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4/15(土)・第8節・FC東京戦
2006年4月17日(月)2時10分13秒
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余計な失点で肝を冷やされたものの、久々にジェフらしいサッカーを見せて快勝。少しずつではあるけれども、トップチームはコンディションを上げてきた。
ハース・勇人がベンチスタートで、結城・水野は引き続き負傷欠場。
巻の1トップでこの日も戦う事になった。
−−−−18−−−−
−−09−−22−−
16−−−−−−02
−−06−−25−−
−03−05−04−
−−−−01−−−−
対する東京は4−4−2のダイヤモンド。CBは増嶋+茂庭でジャーンが居ない。1ボランチには今野ではなく、新人の伊野波が入っている。2トップにササ&ルーカス。
いつも通りジェフは、彼らをマンマークで絡め取って潰していく。
東京は確かに戦い方が変わっていた。去年までなら「タテに速く」がなく、自分達のボールにしてから組み立てようとして行くポゼッション重視のサッカー。これがまだ機能していないようで、ボールを受けてから「次」への動作が遅い。昨年までの連動性を取り戻しつつあるジェフは、この動作=判断の遅さを格好の餌食にして襲い掛かった。
最前線から巻のチェイシングでプレッシャーをかけ、近くの選手にボールを出そうとしたところへは、羽生・クルプニが詰めていく。東京は堪らずボールを下げるか、前にボールを大きく蹴りだす。もしくは網にかかってボールを失う。この繰り返しで、ほぼハーフコートに東京を追い詰めた。
その攻撃が早々に実る。
今年、悶々とその力を封じ込めて来た阿部が、持ち場を捨てて右サイドを駆け上がると、中島からの縦パスを受けて一気に中へ切れ込む。スピードに乗ったまま、茂庭をあっさりと抜き去ると、中に戻して巻!丁寧にインサイドで合わせて先制。
さらに攻勢は続き、中島からパスから羽生、右クロスにクルプニのヘッドと言う流れるような攻撃で追加点を得たか・・・にも思われたが、これはオフサイドの判定。SR上川と審判団の判定が怪しくなり始める。
それでも、攻勢の流れまでは止まらない。
32分には、リスタートから坂本のクロスを巻が合わせて2−0とする。運動量は当然前半で衰えるような事は無く、順調な試合展開が怖いくらいだ。そう、怖いのは流れの中で中島が居場所を見つけて機能している事もそうだ。ミスももちろんあるけれども、回ってきたボールをきちんと繋いで、しかも効果的に展開している。波状攻撃。
羽生のシュートは、土肥に阻まれる。3点目まではそうそう許してくれない。
この流れのまま前半を終えたかったが、怪しくなっていたジャッジの犠牲になって、終了間際で立石とイリアンがイエローを喰らってしまう。これでイリアンは4枚目。磐田戦には出ることが出来なくなった。
ただ、目の前の一戦をどう勝つかが遥かに大事だ。「2−2はデフォ」そう思いながら、3点目をイメージして後半を迎える。
後半、東京はいきなり3枚を代えてきた。
伊野波→ジャーンで、巻への守りと3バックへの変更を行い、ササ→赤嶺、栗澤→川口で打開の出来なかった攻撃の立て直しを図る。特に川口は磐田時代よりも器用にプレーがこなせるように進化しているらしい厄介な相手だ。
交代で流れを変えさせたくないジェフが、後半もアタマから攻勢に出る。3枚交代の副作用、ポジションとマーキングの確認の間隙を突いて、羽生・山岸・クルプニらが仕掛けるものの、シュートになかなか至る事が出来ない。流れは来ている、後は得点だけだ。
そして、待望の3点目に手が届く。
羽生・巻とヘディングでワン・ツーパス交換を行い、その巻の超低空ヘッドで出たボールに飛び出したクルプニが右足で突き刺す。一気に試合の流れを決める一撃だ。
