奮い立て。リーグ戦で生き残る為に。 天皇杯2回戦 vs岡山 ●0-3
- 2019.07.04
- GAME REPORT
- ファジアーノ岡山, 天皇杯
2019/07/03(水)19:00
フクダ電子アリーナ
天皇杯2回戦
千葉 0(0-1,0-2)3 岡山
<得点>
45+2分 岡山 5増田
70分 岡山 32福元
90+5分 岡山 30武田
会社を定時で無理やり抜けて地下鉄に乗り、
東京駅の京葉線ホームまでダッシュして、
18時30分発の「さざなみ3号」に飛び乗り、
蘇我に着いたらまた駅からフクアリまでダッシュ。
それが、平日のナイトゲームへ向かう定番コース。
前半10分過ぎに、ようやくフクアリへ到着。
聴こえてくる応援と、歓声に急かされながら階段を駆け上がると、
まばゆい緑のピッチが飛び込んでくる。
まだ0-0、ゲームは動いていない。
急いで、コンコースで寿人のレプリカに着替え、
ゴール裏、最前列に駆け下りて合流。
仲間に話を聞くと、ベラスケスが思いの外、良いらしい。
フィードが蹴れるし、スピードも当たりも悪くないと。
コールは「ウィリー」。
いつものジェフとは違い、最初の15分は、縦ポンが多かったそうだ。
炭酸で喉を潤して、こちらも試合に向き合う。
・・・リーグ戦の半ばの水曜日開催のこのゲーム。
江尻監督は、若手を用いたテストではなく、『苦しい状況で誰が使えるのかを見極める』目的をもって、このゲームに挑んだ。昨今の練習試合がそうだが、これがトップチームだと言われても、なんらおかしくないメンバーが並ぶ。
それだけ、ジェフの選手層が厚いとも言えるし、それにも関わらず、とも言える。
ゲームに戻ると、展開は一進一退。
たしかに、言われた通り、普段よりも縦に速い感じがする。
右のウィリーや、マサキから、早めに前線中央のアランや堀米、浩平にボールが届けられる。一瞬、決定機か!?となるが、岡山もそこは最後の詰めを厳しくしてシュートコースを塞ぐ。
あと一歩で決定機、と言うところまで運ぶものの、
寄せられて、戻して、少し遠目から、崩しきれずにシュート、といったシーンが続く。
岡山は、そう言うジェフに対してしっかり守りを固め、
ミスを待ってカウンターを狙う、アウェイの定石ともいえるような戦略。
ただ、試合の趨勢はどちらかに傾いているという感じではなく、このまま前半が終了かと思いつつあった時間帯に、岡山がラッシュを仕掛けてきた。
まず、右を守るウィリーの裏を完全に突破。フリーでボールを受け、持ち替えてシュートを振りぬく。完全に1失点モノだったが、これはバーに当たって事無きを得る。
が、その直後も右を深々と突破されてクロスを上げられると、自分からは見えなかったが、ハンドっぽいプレーがあったらしく、岡山の選手達が抗議。が、これも認められず、コーナーキックに。
二度、命拾いしながら、三度目のこのピンチを、ズドンと叩き込まれてしまう。
背の高い選手が揃いながら、頭で、ものの見事にやられてしまった。
このプレーで前半が終了。
後半に入ると、点を獲らなければ敗退のジェフが攻勢をかける。
まず、先陣を切ったのはマサキで、右からパス交換で抜け出ると、キーパーと完全に1対1に。しかし、これを決めきれずに、サイドネット。
ここまで上がっていた事を賞賛すべきプレーだけれども、もしも決まっていたら、試合の流れを大きく変える1点になっていただろう。
さらに、その数分後には、旭が強烈なミドルシュートを見舞う。
枠には入っていたが、キーパーのファインセーブに阻まれてしまう。
この日のジェフは、シュートは積極的に撃っていた。記録上も18本。
決定機といえるものも多かったが、決められなかったのは、DFの粘りもさることながら、このキーパー・金山隼樹選手のファインセーブ連発によるものが大きい。
長崎で活躍して、札幌に引っこ抜かれた過去を持ち、当時のイメージが鮮烈。
往時と変わらぬ素晴らしいセービングで、この日のジェフは封殺されることに。
