市原雑感記

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練習見学雑感記・8月10日(日) 2003年8月10日(日)22時59分17秒 deletemodify

■台風一過の姉崎。1STが随分前に感じる。
炎天下の中、息つく暇も無く来週から始まる2NDステージに向けて、チームはいつものように厳しい練習に励んでいた。この日は、午後から秋津でサテライトのゲームがあるため、そこに出場する選手たちは20分ほどで早々に練習を終了する。

残った選手達は、オールスターに出場した3人を除く現時点での「絶対的なレギュラー」とゴールキーパー陣、そして調整中の選手たちだ。ちなみに、別メ組はメグさん、タクト、楽山、巻、羽生と言う面々。メグさんはまだ時間がかかりそうだが、その他の選手達は怪我というよりも「調整」と言った雰囲気。かなり厳しい走り込みも行なっていて、すぐにも通常メニューに復帰しそうな感じだ。

グラウンドには、ジェレ・茶野・斎藤・村井・坂本・サンドロ。
その後ろでは、トンスがGK陣の練習に付き合わされている。



まずはボール回し。わりと広くエリアを取って、2人が鬼になって4人がボールを回す。このときボールは2つ。判断力を養う練習だ。
次にボールを一つにして、さらにエリアを狭くして、もっと狭くして外野にボール出しをするコーチを付けて・・・と、どんどん状況を厳しくして反復練習。その間、監督は(ここしかないから)付きっきり。「サカ!サカ!」「チャーボ!チャーボ!」と声が飛ぶ。やってる選手はてんてこ舞い。水を被りながら「カーっ!!」とか声にならない声を挙げてボールを追っている。

この練習が一息つくと、ポイントを2列に並べてダッシュ練習。でも、ただのダッシュじゃない。1対1で、相手を見ながらポイント毎に緩急をつけて、そしてフェイントをかけて、相手を振り切るようにダッシュを続ける。
試合の中での1対1駆け引きが目に浮かぶようだ。。。にしても辛い練習。ここまでで、約1時間。

ここからGKを付け、攻守を分けてハーフコートの練習。
攻撃はサンドロ・坂本・村井にプラスして、トンスにエジさん。
守備はジェレ・茶野・斎藤。
「両翼」を使う事に主眼が置かれている。クロスの上げ方、クロスへの対応。最初は、単純にサイドから上げるだけだが、しばらくすると、中央から一旦ボールをセンターサークルに戻し、それとは別のボールがサイドから出て反転して一気に攻撃にかかる。高い位置からのプレスでボールを奪って、カウンターに入る、その一連の動作だ。ひたすらにこの動作を繰り返す。トンスが、なかなか良いボレーを決めたりしているが、だいぶ選手達の息が上がっている。ジェレがかなり苦しそうで、水を絶えず飲んでいる。

そんな中でも、相変わらず監督は長袖長ズボンのジャージ姿だ。
11時半過ぎ、ようやく今日の練習が終わったとこで、監督に「その服、暑くないですか?」って聞いてみたが?しれっと「そんな事無い、涼しいよ?」とかわされてしまった。いや、確かにそんなに汗だくな感じはしないんだが・・・暑いでしょ?ホントは(汗


監督や、他の選手たちがクラブハウスに戻っても、調整組は淡々とランニングを続ける。
いつもは練習中に笑いの絶えない羽生も、口を真一文字にしてぐっと力をこめて走り続ける。巻も、最後まで島村さんと小さなボールを使ってシュート練習に励んでいた。
残り一週間。それぞれの緊張感が姉崎には漂っていた。


P.S.14時からのミッシェルさんのトークショー@サンプラザに行って来た。
観客は50〜60人くらい。司会は日々野真里さん。16時からのサテライトに間に合わなくなるので、30分ほどしか見聞き出来なかったが・・・(被せないでくれよ、ホントに日程は・・・。)昔の映像がたくさん流れて、ずいぶん懐かしさがあった。昔の臨海はあんなに人が入ったんだよな・・・とか。移籍がまだまだ心象が良くなかった時代、佐々木雅尚さんと一緒に市原に戻ってきた裏話や、その他なかなかwebには書けないような話まで。
 最後まで聞いて居たかったが、心の中で謝って秋津へ・・・。

