの、組織で守り、攻撃を組み立てる事が一切出来ない。相変わらず、プレスが連動せず、単発単発で、ボールホルダーの近くにいる選手が寄せてるだけ。
徳島の選手は、悠々とボールを回し、左右中央、セットプレー、あらゆる手段で攻め込んでくる。
それを、ただただ跳ね返しては、また攻められるの繰り返し。

前半のジェフの攻撃はと言えば、
33分に船山のFKのこぼれ球に、ゲリアが中距離からシュートを放つもブロック。
このプレーで得たCKを、増嶋が頭で合わせた、くらい。

とにかく、ボールが繋げない。
形が作れない。
パス成功率が低いのは、ミスパスと言うより、受け手が居ない場所にただクリアしているだけ。

後半に入っても、更に前がかりになる徳島の攻撃をまともに受け止めて、カウンターすら仕掛けられない。作戦として、相手に攻めさせて、罠に嵌めていると言うのなら良いけれど、ただただ殴られっぱなし。
手元のノートにも、徳島の攻撃だけがカウントされてゆきます。

圧倒的劣勢の中で、輝きを見せたのが、鈴木椋大選手の1対1の強さ。
51分、68分には、佐藤晃大との1対1を見事に防ぎきり、その他の場面でも、クロスを冷静に処理し、或いは、ディフェンスラインの裏を狙ってくるボールを飛び出してクリアしたりと、八面六臂の活躍。

ただ、その鈴木椋大選手の活躍をもってしても、60分の右からの崩しに、中央で合わせられた交代出場、渡井理己選手のシュートだけは防ぐ事は出来ず。さすがにこれだけ一方的に攻められては、いつか決壊するのは目に見えていました。
残り時間30分を残して同点に追いつかれ、その後もとにかく、ただただ耐え凌ぐだけ。

スポナビのスタッツは、最終的に

徳島71% 対 千葉29%

と言う有様。

徳島からすれば、「なんでこんだけ攻めてるのに点が入らないんだ」と言う不条理。
攻めても、攻めても、点が入らずに、徐々に焦って、遠目からのシュートが増えたり、クロスが雑になって、決定的なシュートは、そこまで多くなかった印象。

徳島のシュート数19本に対して、枠内が5本と言う数字に、それが表れているのでは。

ジェフも、旭、アラン、小島を投入するも、大勢には影響なく、攻められっぱなし。
唯一といって良い攻撃の時間帯は、76から80分くらいにかけて、左からの為田の突破を基点に、旭からのサイドチェンジや、勇人のカットが幾つか連動したシーンくらい。
為田の左クロスに合わせた船山のシュートも、船山のCKに合わせたアランのヘッドも得点には至らず。

アディショナルタイムを含め、残り10分と言うところで清武が登場。
すると、ロングスローとコーナーキックを幾度と無く左右から放り込まれ、止めを刺されそうになるも、何とか、時間を味方につけて、1-1のドローで逃げ切り。

ダメージ的には、徳島も相当大きい試合になったのでは。

試合後の江尻監督のインタビューの表情を見るまでもなく、相手に良いようにやられてしまった試合。課題を挙げれば数限りないし、このままで良いはずもない。

ただ、ここまで四連勝中の相手に、18位のチームがアウェイで勝ち点1を奪ったという結果は大きい。
最初にも書いたように、残留と言う目標には、どんな形でも勝ち点が必要だ。

それに、
見木選手デビューし、PKを奪取した。
そのPKを船山がしっかりと決めた。
鈴木椋大もナイスセーブを連発。
守備陣も最後まで身体を張り続けた。

勝ち点1を掴んだのは、偶然ではなく、苦しい状況でもやるべき事をやったからだ。
その事については、自信を持って良いと思う。

一方、試合の主導権を掴めない現状はストレスが溜まる。
個々の頑張りはあるけれども、組織としての機能的な美しさが全く無い。

が、数試合前までは、そのきっかけを掴みかけていた。
岐阜戦、東京V戦、長崎戦の三連戦だ。

長崎戦で大敗した事で、その修正を図ろうとした結果、チーム全体が戦い方に迷いを生じてしまっているように思う。けれども、基本的にやりたいサッカーは、この3試合で見せたような、攻撃でまず先手を奪うサッカーなのだと思う。江尻監督が、エスナイデル前監督の良い部分は、継承していくと常々話している通りに。

リスクあるサッカーの、リスク管理をどうするか、バランスをどう取るのかで行き詰ってしまったのがエスナイデル前監督で、江尻監督も早回しで同じ問題に突き当たってしまった。

ちょうど、今日は、第4節・水戸戦と同じようなゲーム展開だった。
負けが込んだあと、何とか勝ち点だけを奪おうとした、あの試合と。

そこに、また戻ってしまうのでは意味が無い。
ただ失敗を繰り返しているだけになってしまう。
江尻監督は、自分達がどう言うサッカーをやりたかったのか、その良さを生かすにはどうすればいいか、そのリスクをヘッジするには、どんな約束事を選手に守らせる必要があるのか、その事をしっかり考えて、後半戦に臨んで欲しい。
江尻監督は、エスナイデル前監督じゃない。
江尻監督が、この10年間、きっと考えていただろう、「あるべきジェフの姿」、それをピッチに描き出して欲しい。チームを引き継いだときから背水の陣なんだ、好きにやれば良いじゃないか、エジさん。

迷いに迷ったとき、往々にして解決策は前にあるもの。
苦しくても、前に出て戦うことが、現状を打開すると、選手達を走らせて欲しい。
そう言う勇気を、我々サポーターも後押しするのだから。