後は、気を緩めずに攻勢に出るだろう東京にカウンターを喰らわせつつ残り時間を凌げばいい。試合の趨勢は握った、そう思った。ところが、物事はそう簡単ではなかった。水本が厳しい判定でPKを献上すると、その数分後には立石のファンブルで3−2とされる。しょうもない失点でも、当然東京は勢いづく。生き返らせてしまった。
初めてこの試合押された時間帯、阿部が攻撃参加して右足を振り抜くもののクロスバー。不思議なもので、流れが変わってしまうと、ボールも枠に収まらなくなってしまう。
東京は、ここぞの攻勢。去年のような、タテに速いサッカーがこの時間になってようやく片鱗を見せる。静かだったホーム側のゴール裏もにわかに活気付く。
そこからは、望んでいなかった一進一退の攻防となってしまった。
一方的に攻められている訳ではなく、カウンターの打ち合い。ジェフは羽生・クルプニ・山岸に途中出場の楽山。東京は赤嶺に川口。同点を狙ってリスクをかけているだけに、東京の隙は大きい。特に茂庭の攻撃参加後は明らかに穴だった。そのせいか、普段なら時間稼ぎに入る時間帯でも、クルプニが中へ中へ切り込んで得点を狙っていた。そして、そのままタイムアップ。
結局崩されての失点は結局無かった。
苦しい時間帯はあったが、90分の流れを見れば完勝と言っていい。メンバーが欠けた中で、久々に良いゲームを見ることが出来た。試合後は、スタジアムの外で会ったエンヤさんともがっちり握手。次の磐田戦に向けて、明るい展望が開ける試合だった。
巻の活躍はもちろん、これまでと違って、阿部の攻撃参加が全体に厚みをもたらしていた。良い時のジェフは、阿部が攻撃に顔を出して決定的な仕事をこなす。元来持っている攻撃能力を最大限に引き出す為に、トップ下で使うべきと言う声も常にある。その阿部の復調は大きなプラスだ。次節も阿部が頻繁にゴール前まで顔を出せるようなら、自然と試合の趨勢はジェフに傾くだろう。
磐田戦に向けて、イリアンの出場停止は痛い。相手も調子を上げてきている。
けれども、苦境の時に磐田が相手だというのは願っても無い展開だ。出場停止?そんな事は関係なく、強い気持ちを持って戦える。ハースや勇人も帰って来るだろう。相手がワントップなら、それに応じた戦いもするかも知れない。
順位も8位まで上がってきた。これからが巻き返しのとき。磐田と言う言葉を耳にするだけで湧き上がる闘志を、勝利への力に変えて。次節は大勝負だ。
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4/12(水)・ナビスコ杯予選C組・第2日・アルビレックス新潟戦
2006年4月14日(金)21時48分30秒
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厳しい。勝つには勝ったけど。正直、前半は久々に見るグダグダな試合だった。
サテライトとトップ、ここまで差があるとは、ちょっとしたショックだ。下手に混ぜると、噛み合わないで余計に悪い化学反応を起こしてしまう。今季は一見、去年の主力が残留して、そのまま上積みが出来るものと思ったが、補強をしなかった事、林・ガビの離脱による「チーム」としての力の低下は、もしかしたら思った以上にダメージが大きかったのかも知れない。
・・・競争があるようで、今年のジェフは競争が少ない。
ポジション別に見れば、GKは立石と櫛野、DFは結城と水本、WBは山岸と水野、OHはクルプニコビッチと羽生、それぞれ健全なライバル関係が出来ているようにも見える。けれども、これが17人のベンチ入りメンバーとなると話が異なってくる。
今季の基本的なスタメンはこうだ。
GK立石、DF大輔・イリアン・結城、
MF阿部・勇人・坂本・山岸・クルプニコビッチ、FWハース・巻
サブは、
GK櫛野、DF水本、MF中島、MF水野、MF羽生、FW要田
この次に、
MF工藤(18番目)、MF楽山(19番目)
この後は、試合に出る可能性が現時点で極めて少ない選手たち。
MF伊藤(20番目)が若干ベンチに近いか。