その後も、攻勢を仕掛けるも、ゴールは奪えず。
ベラスケスがドリブルで相手をかわしながら中央突破をはかり、スタンドが沸くシーンも。
状況の打開のために、船山がコールされたところで、ジェフが再び攻勢。
最後は、最後尾からエベルトが攻め上がって、ボールを押し込もうとするも合わせられず。
このチャレンジ自体は悪くなかったのだけれども、そこから岡山のカウンター。
エベルトの上がったスペースのカバーに誰もおらず、お手本のようなカウンターで0-2に。
ここで船山が入るものの、2点差にされた後とは何ともタイミングが悪い。
交代させたのが堀米。
体力的に厳しかったのかもしれないけれども、個人で打開できる貴重なアクセントになっていた選手が抜けて、攻撃の形が見えにくくなる。
とにかく2点を奪わなければいけないジェフだったけれども、江尻監督の交代策は、旭に代えて為田、ベラスケスに代えて安田。そしてシステムを4バック=4-2-3-1へとシフトする事だった。
が、これでは、一か八かの特攻布陣と言うような、捨て身の迫力は醸し出せず。
得点が必要な場面にも関わらず、切り札・寿人も使わず、不完全燃焼感が残る事に。
2点差なんだ、カップ戦なんだと、こちらが焦っているというのに。
なんだか、何が何でも勝つという悲痛さが伝わって来ない。
ロスタイムのフリーキックも時間をかけすぎで、挙句、金山選手のスーパーセーブ2連発に阻まれ。そこからまた、ラストプレーでカウンターを喰らって、0-3と突き放されるおまけつき。
攻めなきゃ負ける場面だったので、守られて、カウンターを喰らうのは仕方ないんですが、それにしても「2点」を奪いに行く心意気を最後まで見せて欲しかったなあ。
またもホームで大敗。
スタンドからは、ブーイングや、野次もほとんどなく、サポーターも、挨拶に来た選手達も、どうしたもんだか。。。と言う、困りきった空気だけが、じめじめと、そして汗が冷めて少しひんやりとしはじめた、静かになりつつあるフクアリの中に漂っていました。
天皇杯敗退、ホームで0-3ですから、もちろん良くは無いんですが。
良かった点を挙げるなら、一つは攻撃面。
金山選手が固かったので、ゴールは奪えませんでしたが、前を固められて打開できないとき、旭や、浩平が鋭いミドルでアクセントをつけていました。堀米も、カットインから何度もシュートを窺う積極性を見せ、マサキの右からの攻撃参加も、タイミングの良いパス交換から。浩平もパスで持ち味を発揮。
2失点目の原因になったとは言え、エベルトの攻撃参加も、定石を外して、相手の意表を突く勇気のあるプレーだったと思います。
また、ベラスケスも、1対1であれば守備の強さを見せましたし、かつてのイリアンのような、迫力ある後方からのオーバーラップも積極果敢に仕掛けたり、持ち味を見せていました。監督の言うとおり、「リーグ戦でも十分に使える可能性が出てきた」のでは。
反面、課題として感じてしまうのは、やはり守備面。
メンバーが変わっても、エスナイデル監督末期のようなカウンターからの失点をしてしまうのは、守備でのルール付けがいまだされていないことの裏づけ。
そして、一朝一夕にはどうにもならないスタミナの不足。運動量の少なさ。
ボールを持っている選手以外が、あんまりにも動いていなくて、プレーが読まれてしまいがち。
時間のかかる課題と、次節からでも改善できる課題がそれぞれあります。
整理して、次節以降に臨んで欲しいと思います。
天皇杯は早々に終わってしまったけれど、リーグ戦はまだ半分残っています。
厳しい状況ではあるけれど、ここで下を向いてしまっては、最悪の事態にもなりかねません。
江尻監督が試合後に語ったように、リーグ戦で戦える選手のヒントを得る事だけは出来たのでは。
課題と向き合い、良かった部分に希望を見出し、
自らを奮い立たせ、リーグ戦に集中して欲しいと思います。
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