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10/1(水)ナビスコ杯準決勝・浦和戦 2005年10月8日(土)23時50分25秒 deletemodify

千葉2(0−2、2−0)2浦和
<得点>
千葉:阿部(CK林)、阿部

TOTAL
千葉5(3−1、2−2)3浦和



某局の「絶対に負けられない戦いが・・・」って言葉がある。
俺はあの言葉が嫌いだ。「負けられない」なんて言うな、「勝つ」んだよ!勝つことを信じて、声の限りを尽くして、勝って立ってなきゃいけない戦いがある。この日はまさに、そう言う戦いだった。

平日午後3時の臨海。続々と赤い浦和サポがスタジアムへと向かっていく。
レプリカを纏って、タオマフを巻いて、アウェイをものともしない浦和サポには、悔しいが深い尊敬の念を覚える。老若男女。ある意味、理想の姿だ。ジェフもこうなりたいと思う。けれども、駒場がそうであるように、ここが臨海だと言う事を彼らには解らせなくてはならない。
しとしとと降る秋雨の中、列に並んだ。雨の臨海は慣れたものだ。ジェフ側も平日のこの天気を考えれば、あり得ないくらいに人は多い。
柵の隙間からは、この日だけの緩衝地帯が垣間見える。特別な戦い、いつも以上に緊張した空気。磐田戦の憎しみにも近い感情ではない、純粋に勝ちたい、先に進まなくちゃいけない、いつまでも“ここ”に居られないと言う想い。

普段より30分早い開門。
横断幕を準備している間に、一般入場が始まる。あっという間に赤く染まっていくアウェイ側。「URAWA BOYS」をはじめ、駒場で何度も見た横断幕が所狭しとスタンドを埋め尽くしていく。対するジェフも、少しずつだが黄色が増えていく。キックオフまで30分まで迫る頃には、スタンドはちょうど半々に黄色と赤に染まっていた。
ここでやらずにいつやるか。心意気あるサポーターが雨にも関わらず、ビッグフラッグを展開する。そうだ、ここは臨海だ!

ピッチでアップする選手達に大きな声援が送られる。
対して、浦和側のスタンドは不気味に静まりかえっていた。その選手達が、着替えに戻った頃、突如アウェイ側から圧倒的な音の壁が襲ってくる。さすがと言うか、これだけの応援をやってくるクラブは「J」には浦和しかない。それが、あの大人数をまとめきっている事に感服する。

こちらも今の精一杯で立ち向かう。
「アメージング・グレイス」。タオマフを、ゲーフラを両手一杯に広げて選手を出迎える。かき消されそうになる声を振り絞って声を出す。


この日のメンバーは、土曜日の鹿島戦とほぼ同じ。出場停止の大輔の位置に水本が入り、後は変わらない。サブには、ガビ・工藤・林・ハース。「守る気なんかねぇ」攻めのメンバーだ。
対する浦和は、3−4−3とも取れる布陣。アレックス・酒井がサブなのには驚いた。守備的なボランチが誰も居ないような、とにかく前がかりの布陣。2点差をひっくり返す、それしか考えていないメンバーだ。

序盤、展開は拮抗していた。浦和は予想通りトゥーリオまでが攻めて来ていたが、ジェフもそれなりに攻め込んでいる。個人勝負が出来る水野が、ドリブルで突っかけ、時にはアーリークロスがゴール前を鋭く横切る。五分五分の試合の入り。「よし、緊張し過ぎてる様子は無いな」と、納得する。10分・15分が過ぎて、試合が硬直しだす時間帯へ抜け出す事が出来たかと思った。

一息つきかけたところの19分。ポンテのCK。
セットプレーに弱いジェフだけに、相手のキーマンには出来る限りの対応をしていたはずだが、トゥーリオにものの見事に合わされる。ファーサイドのポストに当たって、ゴールの中でクリアするものの時既に遅し。トータルで1点差に詰められる。
燃え上がる浦和のゴール裏。逆転に向けて、一気呵成の雰囲気が沸き起こる。この1点がジェフに与えたダメージは大きかった。互角の展開が7:3の浦和ペースになる。とにかく、フリーでボールが相手に渡ってしまう。ドリブル突破が押さえられない。好き放題にクロスを送り込まれる。

いつものジェフらしい動きは影を潜め、ひたすら後手を踏む。
応援も途切れがちになる。浦和の声ばかりが響く。やばい、最悪の空気だ。このままじゃやばい。「流れ」はその通りだった。27分、鹿島戦のような今度は結城のクリアミスが立石の前にこぼれる。田中達也がそこに突っ込む。最後は必死に手を伸ばす立さんが自らパンチングでゴールに突き刺すような形になり、0−2。2点のリードが30分持たずに吹き飛ぶ。