誰かが怪我や出場停止になったとしても、ポジションにあまり関係なく、その後ろの選手がベンチにスライドする。まだ、この20番目までの序列を崩せるまで、オシム監督を納得させられる若手選手は育ってきていない。
サブの選手がトップに上がるには、長い下積みが必要(※例えば、機会を掴み始めた楽山は4年目)で、その間にもまた差が開いていく。勝とうと思えば若手は育たず、育てようと思えばチームはちぐはぐになって勝つことが出来ない。現状では勝利と育成を両立させていく事は、なかなか難しいようだ。
だからこそ、トップで機会を得た時や、サテライト・TGでは、チームプレート同時に自分のアピールもして欲しいのだが。水本や水野がそうだったように。
前置きが長くなってしまったが、試合は前半の20分くらいから観る事が出来た。
布陣は3−6−1、ハース・勇人・結城・水野は負傷。羽生・山岸は温存。代わりに、工藤・楽山・中島・水本・櫛野が出場機会を得た。
−−−−18−−−−
−−09−−20−−
23−−−−−−02
−−06−−15−−
−03−05−04−
−−−−17−−−−
フクアリまで駅からダッシュしてきた息を整え、しばらくは試合の状況を確認する。
で、把握できて来たのが最初に書いた「グダグダ」っぷりだった。全体的に運動量に乏しく、特に前線のかき回しが少ない。パスコースが作れず、預ける事も出来ず、ボールは後ろへ横へ回されるばかり。そこへ新潟が若さに任せて猛烈なプレスを3・4枚で仕掛けてくる。
なんだか、主力組も疲れて元気が無いような感じだ。
攻撃がほとんど形にならずに、フラストレーションばかりが募る。時折、イリアンや水本がハーフェーラインを越えて攻撃参加を仕掛けるものの、単発。劣勢は明らかだった。
そのイヤな流れのままに、ミスから奪われたボールを左に展開される。新潟MF宮沢に応対したのは阿部だったが、後手を踏んでシュートを打ち込まれる。強烈なシュートを掴もうとした櫛野だったが、折からの雨で滑りやすくなったボールを掴む事が出来ない。ボールは、詰めていた鈴木慎の前にこぼれ、あっけなく失点。
あまりのあっけなさに、しばし声が出ない。
やれやれと気を取り直して応援するが、ミスの多い締まりの無いゲームが続いてしまう。前半終了間際に、今度は相手GKが弾いたボールを中島が押し込んだゴールも、ミス絡み、遠くてよく分からないで、盛り上がれない。ミスの応酬は見ていて面白いもんじゃない。後半も、そんなサッカーがしばらく続いてしまった。
そして、極めつけは大さんの余裕の無いバックパスが櫛野のミスキックを誘発し、プレゼントボールから失点。
本人達が一番悔しいだろうが、やっぱプロレベルじゃ見せちゃいけないミスだ。一気に力が抜けてしまう。遠くで膝に手をつく櫛野と同じカッコでこちらもガックリとうな垂れていた。
負けたほうが薬になるんじゃないかと言う考えすらアタマをよぎったが、これもサッカーなんどう、交代によって流れは一変した。
要田、そして羽生が、クルプニと工藤に代わって投入される。
これで分かった。ああ、羽生がこのチームを動かしていたんだと。疲れ始めていた新潟に、この交代は相当にキツかったのだろう、面白いように羽生が前線をかき回しだす。FWのサポートに入ってパスを受け、サイドや前線に飛び出してパスコースを作り、その羽生の動きに呼応して、チーム全体が組織として動き始めた。
出場4分後には、左に抜け出た楽山の折り返しを右足アウトサイドで合わせて、芸術的な同点弾を決めてみせる。絶好調だ。
さらに、攻撃の切り札として山岸が楽山に代えて投入される。終盤に来て、ジェフのギアは完全にハイに入れられた。
−−18−−11−−
−−−−22−−−−
16−−−−−−02
−−06−−15−−
−03−05−04−
−−−−17−−−−
ただでさえ羽生にかき回されていた新潟は、山岸の動きまでを押さえる事が出来ない。
後半も残り10分を切っていたが、その山岸のクロスから巻が得意の形でゴールを決めたのは、ある意味当然だったのかも知れない。
その後も山岸は、中に切れ込んでポストをかすめる強烈なシュートを放つなど、こちらも好調ぶりをアピール。