1STステージのちょっとした総括 2003年8月10日(日)2時21分16秒 deletemodify

■市原のサッカーに関しては、さんざサッカー誌が書いてくれたもので、それ以外の部分での総括を。
 この1stステージの持つ意味で大きかったのは以下の3点。
1.結果が伴った事で、やろうとするサッカーの方向性をハッキリする事が出来たこと。
2.世代交代が進んだこと。
3.観る側が楽しいと思えるようになったこと。

1.結果が伴った事で、やろうとするサッカーの方向性をハッキリする事が出来たこと。

 厳しい練習に結果が伴った事で、自分たちのサッカーに対してこれまでに無い自信を選手たちが持てるようになったこと。それが一番大きな変化だった。この変化は01年にベルデニック元監督がチームを躍進に導いた時に似ている。終盤戦でチームが見せた「脆さ」でも明らかなように、選手の精神面がプレーに与える影響は極めて大きい。
 選手のコメントの中にも「自分たちのサッカーをすれば勝てる」と言う言葉が幾度と出て来た。これは、残留戦線の頃のチームではまず無い事で、それだけ普段の練習の量と質に自信を持っていると言う事だろう。この「意識改革」を行なえた事が、オシム監督の最大の功績と言っても過言では無いのではないだろうか。練習内容も、走力ばかりがクローズアップされがちだが、常に「理解」「判断」が必要な実戦の局面を想定したものばかりで、練習がダイレクトに試合に活かされている。練習が自信を生み、結果が確信を生む。その好循環が快進撃に繋がった。
 さらに、優勝争いと敗北の経験がもう一段高い精神力が必要だと言う事を選手全員に植え付けた。監督曰く「勝利者のメンタリティー」が本当に身に付けば、2ndこそは「優勝」に手が届くかも知れない。

2.世代交代が進んだこと。

まさか武藤がチームを離れる事になるとは。されに長谷部が7月でチームを去り、立石も第2GK安泰では無くなった。大柴・吉田が怪我で離れても戦力は落ちず、永輔すら絶対の存在では無くなった。
チーム内での競争の激化。監督の「走れる選手を使う」と言う考え方が、チーム内に上下関係の無い競争を生んでいみ、それがスムーズな世代交代に結びついている。今季が始まる前の一つのテーマとして、「73年組」に依存した戦力から、どうやって脱却するかと言う事があった。「73年組」とは、即ち、永輔・崔龍洙を筆頭に、大柴・武藤・吉田・望月と言った選手たちだ。
序盤戦こそ、昨年を踏襲したスタメンだったが、第3節・神戸戦の惨敗を機に、大柴→羽生、武藤→勇人に選手が入れ代わる。これが見事にハマった。前線を自在に動き回る羽生は、追い回し役だけでなくシャドーとしても機能。次々に得点も記録し、チームに流れを呼び込んだ。さらに勇人も、守備的MFの役回りながら前線への積極的な関与で、攻撃に好リズムをもたらした。「勇人が目立てば市原は調子が良い証拠だ」と言われたほど。さらに、同期の阿部とのコンビも冴えた。
この二人以外にも、山岸が右WBとして出場機会を増やした。正直、まだまだ積極性で物足りないが、初得点も記録して自信を付けつつある。また、ナビスコ杯では多くの選手が公式戦を経験。それぞれに足がかりをつかんでいる。

2ndでは、大柴・吉田の復帰、また永輔や望月の巻き返しもあるだろう。
その中で彼らを押し退けてポジションを奪えた時に、本当の意味での世代交代が起こるのだろう。(逆に、監督の求める走力・判断力・連帯力を身に付けられなかった選手は、今季後に容赦なく切られるかもしれないが)

3.観る側が楽しいと思えるようになったこと。

今季が始まる前に、サッカーダイジェスト誌上で監督が述べたコメント「市原は市原のサッカーをやる」「『自分たちのチームだ』と胸を張ってスタジアムに足を運ぶ」この2つが成されつつある。
チームが観る側にとって面白いサッカーをする事で、初めてスタジアムに足を運んだ友人や家族が「また来たい」と言ってくれるようになった。そして、最後の5試合はAWAYの柏戦・磐田戦・清水戦にも関わらず多くの観客がチームをサポートし、最終戦では3万の観衆の約半分が市原サポーターだった。その前で、精一杯のプレーをした事で、2ndはもっと多くの観客がスタジアムに来てくれるだろう。
3月18日に広域化を果たしたチームにとって、経営基盤を安定させるための観客増加は必須命題。もう一度観客が集められる基盤が、プレーでも応援でも出来つつあるのは、これからに向けての好材料だ。後は、優勝争いで注目されたサッカーを続け、結果を出せるか。そうなれば、すぐにではなくても自ずと観客も増えて来るだろう。