正直、一瞬力が抜けた。「あり得ない」「またかよ」と。それでも、ジェフサポの性なのかも知れないが、逆境に追い込まれる程に反骨の声が絞り出される。自然と沸き起こる手拍子と、声援でもう一度奮い立ってくれと気持ちを込める。
グラウンドの中では相変わらず押し込まれる展開。何とかクリアしては、また攻められる。2点ブチ込まれてからの15分はとんでもなく長く感じられた。やっとこさで前半を終わる。0−2で済んでくれて良かった、そんな展開だ。試合前から「2点差を守ろうとしちゃだめだ」と皆が口にしていたが、前半のサッカーは正にそれだった。

ハーフタイムに入るとき、「この展開、今日のミーティングは長いぞ」と思った。こういう時、監督ならこの空気を変える為に時間をかけて選手達に言葉を伝えるはずだ。
スタンドからは、サブに名を連ねた攻撃陣の名前が連呼される。さっきはあれほど長く感じた15分があっという間に過ぎる。案の定、レッズの選手達がピッチに戻っても、なかなかジェフの選手達はグラウンドに姿を現さない。ようやくダッシュでピッチに戻る選手達、背番号「9」がピッチサイドからグラウンドに飛び出す。林投入だ。

布陣は、3−6−1から、3−5−2のオーソドックスな布陣に変わった。林投入と言うことは、明確に攻め抜こうとしている意志の表れだ。その効果はすぐに現れる。
浦和も、前半の勢いのままに攻め込もうとしていたのだろうが、出足でジェフが上回る。ギアが切り替わったかのように、選手達の動きがいい。後ろへの意識が薄れて、前への気持ちが浦和を押し込んだ。

勢いのままに獲得した3分のCK。林がセットしたボールに、猛烈な勢いで阿部が飛び込む。トータル4−3、咆哮、浦和を突き放す。まるで98年W杯予選での中山のゴールのような、気迫と勇気が込められたゴール。
浦和のスタンドが赤黒く静まり、ジェフの黄色いスタンドが生き返る。抱き合い、喜ぶのもそこそこに「集中しろ、まだ終わってないぞ」声を掛け合う。このままでは終わらない試合だと、誰もが感じていた。

再度、リードされた浦和も、必死の攻めを見せる。
相変わらずトゥーリオも前線まで駆け上がる。前半と違ったのは、浦和の攻撃に対して引き過ぎずに跳ね返す力がジェフにはあったことだ。トゥーリオが上がった穴は、林が虎視眈々と狙っている。一瞬でも隙を見せれば、中央をブチ抜いてゴールまで一直線の勢いだ。互いに激しいプレーが増え、イエローが多くなる。主審は上川。これ以上熱くさせたなら、まずいと思った矢先だった。

ジェフのゴール前でドリブルで突っ込んだトゥーリオが倒れる。
笛が鳴る。PKか?とも肝を冷やしたが、判定はシミュレーション。ユニを脱いで力なく退場するトゥーリオ。浦和はPKだと思ったのだろう。状況の変化についていけなかったのか、審判に猛烈なブーイングが巻き起こる様子も無く意外なほど静かだった。声が一つにならないほど混乱していたのかも知れない。
この判定でゲームは半ば決まってしまった。出来れば11人で残り時間も戦って勝ちきりたかったが、ともかく数的優位となった。

浦和は、あと2点取らなくては勝ち進めない浦和は、10人になっても数的な不利を感じさせないほどの勢いで捨て身で攻めて来た。だが、最後の一撃が繰り出せないのは、こちらも必死に守っているからだ。最前線から巻がスライディングをかましながらプレッシャーをかけ、ライン際のボールでも林が追いついて反転攻勢を仕掛ける。

加えて、切り札はまだまだ残っていた。
後半30分を過ぎ、ベンチに背番号「10」が呼びつけられる。ハース。交代は巻。「なんだ、俺なのか!?もっとやりたかった。。。」と言うかのように一瞬天を仰いで、ピッチサイドに向かう巻。代わりに、万雷の拍手と「マリオ・ハース」コールの中、ハースがピッチに入る。
ボールをキープする。深く、柔らかいキープ。ピッチを袈裟懸けに反転しながら前線に送り込まれるクロス。ハースが戻ってきたんだと思わせるに十分なプレーぶり。健在だった。

浦和も駒を切ってくるのだが、交代させられたのがポンテだったのには驚かされた。この選手、何せプレーが正確。一番怖い駒が消えてくれたことで、点を獲られる気配は無くなった。

そして、ポンテ交代から間もない後半41分のプレー。
浦和の左サイド奥深く、ほとんどCKのような位置でFKを奪う。時間稼ぎから得たFKだったが、林が蹴ったボールは明らかなゴール狙い。このボールが当たってこぼれて、阿部の足元におさまる。一回は都築に弾かれるが、もう一度阿部の足元に戻ってきたボールを夢中で蹴り返す。今度こそボールは、ゴールの中に転がっていった。
ゴール裏に向かって、阿部が叫ぶ。その背中に次々と仲間達が折り重なる。時間は残っていたが、これで勝ったと思った。スタンドも互いに抱き合い、雄たけびを上げる。おうよ!よくやった、阿部!お前こそがジェフの主将、これこそまさに「臨海魂」だ!