最後は、残り5分となったところで、長い長いボールキープに入り、やっとこさ勝利。
羽生・巻のファインゴールに一応の納得をしながらも、試合の流れを振り返るとなかなかスッキリとは喜べない。ジェフは勝ち点3を得て、若手に活路を見出した新潟は今後に収穫を得たようなゲームだった。新潟も前半頑張っていたが、正直なところジェフが自滅して、自信を与えさせてしまったようにすら思う。
日曜日にはサテライトがあり、土曜の試合にも出た水本は言わずもがな、正直なところ楽山や中島にも疲れは溜まっていたように思う。ただそれでも、サテライトの頑張りをトップで活かす絶好の機会だっただけに、チームとしての連動性を作り出せなかったこと、個人としてのアピールがなかなか出来なかった事は残念だ。
そして、接戦に持ち込まれてしまった事でわずかな出場チャンスを失った20番目以降の選手たちにとっても。
一足飛びの成長は出来ない。
だから、少しずつでもチャンスを掴んで、主役に登りつめて行って欲しい。鮮やかなほど、くっきりと変わってしまった羽生投入後の時間帯を思い出して、サブの選手たちのレベルアップを願わずには居られないフクアリの夜だった。
<選手評価(抜粋)>
GK櫛野:今日の出来は論外。悔しさを次の試合のモチベーションに変えて欲しい。
DF水本:守備は早さも高さも安心感がある。ただ、ボールが安全に回せない。攻撃参加も数回見せたが、クロスを上げきるなどメリハリが必要に感じた。
MF中島:同点ゴールを決めたが、もっと運動量が欲しい。相変わらず、味方に戻すボールに力が無く、カットされたりされそうになる場面が散見された。
MF楽山:サテでよく見かける、左サイドから切り替えして中に向けてドリブルし、狙い済まして右足でシュート!と言うシーンが、悉く止められていた。ラクの場合、攻撃でアピールできないと厳しい。守備の際には、意地でも相手に喰らいつく泥臭さが欲しい。
MF羽生:途中出場だが、この試合のMVP。猛烈な運動量で相手をかき回すだけでなく、しっかり味方もサポートして、そしてボールも引き出している。錆付いたチームを動かす、潤滑油のような存在感だった。
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4/9(日)・サテライト第1節・柏戦
2006年4月10日(月)8時13分58秒
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春のポカポカ陽気の日立台に行ってきました。
トップゲームと違ってほんわかムード。J2で好調さと進むべき方向性を取り戻したチームに安心しているのか、ボランティアスタッフもにこやかに対応してくれました。「やっぱり監督が変わったからね!」と満面の笑顔。早野・・・(汗)
さて、水曜日のナビスコも控えたメンバーの方は中島リベロの3−5−2。
松本はジェフクラ所属。韻・藤田はコンディションが整わなかったため、欠場。櫛野はどうやら温存した模様。トップ経験のある選手も多く居るので、そこそこトップで目指している事が出来ないといけないメンバー。
注目すべきはMF松ヶ枝の復帰。昨年の入団以来、左膝を負傷して長期離脱を強いられていた彼にとって、この日がサテライトとは言え公式戦デビューとなる。ボランチとも、トップ下とも言えるような位置に入った。
−−11−−32−−
−−−−20−−−−
23−−−−−−松本
−−19−−37−−
−36−15−04−
−−−−30−−−−
対する柏は、DFに瀬戸、MF永井、FW宇野沢などが軸。ただ、枝葉を固める選手達は若い選手達が多く、控えには91年生まれ(!)の15歳・187cmのFW指宿(いぶすき)までスタンバイさせていた。
次の試合に出る選手と言うより、育成に主眼が置かれたメンバー構成だ。
試合が始まると、やはりジェフの方のボール回しに一日の長がある。