・・・1stのMVPを挙げるなら、オシム監督。
最初からただならぬ雰囲気のある人だったが、ここまで人間的に魅力のある人とは思わなかった。メディアの方が既に魅了されている感はあるが(笑)レアルからも誘いがあったと記事があるくらいだが、その人が日本の片田舎で「非常に興味深い」と指揮をとってくれている。正直、監督がどれだけ日本に居てくれるのかは分からないが、監督と一緒に戦える一分一秒を無駄にしないで欲しい。
願わくば、出来るだけ長い間このチームの指揮を執って、市原と言うチームの揺らぐ事の無い基礎を作り上げて欲しい。

名古屋・ベルデニック監督解任 2003年8月1日(金)12時30分37秒 deletemodify

■ベルデニック監督の解任は改めて、名古屋グランパスと言うチームの理不尽さを感じさせ、悲しい気持ちになる。さらに言うなら、こうして彼が監督職を解かれだろうことも、名古屋と言うチームがどう言う運営を行ってきたかを顧みれば就任時点で想像が出来ていた。
 少なくとも、市原における同監督は2000年末の混乱の中にあっても、自分の信念を曲げずに必要な戦力の吟味を行い、そして開幕前から降格の最右翼と言われた2001年のチームを躍進と言う形で終えて見せた。今、優勝争いにも顔を出せるまでになったチームのベースを作った一人は彼であり、かつて我々はベルデニック監督の下でのさらなる躍進に胸を躍らせ、そして夢半ばにして彼がチームを去った時にどれほどの悲嘆に暮れたことか。
 また、インタビューで見せる彼の明快な分析も考えさせられるものが多く、今でも“監督として”一流の素晴らしい人だったと思う。

 市原を捨てたのは元監督のプロとしての判断であり、それをとやかく言うつもりは今は毛頭無いが、そうまでして奪っていった監督を容易く切る名古屋の姿勢が全く解せない。名古屋の心象が悪くなるのは構わないが、日本のクラブチームがそうしたチームばかりだと思われるのは心外だ。
 同種の事を繰り返す限り、名古屋は一番上に立つことは出来ないだろう。そして、そんなチームに市原は負けてはならない。果たして名古屋サポーターは、フロントによって繰り返される状況をどのように観て感じているのだろうか。一貫した方針と、クラブに所属してくれた選手・監督・スタッフたちとの出会いを大切にする事が、どのクラブにとっても愛されるクラブとなる為の第一歩だと思うのだが、いかがだろうか。

 こう書いても、名古屋サポは「不人気チームが何を言うか」とおっしゃるかも知れないが、少なくとも自分は数は少ないながらにも自分のクラブを心から愛せる状況にある今の市原が、たまらなく好きだ。

7/19(土)・磐田戦前日練習 2003年7月19日(土)18時30分55秒 deletemodify

■磐田戦を前日に控えた姉崎。普段より少し報道陣と観客が多いものの普段どおりの週末だ。選手のコンディションが何かと心配されたが、どうやらほぼベストで臨む事が出来そう。阿部も、勇人も、ジェレも、元気に通常のメニューをこなしている。

 選手の表情も、パッと見はとりたてて緊張した様子も無い。本当にいつも通りに阿部と坂本がふざけてボール遊びなんかをしてリラックスしている。
 コーチ陣が練習場に姿を表し、軽いボール回しが始まる。5〜6人の少ないグループでシンプルにパスを回して行く。体がほぐれて来た頃に、のそりと監督が登場。すぐにコーチ陣が集まりボードを片手に監督の意思を確認する。ほどなく、変則的なゲームが始まる。12対12に攻撃側に荷担する2名のフリーマンをつけたゲーム。出し所は多いが、ショートパスを正確に繋がなくては、ゴール前までは運べない。磐田相手にも一歩も引くつもりは無いらしい。普段着のサッカーで行くようだ。
 崔龍洙、サンドロ、羽生の攻撃陣が確かめるような感じでコース狙いのシュートを当てていく。守りでも、茶野・斎藤がしっかりと林・巻ら控え組みの攻撃陣を潰していく。阿部・勇人も問題は無く熱の入った最終調整が続く。明日のスタメンは、皆が考えるそれになりそうだ。この状態で戦えるなら一片の悔いも無い。