終了間際のプレーでハースがイエローを受け、決勝戦に出られなくなったのは余計だったが、そのまま2−2で逃げ切り。ここは臨海、俺たちのホームだ。その事を最後まで声を枯らした浦和サポに解らせ、ついに7年ぶりの決勝へと駒を進めた。

スタンドの半分を埋めたジェフサポが歓喜で選手達を迎える。
ヒーローインタビューはもちろん阿部。
「今日のサポーターの応援には鳥肌が立った。11月5日、また国立にジェフを応援しに来て欲しい。」
ずいぶん、はっきりと立派な事を語りかけてくれるようになったもんだよ。サポ冥利に尽きる。嬉しかった。嬉しかったけれども、泣くのはやめておいた。まだ何も成し遂げてはいないんだから。

でんぐりのお約束を無視して、ハースが立ち見のサポと握手を交わしていく。
それに、他の選手達も続く。笑顔が弾ける。そこに、ヒーローインタビューを終えた阿部が、この日一番のダッシュで加わっていく。スタンドはオブラディの大盛り上がり。なんて言うかね、この雰囲気、ジェフらしいんだよ。見難くて、雨にも濡れて、オンボロのスタジアムだけどさ、好きなんだよね臨海。今季最後、フクアリ前の最後の臨海は、最高の光景を見せてくれた。
そして「臨海魂。」は阿部勇樹、全ての選手・サポーターが心に宿し続ける。


決勝の相手はガンバ大阪。
相手にとって不足無し。面白いカードになった。

7年前は、リーグ戦の成績が良くない中で半信半疑のままに決勝へ進み、その時点での力の差と言うものを、まざまざと見せ付けられて玉砕した。今は、違う。一年一年、着実に力を蓄えてきた。どこにも負けない、厳しい練習と練習量をこなしてきた。自分達のサッカーへの自信が違う。これが千葉のサッカーだと胸を張って言えるものがある。

1ヵ月後、必ず勝つ。
勝つことで、自分達の自信を確信に変えてみせる。そして、このチームに懸けてくれたオシム監督。貴方に、このチームで掴む栄冠を見届けて欲しい。その為に全力の応援をやろう。最高の舞台を用意して見せる。
11月5日、国立で勝って見せる。

10/1(土)・第26節・鹿島戦 2005年10月4日(火)0時12分52秒 deletemodify

内容を考えれば引き分けは妥当と言えるかも知れない。
それでも、勝てる可能性が大いにあっただけに、引き分けの勝ち点1と言う結果には満足できなかった。優勝を狙う上では、どうしても勝ち点3が欲しかった。鹿島を引きずり下ろしたかった。けれども、あと一歩がどうしても届かなかった。


2位鹿島と5位千葉の対決となったカシマスタジアムは、15000人の観客。
40000のキャパを誇るスタジアムにしてはどうにも寂しい人の入りだ。ここのところ、鹿島の観客動員も苦戦しているようで、ゴール裏にはちらほらと空席が見え、声の圧力も以前ほどには無かった。やはり鹿島と言う立地、そして優勝に慣れ過ぎて、盛り上がりのピークがぼやけてしまったような空気が、色褪せたワインレッドのゴール裏を作ってしまっていたのではないだろうか。

対して千葉のゴール裏の士気は高かった。
去年、インファイトに乱入されたせいか、さらに端っこに押し込められ、ゴール裏は狭くなってしまっていたが、その分密集してジェフカラーの比率は濃かった。思えば、磐田と言い川崎・大宮と言い、アウェイに多く人が来るようになったものだ。この楽しさを一人一人が周りの誰かに伝えていけば、もっと大きな力になるのにと思う。


スタメンは、前節から林→水野となった3−6−1。
期待されたハースの復帰は見送られ、布陣自体も変則的なものとなった。

−−−−巻誠−−−−
−−−−羽生−−−−
山岸−−阿部−−水野
−−勇人−−坂本−−
−大輔−スト−結城−
−−−−立石−−−−


基本的な戦術は、通常のサイドアタックに加えて、中央の巻に一回当てて、2列目から羽生・勇人らが飛び出すと言うもの。久々の先発となった水野も、ドリブルでの突破と早めのアーリークロスで緩急をつけた戦いを心がけていた。
守備では、阿部が小笠原を密着マーク。坂本が足の速い深井をチェックして、いつも通り両ストッパーが相手の2トップを見る。

序盤から切り替えの早い試合となったが、最初にペースを掴んだのは鹿島だった。
選手が変わっても技術の高さは変わらない。フィジカル的にも強い鹿島は、一旦マイボールにすると、容易に手放さない。そこから、深井や増田にボールを展開して、中への勝負を仕掛けてくる。その前では、アレックス・ミネイロと本山がポジションを入れ替えながら揺さぶりをかけて来るので煩わしい。
出来るだけ時間稼ぎをさせて、いきなり勝負には持ち込ませないようにする千葉。マーカーがぴったりとマークを行い、相手のパスが乱れたところでインタセプトを仕掛ける。ただ、ボールを引っ掛けるところまでは行くのだが、こぼれたボールはまた鹿島に。なかなかジェフボールには出来ない。

