8/12(木)、お盆休みに入り時間もあった事から、横浜・F・マリノスの東戸塚練習場を見学に行って来た。高速を下りて、ナビに従って進んでいくと市街地から少し離れただけなのに、かなり山の中と言う雰囲気の場所に練習場はあった。近くにはゴルフ場があり、ホテルや産業廃棄物の山なども。以前見た、鹿島の練習場を想像して行ってしまったからか、雰囲気的にはどちらかと言うと鹿島より姉崎に近い感じだった。
適当な場所にクルマを停めて練習場に入ろうとすると、「祝ステージ3連覇」の横断幕が飾られていた。その強さの一端が少しでも分かればいいのだが。
練習場はかなりいびつな形。姉崎よりは広いのだろうが、かといって2面分のグラウンドがしっかりと区切られて居る訳ではなく、たぶん姉崎と同じように日によってゴールの位置をずらしたりしているのではないだろうか?グラウンドには、早々とハーフナーGKコーチが出て、体を温めている。
練習場の観客席は、柵の最前列におかれたベンチと、芝生の斜面に段差をつけたもの。一番高い場所に、バスの停留所のような屋根つきの場所もある。猛暑にもかかわらず、次々とファンが訪れ、思い思いに練習を眺めていた。人数にすると、100人くらいか?お盆時とは言え、平日なのにたいした人数だ。子供を連れた家族多数、さらに選手ファンと思しき女性ファン。
しばらくして、選手達が入って来る。
クラブハウス側と見学ゾーンは丁度反対側なので、選手達は双眼鏡を使わないと判別できない。まぁ、それでも中澤とドゥトラぐらいはすぐに判ったが。岡田監督もメガネがあるので判別しやすい。
久々に見る、永輔や下川の姿。その他、錚々たるマリノス選手が並んでいる。
定刻の10:00、ここから延々15分間は柔軟。選手全員で入念にやる。元ジェフの池田フィジコのメニューだろうか。そのあと、円になって中の選手に獲られないようにボールを回す遊びのようなものを混ぜ、軽いジョグもこなしながら本格的にボールを使った練習に入る。
10:30からボール回し。
三組に分け、そのうち二組がボール回し。残りの組ははシュート練習に取り組む。フリーマンらしい選手を両サイドに置いて中の組がボールを回しあう。フリーマンは、渡された組へボールを戻す。市原でも似たような練習は見かける、オーソドックスなものだ。
選手達を確認するが、別メらしい選手は先日のレッジーナ戦で鼻骨骨折をした栗原ぐらい。久保やアン・ジョンファンも健在で、奥・坂田・松田らも軽快な動きを見せている。その中に永輔も混じってプレー。
1STでも対戦しているし、雑誌やTVも見ているので頭では理解していたんだが、改めてこうしてマリノスに馴染んでプレーしている姿を見ると。寂しさと安心が半々と言った複雑な気持ちになった。なんとなく、見れば分かる永輔らしい動きでフリーマンの役を精力的にこなしていた。
10:50、場所を観客席から遠い場所に移して、ハーフコートの攻守練習。
攻撃陣/守備陣に分かれて、局面を想定した練習を行う。
さらに11:10からは、細かくグループ分けして7対7のミニゲームで調整する。
そうしている間、ゴールキーパー陣の前には余っている選手がシュート練習に来るのだが、各人のシュートが上手い。久保やアンは、強く蹴るよりもある程度コースを確かめているような撃ち方なのだが、その他の選手は抑えた、早いボールをガシガシ打ち込んでくる。ちゃんと、枠に収まって威力もある。
単純にシュート練習を真横から観る事が少ないからだけかも知れないが、「上手いもんだなぁ」と思わず魅入ってしまった。今の市原に比べたら、技術、そして集中力がシュート練習一つにとっても差がある。
崔龍洙が居た、去年までのシュート練習はそう言えばもっと緊張感があったものだが。
そのシュートを受ける下さん。
なんだかだいぶ体も絞れて、好調そうに見えた。キーパー練習は、ハーフナーコーチのリアクションがいちいちデカイので面白い。キーパーが止めれば「イイネ!」決まれば「イエス!」と言ってガッツポーズ。やってる選手を乗せるのが上手い。ファンからも思わず笑いの出る、厳しいながらにも楽しさのあるシュート練習だった。
そうこうしているうちに、11:30過ぎに練習は終了。
終了時刻に席を外していたのだが、そうしたら終わった途端に見学ゾーンから子供や女の子がウワーッとサインとかが貰えるゾーンにダッシュで大移動。マリノスの場合、クラブハウスの周辺は完全に立ち入り禁止。スタッフも警備している。
柵で区切られた一部のゾーンに選手が来てくれればサインを貰えると言う形式だ。これが一般的なのだろうが、姉崎が慣れている自分にはサイン一つにずいぶん大変なんだなと言う思いが。それにしても、狭いゾーンに人が集められるので密度が高い。
真っ先にファン対応を始めたのは岡田監督。一人一人丁寧に、サインや写真に応えていく。オシム監督もそうだが、こう言うファンに対する真摯な姿勢を率先して見せられるのは、監督としての資質の一つではないかと思った。
そう、監督だけにやらせているわけに選手達はいかなくなる。榎本達、ドゥトラ、中澤、田中隼らが次々とやってきてはファンにサインを行っている。驚いたのは、ファンたちの様子。選手達が姿を見せると、「ウワーッ」「キャーッ」と大歓声。遠くに居る選手は「中澤選手ー!サイン下さい!!」と子供達が呼んでいる。こう言う雰囲気なのか、マリノスは・・・。
だから尚更、市原や千葉の地元のファンになりかけの人たちには姉崎を知って貰いたいと思ったものだ。
建物の中身の充実度は分からないが、クラブハウスも練習場も、東戸塚は設備的には姉崎と意外なほど大差は無かった。むしろ、グッズがその場で買えたり選手との距離が近い分、姉崎の方がファンには良いくらいだ。
だけれども、そこで感じたのは選手やクラブとしての練習に対する集中力。
市原が決して劣っている云々ではなく、短い練習の中にも、レベルの高い選手達が緊張感を持って競争を日々行っている。そんな空気が伝わって来た。
姉崎を見ていて思う、声の小ささや遠慮もここには無かった。監督の指導を如何にモノにしていくかも選手の集中力であると思う。いちど、市原の若手選手もこう言う別の空気を感じたら、取り組みが変わるんじゃないかと思えた。
・・・さて、そんな事を考えつつ。
クルマは横浜国際のヨコを抜けアクアラインへ。18:00からの練習を見るために、今度は姉崎へと向かった。