 練習が終わり、円陣の中で明日の遠征メンバーが発表されているようだ。
 輪が解け、阿部・坂本がFKの最終練習。柔和だった選手の表情も引き締まり、櫛野や崔龍洙はファンをかき分けて足早にクラブハウスに姿を消す。
 さぁ、明日だ。先は見ずに、この一戦。泥臭く勝とう。

練習見学雑感記・6月22日(日) 2003年6月22日(日)23時3分21秒 deletemodify

梅雨の晴れ間がのぞき、ものすごい暑さになった姉崎。・・・観ている方も暑いのだが、ピッチの方では、それこそ吐きそうなメニューが今日も続いていた。

崔龍洙も合流して不在は、ツーロンに遠征しているGKの岡本のみ。まず、軽いパス回しの練習でウォーミングアップ(頭も、体も)、それからが強烈だった。一言で言えば「ダッシュ」なのだが、チームを4つに分けて等間隔に長方形のピッチの各辺に配置、30秒間全力ダッシュしてジョグ。また合図で30秒間全力ダッシュ・・・と言うのをたしか4本くらい。これが、さらに次は20秒間に。10秒間に・・・と時間間隔を狭めて立て続けに行なう。
先週から今週にかけて、6日間で24本12試合分(もちろん午前練習アリ)と言う殺人的メニューを課しているのに、まだ追い込むか・・・と言う感じ。この練習の後半で、さすがの羽生がバテて遅れ始めると言う珍しい光景まで現れていた。給水のシーンでは、もはや笑うしかないと言う雰囲気の選手と、一点を見つめて呆然と何も考えていないと言う様子の選手が半々と言った感じ。
その後ろでは、監督とコーチ陣が、戦術ボードを掲げながら、あーだこーだと練習内容の確認を行なっている。



「・・・次はナンだよ・・・」と言う感じの選手たち。しかし、さすがに最近は慣れて来たのか、もう為すがままの雰囲気。

すると、次は選手を3組に分けた。
1.FW+DF
2.ボランチ+TOP下
3.サイドアタッカー

1、2、の組に関しては奥の方で練習していたので正直何をやっていたのか、よく分からない。
目の前でやっていたのは、3の組。坂本・村井・永輔・山岸・楽山・金位漫・拓土・野本のグループ。ここのグループには、監督がついて大きな身振り手振りと、大きな声で指示を送っていた。
・・・練習内容としては、サイドで攻め上がる際に内側の選手とのワンツーを使ってマーカーを外すプレーや、フリーになってボールを受ける為の練習。ちょうど、ピッチのサイドラインを使って、「端から端まで動けよ!」と言う感じに指示が出ている。一通り指示を出して、動きの例を示したところで監督は別グループの視察?へ。
なかなか何をどうやるんだか分からず、選手の間からは「???」が出ている。・・・これまでなら、ここでタラタラと「分からないです」流してしまうようなところだが、永輔・坂本・金位漫ら、指示を出せるメンバーが固まっているグループだけあって、いろいろ試行錯誤をしながら練習をしようとしている。そして、何より声が出ている。
このへん、考えて練習しようと言う「自主性」が出てくるあたりは、好き勝手だった去年・言われるがままだった一昨年と違うところ。自ら頭を使っている。



・・・また監督が戻ってきて。「違う違う!」と言う感じで、指示を飛ばす。また選手が、右へ左へ。だんだん、サマになって来る。
監督の身振り・手振りと・指示と、それに対する選手の対応が面白すぎる。

そんなこんなで。
今日も散々走って練習終了。よくも大きな怪我人も無く、ここまでやっている。選手たちも、観念したのか愚痴は言っても、よくついて来ている。恐らくは、どこよりも練習をしていると言う自負が、選手達の中にはあるだろう。

残りあと、10日ほどでナビスコ杯。
これからはコンディションを整えて戦闘モードだ。さて、誰が試合に出るのか?

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zakkan v.1.01