様子見の展開を抜け出し10分過ぎから、少しずつ両チームの動きが出始める。
まずは千葉。インタセプトから阿部が左に駆け込んだ羽生へ、そのまま左足をアウトサイドにかけて振りぬいてゴールを強襲!惜しくも曽ヶ端に弾かれるものの、もう一度流れたボールを中央に折り返して波状攻撃を仕掛ける。
この日、ジェフの守備で「意識」の部分が違ったのは、奪った後だった。普段なら、出しどころを探してキョロキョロとあたりを見回して、結局後ろに戻すところが、奪ってそのまま、イリアンだろうが大輔だろうが結城だろうが、DFまでが前に突っ込む。当然、DFに対して相手がマークを付けている訳はないから、相手は混乱する。その間隙に付け込むシーンが何度も見られた。

対する鹿島も、好調を維持する深井がドリブルで突破を仕掛ける。
大輔があっさりとかわされ、シュートは立石が弾くもののCKに。小笠原が蹴ったボールが流れて、アレックス・ミネイロの前へ。あっさりと蹴り込まれて失点してしまう。被ってしまった。相変わらず、セットプレーに対する弱さは治らない。いい流れになりかけたと思った矢先だけに、失点が重くのしかかる。

ただ、ここでガタッと崩れない力強さがあった。
失点からさほど時間も経たないうちに、今度はゴール前でFKを得る。コレを阿部が振り抜くと、ボールはバーへ。この跳ね返りを勇人が押し込んで、すぐさま同点とする。さらにゴールの興奮も冷めやらぬままに、今度は後方からのフィードを巻がアタマで落として、そこにはまたも勇人!狙い通りの得点で、一気に突き放す。それにしても巻。利き「足」が「頭」とは良く言ったもの。足でもなかなか出来ないフェザーパスで見事なアシストを決めて見せた。
中盤の密着マークと2列目からの飛び出し。ここまでは、プラン通りと言えた。ただ、スタンドも含めて、この1点を守ろうと言う意識は無かった。このままで終わる試合じゃない。集中しようとお互いに声を掛け合いあった。


後半。意外にも鹿島は選手を変えて来なかった。
千葉は、最初の入り方に集中したが、増田に危ういシュートを放たれてしまう。逆に両サイド深く進攻して、山岸が強烈なシュートを見舞うが、枠を捉えられない。10分過ぎまでは、前半の流れを維持してペースを握る千葉。

ただ劣勢変わらずと見るや、すぐにセレーゾ監督が動き出した。いまいち存在感の無かった、本山・増田に代えて、鈴木・野沢を投入。この投入が痛かった。涼しい気候にもう少し耐えられるかと思っていた運動量が押され出す。鈴木には、ボールキープで時間を稼がれ、野沢にはドリブル突破で山岸が苦戦し出す。
オシム監督からすれば、ハマっていた守備陣系を大きく崩さず、上手く劣勢の時間を凌ごうと言う意図があったのかも知れない。ただ、15分過ぎからは、一方的に押され始めてしまった。

耐える時間が続いた。
30分過ぎからベンチも工藤をスタンバイさせ、交代で息をつこうと準備していた。ところが、ボールが出ても交代を取らない主審。プレーが切れずに続く。大きくクリアしても、「止めてやるかよ」と言うように、鹿島はしつこく拾って波状攻撃をしかける。
深井のクロス、大輔がクリアしようとした刹那、信じられないクリアミスがアレックス・ミネイロの前へ転がる。そのまま間髪居れずに放たれたシュートで、同点とされてしまう。残り10分。

後半の千葉は攻撃が噛み合わない。
山岸のシュートもしかりだが、巻の絶妙の抜け出しはオフサイドを取られ、ゴール前でフリーになってもパスを出してしまって自爆のオフサイド。水野は自分で何とかしようとするばかりにシュートタイミングを失い、最後のFKも意思疎通に欠けてイリアンがキック。
決めえられない、落ち着きの無さを、後半は思い出してしまったかのようだった。

対する鹿島も、立石のファインセーブに3点は防がれていた。
逆に言うならば、立石が止めなければ決着はもっと早くつけられてしまっていたかも知れない。

いつロスタイムに入ったのかも分からないほどに集中して声を出していたスタンド。
突然吹かれた終了のホイッスルに、力なくうな垂れるのみ。勝ち点差を詰めることが出来ず、直接対決の機会を逃した事に、大きな焦燥感が漂う。選手達の足取りも重く、ヒーローであるはずの勇人にも笑みは無かった。


よくやっている。
ハースもおらず、外国籍選手はイリアンのみ。抜けた選手も考えれば、去年レギュラーで無かった選手がレギュラーになって、よくここまで戦っている。それは分かっている。けれども、もはやそれだけでは足りない。悔しい。勝てなかった事が。