早めにトップに向けてボールを当てていき、トンス・要田がキープした後、後列からの上がりを待つかサイドに開いてから人数をかけて攻める。攻撃の中心になったのは、左の楽山とトップ下の工藤。このあたりにボールが出てくると、やはり繋がりが良くなる。
前半15分には、ゴール正面でFKをゲット。
蹴るのは楽山。ボールはバーに当たるものの、惜しいチャンス。さらに優勢の展開が続く。要田のポストから水本の攻撃参加も上手く足元に収まらずシュートまで持ち込めない。
21分には、今度は右に開いた工藤にボールが通り、最後は後列から飛び出して来た松ヶ枝がシュート!これが決まって、首尾よく先制に成功する。
柏もシュートチャンスはあるものの、前半はまだ無理して攻めていない感じだった。
30分ごろには、CKから流経大柏から加入した長身の長谷川にヘディングを見舞われるものの、カバーに入った工藤がクリアしたか、ポストに当たったかでクリア。
ジェフは、DFまで戻すと中島のキープが危うくてハラハラさせられる。逆に水本は、このレベルでは格が違う存在。スピードと高さ両方で相手のチャンスになる前に潰し、余裕があるせいか、攻撃にも頻繁に顔を出す。
流れは悪くないものの、全体的な動き出し・組立てはいまいち。
後方から出て来るボールを皆が待って受けてしまっている状態。かといってロングボール一本を放り込むやり方では、トンスには巻ほどのポストは望めず、ボールは収まらないで周囲にこぼれてしまう。足元にくれば何とか粘れるが、プレッシャーがかかった状態でのポストには、まだまだ技術的な課題が多いようだ。
そのトンス、なかなか目立つ事が出来なかったが、40分過ぎにペナルティエリア内を左に流れながら突破。倒されてPKとなる。トンスの進行方向を考えるとやや厳しい判定にも映った。
これを、要田が決めて2−0。前半はこれで終了となる。
後半アタマから、柏は宇野沢に代わって例の指宿。スタンドから大きな歓声が上がる。ジェフにメンバー変更はなし。
後半開始早々、試合が落ち着く前に決定的な得点が入る。
左サイドでラクがボールをキープ。中央に切れ込みながら、DFをはがしつつ遠目からミドルシュート!これが綺麗に決まって3−0。楽山の技術の確かさをアピールする一撃だった。守備では正直淡白なところもあるが、こと攻撃に関してはハマればいい。水曜日には、攻撃に専念できるような状況で出場できればいいのだが。
ただ、この3点目は、ある意味ジェフには良くなかったかも知れない。
勝ちゲームと思ったのか、途端に各選手のプレーが緩慢になってしまった。運動量も少なくなり、試合を通じて声も小さい。スタンドから「集中しろ!」と声をかけるものの、点を取り返そうと必死になった柏の若手のイキの良いプレーに押し込まれるシーンが多くなる。
特に、右WBに入っていたジェフクラの松本君がスタミナも集中力も途中から無くしてしまったようで、なかなか攻め上がった後に戻れなくなる。そこを柏は穴とみて何度も突破を図ってくる。
柏の長谷川・柳澤・石舘らにたて続けにシュートを喰らうものの、岡本のファインセーブとシュートの不正確さに助けられ、何とか悪い時間帯を乗り切っていく。特に岡本はこの日当たりまくっていて、1対1をおそらく5〜6回は止めていただろう。この試合のMVP的な存在。
後半15分過ぎには、伊藤→安里。そのままボランチに入る。
押し込まれてはいたが、ジェフも、コンビネーションパスから工藤が抜け出して1対1になるチャンスや、松本が勝負を仕掛けるシーンがあったものの、追加点には至らない。さらに、4−3となって攻め込むチャンスもあったものの、トンスのシュートはミートせず。詰めの甘さには課題を残した。
その後はカウンターの仕掛け合いで攻守が行ったり来たり入れ替わる展開。
危ないシーンも多くあったが、最後の場面では水本が身体を張って止め、失点を許さなかった。そして、そのまま時間を使い切って3−0で試合終了となった。
完封試合を久しぶりに観た(苦笑)
快勝に各選手の表情も明るく、岡本も満面の笑みだった。水本・楽山あたりはナビスコに向けた良い手ごたえを掴んだだろう。そして、復帰戦でのゴールとなった松ヶ枝。出遅れてしまった分、これからどんどんアピールしてもらいたいところだ。
