臨時サポコミ後、17時からのトレーニングマッチ。
先月29日の練習再開後、休む間もなく試合・試合と続く日々は選手にとってはかなりハードなものだろう。加えて、この一連の騒動。選手自身にも不安な気持ちや胸の内の苦しさがあっても不思議ではない。
・・・その心配が、前半はものの見事に当てはまってしまう。
千葉5(2−2、3−1)3東洋大学
【得点者】
前半33分:金東秀(こぼれ球をループシュート)
前半42分:青木(ペナルティエリア左から竹田→金東秀→青木と繋ぎ左足シュート)
後半03分:高橋(楽山→青木と繋ぎ、左クロスをヘッドで逸らしてゴール隅へ)
後半29分:青木(PK・・・青木、高橋、青木のワンツーから倒されてPKゲット)
後半33分:高橋(右サイドの細かいパス交換から、楽山のパスに合わせて)
【前半】
千葉:SH06/CK00/FK06/GK05/PK00/OFF02
東洋:SH09/CK00/FK05/GK02/PK00/OFF03
<試合開始時>
−金東秀−−青木−−
−−−−楽山−−−−
川淵−−−−−−松本
−−工藤−−伊藤−−
−川上−竹田−松ヶ枝
−−−−岡本−−−−
前半は、正直最悪だった。
「声」も出ず、「連携」も無く、「運動量」も15分を過ぎる前に工藤や伊藤の息が上がって首を振り出す始末。対する東洋大学は、気力・体力に充実し、リスクを犯してでも前に出る積極差がある。いくら肉体的・精神的な疲労があるとは言え、大学生に圧倒的に押され出すのはいかがなものとは思ってしまう。
特に苦戦しているのは、ボランチの伊藤と右の松本。そして川上。
伊藤は、完全にスタミナがあがっているのだろう、動けず潰せず前にも出れない。松本は、動けなくは無いのだが、相変わらず攻守の切り替えが中途半端。攻めっぱなしで守りのフォローに周囲の選手が気をつかわざるを得なくなってしまっている。川上は、1対1で止めきれない。まだまだ経験不足だ。
劣勢の中で、お互いを助けようとする声に乏しいのが寂しい。
ジェフ側に単純なミスパスも相次ぎ、東洋大はさらに攻勢を強める。サイドチェンジで揺さぶりをかけられ、ドリブル突破も1対1で抜かれる場面が多くなる。1本のシュートでも許したくないくらいなのに、前半だけで9本も打たれてしまう。前線・中盤からのプレスが弱く、決定的なクロスや突破を再三許す。
ふと、スタンドを見上げると普段はBAY-FMの放送ブースがあるあたりに、オシム監督の顔が見えた。この内容だ。予想通り難しい顔をしている。
もう、残り少しだろう「ジェフの監督」としてのオシム監督の御前試合。何とか、持ち直して勝利して欲しいと思い始めたところで、ふとしたきっかけから得点が生まれる。ゴール前の混戦から相手に当たりでもしたか、金東秀の前にボールがこぼれる。これを、ループで流し込んで劣勢のジェフが先制する。
持ち直すかと思ったものの、さらにグダグダに。
ここから、きれいに崩されて1点を失う。さらに、2失点目は岡本が最近にしては珍しいファンブルでこぼれたところを押し込まれると言う、ミス絡み。スタンドから(俺が叫んでるのも含めて)、叱咤激励の声が飛ぶ。疲れてるとは言え、大学生相手にこの体たらくは無いだろう。
さすがに悔しくなったのか、2点目を奪われてからはDFも前線へ攻め上がって、なりふり構わず攻め立てる。そして、2失点目から2分後。攻撃参加していた竹田から、金東秀、青木と繋いで何とか同点。前半を終える。
【後半】
千葉:SH08/CK00/FK05/GK04/PK01/OFF03
東洋:SH04/CK00/FK08/GK07/PK00/OFF02
<試合開始時>
−−高橋−−青木−−
−−−−楽山−−−−
川淵−−−−−−松本
−−安里−−工藤−−
−川上−竹田−松ヶ枝
−−−−立石−−−−
後半、突然の反撃が始まる。
明日9日のジェフクラに出場するため金東秀が交代する。代わりに入ったのは、後で判ったが40番を着けたユース2年の高橋。分かり易く言うと、林のようなタイプで、常にシュートと勝負の意欲に溢れている。引き絞られた矢弓のように飛び出すと、3分後には青木のパスをダイビングヘッドでコースを変えてゴール隅に流し込む。
さらに、7分・9分とたて続けにシュートを放って、スタンドからは拍手喝さい。個人のやる気あるプレーで、一気に雰囲気を変えてしまった。
触発されたように、青木も勝負の姿勢を復活。
高橋とは波長が合うのか、即席のコンビネーションプレーが冴えて、シュートシーンが多くなる。24分には、青木と高橋のワンツーから青木が倒されてPK。これを青木が無難に沈めて、4−2と突き放す。さらに、30分にはラクの珍しいヘディングシュートがバーを叩き、33分にはラクから高橋へと繋いで5−2とする。
東洋大も、後半は明らかに運動量が落ち、選手を頻繁に交代させるので、コンビネーションも徐々に限られていっていた。その間隙を突いて、安里が目の覚めるようなスルーパスを前線に通す。オフサイドになったものの、彼のらしさを見せた一瞬。
その後、41分にミスパスをかっさらわれて失点したが、結局5−3で勝利。
何とか勝利と言う結果の上だけでは、面目を保った感じだ。しかし、ユースの子に勢いを付けて貰っているようでは。。。監督が終始厳しい表情のままだったのも、無理は無いだろう。
練習試合の後は、トップチームの練習。
オシム監督の車が帰るのを見送った後、またフクアリに戻って見学する。オシム監督が一線を離れ、アマルコーチが指揮する練習を見るのは初めてだったが、普段と様子はあまり変わらない。ハースや巻といった怪我が言われていた選手も元気に参加。
この日は、FW2枚にDF2枚が張り付き、その前にボランチを置いて、オフェンシブMFやWBが攻撃を仕掛ける実戦的な練習をやっていた。細かいタッチでのパス交換が求められ、サイドから攻めても、中から攻めても良い。その時々の判断が求められる練習。
例の如く、ビブスもきっちり7色使っていた(笑)
少し変わったと思うのは、羽生をはじめ、選手達がより自主的に大きな声でプレーの確認を行っていること。どちらかと言うと、オシム監督の指示について行こうとするので精一杯だった頃から、自ら考えて練習を消化するように、段階が一つ上がった感じがする。非常に良い事だと思う。
アマルさんは、御大よりも体が動くぶん、局面局面では指示を出すだけでなく、自分でプレーして説明を行う。選手達も真剣に見入る。短い時間の中で、濃密な練習が行われた。
雰囲気は努めて明るい。阿部や、他の選手達も普段通り。マリオがふざけてボールをキャッチしたり、三代目がボールを並べて遊んでいたり。厳しさの中にも明るさ。このあたりの切り替えは、強くなったなぁと思う。
熱心に練習をこなすと、あっと言う間に時間が過ぎていく。
予定の8時を過ぎても一向に終わる気配が無いので、スタッフが間瀬さんに時間を伝えにいき、スタジアムにも終了のアナウンスが流れる。名残惜しそうに引き上げる選手達。集中力は切れていないようだ。
選手達は、一心不乱にリーグ再開に備えている。
それに応えなくては。その思いを強くさせられた、練習試合そして練習だった。