去年のガンバ戦の後に聞いたのと同じ、「今日出た結果は、ジェフにもアントラーズにもタメにならない。」それを続けているだけじゃ意味が無い。この上に行かないと、いつまで経っても03年の1ST以上にはなれない。
今まで以上に悔しいと思うこと、勝ちたいと思うこと。それを、ジェフがサポも含めてどれだけ持てるか。それが重要だと、改めて思った。

セレーゾ監督が、厳しく自軍の選手を戒めていた。
弱いチームが強くなるのはもちろん難しいが、強いチームが強くあり続ける事もさらに難しいのだろう。悪いながらにも引き分ける。そこには、やはり鹿島のチームとしての強さを認めざるを得なかった。

ジェフはもう、勝つしかない。

9/25(日)・練習試合・流通経済大学戦 2005年9月26日(月)0時27分42秒 deletemodify

千葉9(1−0、8−0)0流通経済大学

【得点者】
43分:千葉・オウンゴール
53分:千葉・ダニロ(ハース)
57分:千葉・ハース(※ロングシュート)
61分:千葉・高橋(市原)
68分:千葉・ガビ(ハース)
77分:千葉・高橋(ダニロ)
85分:千葉・高橋(ハース)
88分:千葉・金東秀(ダニロ(→高橋スルー))
90分:千葉・高橋(※超ロングシュート)



【前半】

−−要田−ハース−−

−−−−工藤−−−−
楽山−−−−−−水野
−−中島−−芳賀−−

−水本−瀬戸−市原−

−−−−岡本−−−−

【交代】
31分:藤田(←水本)

【前半】
千葉:SH08/CK02/FK07/GK04/PK00/OFF01
流経:SH05/CK02/FK07/GK02/PK00/OFF03




台風17号の影響を受けて、千葉側から木更津側へ、普段にも増して強風が吹きすさぶ姉崎。まだ9月下旬に入ったばかりだというのに、体感気温はかなり寒い。薄着で来てしまったので、友人からウィンドブレーカーを借りて観戦した。

前半、風下のジェフ。蹴ったボールが戻ってくるような風に苦戦。
主力クラスの選手が多く居たにも関わらず、風上から勢い良く攻め込む流経大に互角の勝負を挑まれてしまった。



出場メンバーの中では、やはり自然とハースに視線が行ってしまう。来週の2位・鹿島戦には絶対に必要な戦力なので、その回復度合いが気になる。
先週のスポレクパークの試合では、完全に慣らし運転という様子だったが、この日はだいぶコンディションも上がったようで、運動量も増えて、らしいプレーが戻ってきていた。簡単に叩いてリズムを作って、懐の深いキープで周囲の攻め上がりを促す。ハースにボールが出るとゲームが落ち着く。
ハース自身も、いつものようにFWと言うよりは少し下がり目の位置からゲームメイク。接触プレーは避けて、前半は感触を確かめているようだった。風のせいもあってか、普段以上にミスパスを犯してしまう、中島や瀬戸と比べるとやっぱり落ち着きが違っていた。

ジェフの攻撃は、このハースを経由して右の晃樹の突破に頼るパターンが多かった。晃樹は、昨日の清水戦でも決勝点に絡むなど調子を上げている。勝負する姿勢を常に持っているので、それが攻撃面でも好影響になっているようだ。
晃樹から、ラク。晃樹から、浩平とシュートチャンスに繋がるパスを出すが、今一歩決めきれない。0−0のままの時間帯が続く。

27分にアクシデント。
相手選手の蹴ったボールが、水本の後頭部に当たって軽い脳震盪のような状態に。水本は、大事をとって藤田と交代。藤田が右ストッパー、ミツキが左ストッパーになる。トレーナーに付き添われ、歩いて退場する水本に監督が歩み寄って一言二言かける。
「後頭部の左の方らしい」と、自分の頭に手をやって間瀬さんと話す監督。心配そうな様子だった。

その後も、瀬戸が相手選手との接触プレーで頭を踏まれるなど、アクシデントが続く。これ以上の怪我無く試合を終えて欲しい。そう願わずにはいられなかった。

前半終了間際の42分、ラクから浩平へと繋いでシュート。さらにボールをハースが押し込むが、これはオフサイドを取られてノーゴール。
ただ、終了間際になってようやく相手を崩せるようになって来たのか、直後の43分には右から晃樹が入れたボールを、要田が競り合ったところで相手DFがオウンゴール。ようやく、先制して前半を終える。


【後半】

−−金東秀−高橋−−

−−−−ハース−−−
川淵−−−−−ダニロ
−−中島−−中原−−

−市原−竹田−藤田−

−−−−岡本−−−−

【交代】
64分:ガビ(←中島)
67分:中牧(←岡本)

【前半】
千葉:SH15/CK03/FK06/GK03/PK00/OFF01
流経:SH08/CK04/FK08/GK02/PK00/OFF03



後半は、ガラリとメンバーチェンジ。
昨日の試合に出たメンバーらが下がり、若手との混成軍になる。風上に立った事で攻勢を仕掛けられるかと思ったが、出だしは圧倒的な流経大ペースとなってしまう。最初の5分間で6本ものシュートを固め撃ちされ、1分・5分と岡本がビッグセーブを見せなければ、いつ失点してもおかしくない状態だった。