GK岡本:大当たりで完封勝利の立役者に。MVP。ただし、フィードの判断の速さや、前線がキープを出来ないと分かった後も組立てに工夫が無いのは反省点。
DF水本:貫禄がある。悉く対面する相手を潰しまくっていた。攻撃参加多数あり、結城に対しての差を埋めたい気持ちを強く感じる。フル出場お疲れ様。
DF中島:ゲームキャプテン。プレスをかけられると、弱いパスで戻すのが怖い。攻撃では良いパスもあったが、良くも悪くも中島だった。
DF竹田:守備に専念。堅実だったが、目立つプレーではなかった。相手のFWが体格的に勝っていたので、ヘディングの競り合いでは苦労していたようだ。
MF伊藤:守備ではまずまず。得意の前線への飛び出しは少なかった。松ヶ枝のフォローに徹したか?弱めの横パスはカットされると怖いので、より判断を早く。
MF松ヶ枝:守備では泥臭く身体を張ってプレスに行き、攻撃では飛び出して1得点。復帰戦としては十二分な出来。動きの重さはこれから要調整。
MF楽山:攻撃では核となって左からチームを牽引。1得点も。守備の淡白さを無くして、もっと切り替えを早くすればトップでの起用時間も長くなるはず。もうちょい。
MF松本:まだまだ厳しい。俊足を活かしきる事が出来ず、突破を図ろうにも技術のレベルアップが必要か。ボールが来るように声と身振りでアピールも必要。とりあえずスタミナを上げて攻守の切り替えを90分続けられるようにしたい。
MF工藤:何故か試合中ずっとニコニコしていた。何かあったのか?やっぱりパスの判断は早い。松ヶ枝のゴールもお膳立てし、まずまずの出来。
FW要田:準トップのFWとしては不満。キープして起点になるなり、突破を図るなり、もっと存在感を見せて欲しい。シュート2本で1本がPKでは・・・。
FW金東秀:頑張ってるのは解るけど、なかなか技術的なレベルが向上しない。技術の向上がすぐに難しいなら、ジェフクラで厳しいゲーム経験をまず積んでみては?
MF安里:無難な出来。チームが落ち着いた後の出場なので、なかなかアピールには難しい状況だった。
粋犬会の仲間4人でコールリードをやってましたが、素人リードなので多々お聞き苦しいところがあったかと。てか、中途半端でしたよね。「ああ、もう!」とか思ってる方がいたら、ぜひ一緒にやりませんか?(苦笑)
サテも、出来るだけ声を出して次に出て来る選手達を盛り上げて行きたいんですよ。
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3/29(水)・ナビスコ杯予選C組・第1日・サンフレッチェ広島戦
2006年3月31日(金)1時57分25秒
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平日のフクアリ。
日曜日のTG&ジェフクラを観に行けなかった分の代休です。普段は歌詞カード配ったり、いろいろやる事があるのだけれども、今日はサマナラカレー食べたり、タコスを食べたり余裕がありましたよ。ナイターだけに、寒かったけれども。
さて。試合の方も余裕があれば良かったんだろうけど、そうも行かなかった。
まずメンバー。阿部・巻の代表招集、ハースの負傷もあって若干変更。要田のワントップに、水本・櫛野が先発。サブには、韻&青木の二人がメンバー入りした。選手紹介の際には、一際大きな拍手が二人に送られる。
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−−09−−22−−
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−04−05−24−
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広島は寿人・駒野抜きの若手中心。ウェズレイ・前俊もおらず、森崎和も先発から外れている。このため、登録上は森崎浩がFWを務めていた。中盤には経験ある戸田が底にいたが、その周囲は若手で固められている。