試合後、中原が自分のところでボールを取られてしまってと反省しきりだったけれども、誰かの問題と言うよりは、相手の攻勢をまともに受けてしまったチーム全体の問題に見えた。

ところが、完全に流経大押せ押せムードの中、53分にパスカットからハース→ダニロと繋いで一気に抜け出してカウンターで追加点。ファーストシュートでゴールネットを揺らす。
さらに57分。折からの強風に乗せて、ハースがミドルレンジから強烈なシュートを突き刺して3点目。レベルの違う一撃で、流経大は途端に意気消沈してしまう。その4分後にも、左サイドに攻撃参加したミツキが、アーリークロスを右足で上げて、それが高橋へ。倒れこみながら押し込んで4点目を奪う。
流れは完全にジェフペースに変わり、川淵のシュート、藤田のオーバーラップとやりたい放題になってくる。



その様子を見てか、ベンチは中島に代えて怪我から復帰したばかりのガビを投入。さらに前がかりの展開になる。
このあたりから、中原の縦パスの狙いが良くなり、ダニロ・ハースらへ次々と急所をえぐるようなパスを送り込んでいく。
68分には、その中原からハース、一気に前線へ駆け込んだガビへと繋げて5点目。ガビは、カウンター発動と同時に自陣から一気に長い距離を駆け抜けて正確にシュートまで持ち込んだビューティフル・ゴールだった。駒場の3点目を思い出すかのようだ。

攻勢は続き、ハースや高橋が次々にシュートを見舞う。75分頃から?の、右のダニロ・左の川淵のポジションを入れ替える布陣変更も上手くいったようだ。
77分には、その左のダニロからのクロスを高橋がゴール。
84分には、中原→ダニロ→中原と繋いで惜しいシュート。
85分には、ハースが頭で落としたボールを高橋が合わせてハットトリックを達成!
88分にも、左のダニロからのグラウンダーのクロスを、高橋が余裕のスルーで逆サイドのトンスへ。落ち着いて流し込んで8点目。

そして、シメはロスタイム。センターサークルに少し入ったあたりから、高橋が狙い澄ました超ロングシュート!これが豪快に突き刺さって、9点目。
強風のコンディションと、相手の動揺をきちんと得点に結びつけた後半は、これから続く上位戦線へ期待を抱かせる内容だった。

大学生との練習試合に、オーストリア代表と元ルーマニア代表でW杯とかバレンシアでのプレー経験のある選手を投入してるんだから、これくらいの結果になってもらわなければならないのだが、久々の大量得点に爽快なゴール。寒さが吹き飛ぶくらいに気持ちが良かった。


良かった選手を軽く振り返っておくと。
−−−−−
GK岡本:後半立ち上がりにビッグセーブを連発。強風にもかき消されない大声で、味方を鼓舞していた。
DF市原:怪我から復帰してまだ日が浅いものの、スピードのあるDFとして板について来た。読み良く、スピードを生かしてインタセプト。一気に攻め上がるシーンが何度か見ることが出来た。
MF中原:だいぶ強くなって来ているが、まだ身体の強さが足りない。ボランチとしての守備力は足りていないが、この日は前線への縦パスが良かった。今日のように、攻勢一辺倒の展開だけでなく、プレッシャーが厳しい中でも同じようなプレーを見たい。
MFダニロ:今日は持ち過ぎるシーンが目立たず、バランス良く攻撃に絡んでいた。1得点2アシスト。左サイドの時のほうが、シュートに無理に行こうとせずに、周囲の状況を良く見ている?
MFガビ:一気に長い距離を走り抜けた得点シーンから、全快に近い回復では無いかと思われる。時間が短かったせいか運動量も衰えず、シュートも正確。
FWハース:先週よりも運動量が増え、コンディションは80%以上?安定したポストや、強烈なミドルシュートなど、鹿島戦にきっちりと合わせて来そうだ。
FW高橋:相変わらずの得点感覚。要田さんも結果を出しているが、今日のようなプレーを見ると、本番で使いたくなって仕方が無い。
−−−−−


練習試合後は、風邪をひかないようにハースがコーチングスタッフ用のジャージを羽織って入念にランニング。
ガビは、中牧・トンス・堀川を捕まえてシュート練習。ガビがGKを務めたり、時折笑いも起こる和やかな雰囲気だった。思った以上に、ガビも周囲に溶け込んでいて安心。GKの時のガビの動きがくねくねしていて怪しすぎるが(デュデク?(笑))そんな動きでも、中牧の5本のシュートを3本も止めるのはさすが!?



中牧も、芝の剥げたグラウンドで必死のセービング。
堀川の左右両足から繰り出されるシュート、トンスの枠に決まれば強烈なキャノン砲に必死に身体を張ってました。

まだ数名別メも居るものの、コンディションは良好。
さて、次は2位・鹿島戦。ベストメンバーで悔いの残らない戦いをして、勝たないと!

9/17(土)・第24節・大宮戦 2005年9月19日(月)22時53分19秒 deletemodify

大宮公園に行くのはサテライトも含めて三度目。
昭和の香りを感じる日本初のサッカー専用スタジアムだ。後援会バスを使ってスタジアムに到着すると、ジェフサポの長蛇の列。川崎でもそうだったが、神奈川やら埼玉のアウェイに行くと、こんなにジェフサポって多かったっけ?と錯覚する事がある。数年前までは、こんな事は無かったものだが。。。(ホームの客が増えないんだよなぁ)

開門して、スタンドに入ってみると、数ヶ月前に数人のジェフサポで応援をしたゴール裏は、もうかなりの人で埋まっていた。(しまった・・・『中島浩司ダイビングヘッドの地』の紙、忘れてきた・・・貼っておこうと思ったに・・・。)芝は・・・ちょっと酷すぎ。姉崎以上にボロボロ。怪我人さえ出なければ良いといった感じ。
ゴール裏は、スコアボードの下にシートを引いて、ビールを飲んだり、幕を張ったり、思い思いのまったりムード。しかも暑い!西日をまともに受けて、真夏と同じような日差し。多くのサポが、裏の狭い日陰に逃げ込んでいた。

とはいえ。狭いだけに、サッカーの応援をしている一体感を感じる事の出来るスタジアムだ。同じ埼玉とは言え、浦和とは違う穏やかな空気。ひなびた焼きそば屋といい、サテライトの試合でのエールの交換といい、良い意味で昔の雰囲気が残ってるクラブだ。


・・・さて、前置きが長くなったのは、試合の方にあまり観るべきものが無かったから。
大宮の厳しいプレス、加えていつでも・どこでも・どこへでも現れて、地上戦でも空中戦でも完璧にこなすCBトニーニョの存在は大きく、攻撃が形にならない。出鼻をくじかれ、ジェフの選手からは「個」で打開する意欲と、シュートを俺が撃つと言う気持ちが感じられなかった。特に前半は、勇人を右に、山岸を左に、ボランチに阿部と坂本を置く変則布陣。これが上手く噛みあわず、後半になっていつも通りに戻す事に。

さらに、前半2回も大さん・水本がミスパスから決定機を作られていては。。。
助かったのは大宮に決定力が無かった事だけ。山下にもガッチリとポストをこなされてしまっていたし、前半はほとんど良い所が無かった。決められていたら、セレッソ戦のような戦いになっていただろう。

後半になっても、目立った変化は無い。
1回、巻が抜け出して角度の無いところからシュートを撃ったのみ。後半になって、大宮もバテて来たのか、両チームともゴール前のチャンスが少なくなって、なんともメリハリがつきづらい。
自然と、交代選手のところに目が行ってしまう。まず準備に入ったのは晃樹。前半、水本が決定的なミスを犯したところから一気にアップスピードが上がり、後半開始から投入か?とも思われたが、15分過ぎまで投入されずにいた。すると、ビブスを脱いで投入体制にまでなったところで、急遽高橋が呼ばれてスイッチ。すると、ゴール前まで突入した林が足をつって交代・・・読んでいたの?これを?監督!?
高橋は、ボールの引き出し方が上手い。大宮の最終ラインに楔が打ち込まれたように感じた。

さらに、山岸に代えて今度こそ晃樹。羽生に代えて工藤。
これで前線に一気に流動性が出来た。そして、ジェフで言う左サイドで得たFKを晃樹がゴール前へ。これを相手GK荒谷が弾いて、詰めたのは勇人!サポーターの目の前へ、看板の上に立ち、煽る勇人。ようやく、試合にメリハリが生まれた。

時間も時間だったので、この後は相手をいなしつつ、時間を稼いで勝ち点3。上位を窺う、貴重な連勝となった。選手たちが口々に話したように、こう言うゲームに勝てるようになったのは成長の証なんだろう。
ただ、内容は褒められない。この勝ち点を活かして、次こそらしさと勝利の両方を掴んでほしい。

9/18(日)・練習試合・順天堂大学戦 2005年9月18日(日)22時43分9秒 deletemodify



スポレクパーク行って来ました。クルマなら行き方はカンタン。16号沿いにある八幡のトヨタの交差点を内陸側へ。そのままひたすら線路を越えて、八幡高校の横を通ってひたすら直進で到着。

ここは、W杯で建設予定だった県スタ(48,500人収容)の夢の跡・・・それだけに、さすがに広い!奥には館山道が通って、それまでがずーっと芝・芝・芝。天然芝3面+人工芝1面、それにただの広場になっているようなところまで含めると・・・さすがに鍛えられてるジェフの選手達でも冷や汗が出てしまうかも(笑)
これだと「広い練習場が欲しい!」とか思ってても、コンパクトな姉崎が恋しくなってしまったりして。