試合が始まると、隣にいた友人が「何か重石が取れたように」と言ったその通り、清水戦・鹿島戦と調子を上げてきたチームが猛攻を仕掛ける。出場機会の少ない選手のモチベーションの高さもあったかも知れない。
左右を大きく使ったサイドチェンジがサクサク決まり、細かいパスも面白いように決まる。その上、2分には早々に羽生がゴールまで奪ってしまう。広島は、中盤がバラバラ。プレスも厳しくなく、先日の鹿島とは比べるべくもない。ルーズボールはほとんど拾えるし、クルプニもキープ出来てパスがまずまず通る。その先パスの先には、羽生・水野・山岸・勇人が飛び出す。20分くらいまでは鮮やか攻撃だった。
ただ、相変わらずシュートに精度が無かったり、判断が遅れてシュートまで至らないシーンも多く、広島を瓦解させる2点目・3点目が奪えない。そうこうしているうちに、何となく試合が落ち着いてしまった。
明らかに前線をかき回す動きが減ったし、広島も地に足がついて来る。さすがにマズいと思ったのか、終盤には柏木→森崎和の交代と言う早めの対策も行ってきた。こうやって、リードに安穏として相手に息つく時間を与えてしまうのはウチの悪い癖だ。先発の要田も、キープで奮戦するものの、オフサイドの網に引っかかって決定的な仕事はこなせない。全体として見れば、押せ押せの展開は変わらないが、そのまま1−0で試合を終えてしまう。
何か胸につっかえたような気分のまま、後半が始まる。
するとまた、ミスから一気の速攻を喰らう。元はイリアンのミスからだったか?鳩が豆鉄砲を食らったように、あっけなく森崎浩のゴールが決まる。チャンスらしいチャンスは、これが初めてだというのに。本当にあっけなくやられてしまった。立ち尽くす櫛野の状況が理解出来ないと言った様子がまた、問題の根の深さを感じさせた。
同点になってからは、また取り返そうと自分達のペースを乱したリスキーな攻撃と、カウンターへの防御と言う、ここ最近見慣れた展開が続いた。交代はなかなか行われなかったが、監督がまず切ったカードは、クルプニ→中島。これまたリスキーではあったが、若干玉離れが良くなり、右の水野と絡んだ突破が数本出始める。
さらに、交代の直前には惜しいシュートも放っていたが、イマイチ機能しきれていなかった要田に代えて、楽山。この交代で左WBにラク、1トップに山岸と言う布陣になる。山岸はユース時代、特に中学生年代まではその年代でズバ抜けたFWと評価されていた事もあるので、FW起用に違和感は無い。
(67〜81分)
−−−−16−−−−
−−22−−15−−
23−−−−−−08
−−02−−07−−
−04−05−24−
−−−−17−−−−
この起用が思いのほか上手く決まる。山岸は、要田と違って、一旦下がってDFから消えてからボールを受ける動きや、捌くだけでなくキープもある程度できる。この山岸にボールを集める事で、終盤の再攻勢に繋がった。強烈な右足シュートや、惜しいヘディングは、ユース時代を髣髴とさせる。本人からすれば、「ユース時代にFWだったころなら、決められたシュート」だったのだろうが。
交代は、順番待ちの列に沿うように進み、終盤まで1−1で拮抗する展開の中でも、韻や青木の投入は無かった。
そのかわり、代わって入った楽山も積極的な突破でチャンスメイクする。中島も、ダイビングヘッドでボールに喰らいついていった。このチャンスを掴みたい気持ちは、たしかに彼らから感じた。その勢いが通じたか、残り10分と言うところで、イリアンや結城らも絡めた捨て身の波状攻撃から、勇人のシュートが下田をついに破る。
カウンターからいつ失点してもおかしくないほどの攻勢で、実際、広島の青山に危なっかしいヘディングも喰らったものの、櫛野が防いで事無きを得た。要は、決定力不足に助けられた。最後は、身体を張ってキープして、何とか勝利を勝ち取った。
ようやく勝ったとは言え、序盤の展開からすれば、点差を付けて勝たなくてはならない展開。メンバーが代わっても、問題は共有されていた。集中力や決定力で片付けるには、ちょっと修正に時間がかかりすぎている。
反対に良かったのは、サブ組がそれなりに力を発揮し、山岸のFW起用のオプションも見れたこと。水本も失点シーン以外は安定していたし、特にFW山岸は、ハースの負傷が長引く場合には、貴重な再発見になりそうだ。
立石、大輔の主力に休養を与えられた事も良かった。この勝利を弾みに、勢いある川崎に泥臭くとも勝つ事で、まだ波に乗れないリーグも調子を上げていきたいところだ。
それにしても、広島の序盤の戦いは目を覆うばかりだった。
今日の勝利は、相手に助けられた面があることをキッチリと把握しておく事が重要だ。まともに機能しているチームなら、あそこまでボールを支配できまい。
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3/25(土)・第5節・鹿島アントラーズ戦
2006年3月27日(月)18時23分55秒
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鹿島は鹿島だと思い知らされた試合。
途中から、イヤな感じはしていたけれども。予想通りの結末とは。。。鹿島は、苦しいゲームでも勝ち点を拾うことの出来るチーム、選手が変わっても監督が変わっても、勝負どころをしっかりと押さえてくる。
だから、ウチが今季最高の試合を見せながらも、単調な攻撃で「決定機」を作り出せずにいた85分間は、「ハメられた」ような気にすらなっていた。去年奪った4点は、どれもスペシャルなゴールだった。+αのヒラメキが無ければ、鹿島のゴールは割る事が出来ない。今日は、ただひたすらに巻をめがけてハイクロスが上がってくるだけ。
巻も大岩・岩政相手に、相当に健闘はしていたけれども、ワンパターンじゃ厳しい。もう少し低いクロスや、裏へのパスがあっても良かったと思うのだが。選手達もそれを感じながらも、試合中に実行できなかったのは、やっぱり鹿島に「ハメられて」いたのだろう。
唯一、停滞した攻撃を打開できる存在だったハースが怪我で引いた時、この試合に限れば「0点」が決まってしまったようにすら思う。ジェフにとっては、痛すぎる負傷だった。本当なら、クルプニコビッチ→羽生の交代で、チーム全体のギアを上げるところだったのだろうが、ハースとの交代になってしまった事で、交代の効果も半減されてしまった。
結局、90分間ずっとクロスボールを上げ続けるだけになってしまった。
主力を欠く鹿島に、これしか出来なかったのは相当ショックだ。良い内容だったかも知れない。だが、ことフィニッシュに繋がるアイデアと精度では最悪の試合だったとも言える。
チームとして、巻を活かそうとするのは当然だ。巻は劇的と言えるほどポストの技術も上がっているが、一試合にそう何本ものシュートを撃てるほどフリーになれる立場にない。巻を潰れ役・追い回し役にしている以上、それは仕方が無い。ならば、他の選手が巻が撃てない分を撃つべきなのだ。
ジェフに、ストライカーはいない。
ワシントンや、崔龍洙や、エメルソンや、アラウージョのような。
だから、誰かが誰かに最後を任すような攻撃をしていたら、そう言うストライカーが居るチームには追い付けない。個々人が、ストライカーになるしかない。
クロアチアサッカーニュースさんに載っていた監督の言葉を引用するなら、「誰も責任を引き受けたがらない」のだ。シュートを撃って終わる事は、エゴじゃない。そこまでチームで積み上げたチャンスの責任を背負う事だ。それを全員が意識すれば、今日のような試合は勝てるはずだ。
敢えて、選手の奮起を期待したい。
この日フクアリを埋めた黄色の観客を満足させるのは、ゴールを奪い合うスポーツであるサッカーに懸ける、個々人のシュートを撃ち、撃ち勝つ勝利への執念だ。
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PBS v.1.01