さて今日は、14時からがトップのクールダウンで、その後15時からがサテの練習試合。トップの選手のうち、この日ジェフスタの公開録画に参加した坂本・勇人や、ぴあトークバトルに参加した大輔・羽生・巻は不在。阿部や水本・イリアンらが軽いランニングをこなしていた。1時間ほど、軽く身体をほぐしてトップ組は上がり。

入れ替わりでサテライトチームが身体を温めはじめて、TGへと備えていた。
それにしても、暑い。。。残暑と言うには強烈な日差しと、全く身を隠すところが無いピッチのせいで、観ている側には結構きつかった。「観覧席」と案内板に書いてあったところも、芝生の「土手」。
ナイター設備や大きなクラブハウスが整備されれば、鹿島並みの施設になるはず、惜しい。市原市がちょっと本気になれば、日本に誇れるフットボールパークが出来るはずだ。


さて、TG。御大は、はじめ西日を気にしながらパイプ椅子
昨日途中出場した、高橋・水野・工藤も先発したベストメンバー。ただし、身体は重かったようで、内容的には良くなかった。


千葉3(0−1、3−0)1順天堂大学

【得点者】
31分:順天・19番(PK)
48分:千葉・森下(練習生)(中原?金東秀?)
59分:千葉・森下(練習生)(芳賀)
72分:千葉・金東秀(川淵)

【前半】

−−要田−−高橋−−

−−−−工藤−−−−
楽山−−−−−−水野
−−中島−−中原−−

−竹田−瀬戸−結城−

−−−−櫛野−−−−

【前半】
千葉:SH07/CK02/FK03/GK05/PK00/OFF02
順天:SH06/CK01/FK05/GK03/PK01/OFF00



ゲーム開始から、フィールドに響くのは順天堂大学の監督?の大声と、櫛野の怒声のみ。順大は、この監督の大声に促されるように局面局面で身体を張って、連動したプレーを見せていた。いい時のジェフと言えば、わかり易いだろうか。


↑ベンチの上に立って指揮する順大監督。「バランス・バランス〜!」と吼え続け、とても元気な方だ。

順大の出足に気圧されたジェフは、中々ペースを握る事が出来ない。
順大に比べて、声が出ずに細かいミスが重なる。押されてはさらに戻し、それにプレスをかけられ、苦し紛れのクリアをする。特に、リベロに入った瀬戸は、年齢的にも声を出して、自らも身体をもっと張ってリードしなくてはいけなかったはずだったが、残念ながら覇気に欠けたプレーに終始。いちばんこの暑さが堪えていたか?

前半の半ばまでは、順大のシュートチャンスが多く、ジェフはなかなかシュートが撃てない。攻撃は右の水野に偏りがちで、左のラクを有効に活かせない。9分の水野のファーストシュート(ミドル)の後は、しばらく停滞。18分になって、ようやく水野のライナー性のクロスを高橋がスルーして、左の要田へ。もう一度高橋に戻して、シュート。これでようやく2本目。

劣勢のまま、31分には中原が相手選手を倒してしまい、PKから失点。
その後、いくぶん持ち直して中原・ラクがシュートを放つものの、正直前半はいいところなし。0−1と言うスコアも妥当な内容だった。


【後半】

−−森下−金東秀−−

−−−−工藤−−−−
川淵−−−−−ダニロ
−−芳賀−−中原−−

−瀬戸−中島−結城−

−−−−岡本−−−−

交代・72分:工藤→ハース

【後半】
千葉:SH10/CK05/FK02/GK03/PK00/OFF03
順天:SH04/CK00/FK06/GK03/PK00/OFF00



後半に入る前、ヤンコーチとマンツーマンでトレーニングするハース。
まぁ、今日は出ないだろうと言うのが大方の見方だった。

後半、大幅にメンバーを入れ替えてスタート。
順大も、サブメンバー?に代わったせいか、前半ほどの勢いは無い。後半開始時から今度は一転してジェフペースになった。3分には、中原?金東秀?のパスを受けて抜け出た練習生の森下が、左足を一閃してあっさりと同点。この、森下と言うFW、背が高いワリに柔らかくて、いいポストが出来る。走る時のストライドも大きく、なんとなくヨーロッパ的な選手だ。
いい選手だが、課題もある。ジェフの中でやるにはスタミナがまだ足りない。後半途中からは、目に見えて消え始めた。加えて、安定感のあったポストが、果たしてJ1の厳しいプレッシャーの中で同じように出来るか。・・・とは言え、大学生のプレッシャーに負けていたプロ選手が多くいた事を考えれば、なかなかの逸材なのかも知れない。

前線に、森下と言うターゲットを得て、トンスが周囲を動き回る事で前線に動きが出来始める。52分・55分と浩平が立て続けにシュート。左の川淵も、WBではなくFWの動きで中に切れ込んで突破にかかる。
59分には、ショートコーナーから芳賀が上げたボールに森下が頭で合わせて逆転。良い流れをそのままゴールに出来るあたりに勝負強さを感じた。その後も、芳賀・中島浩司が次々とシュートを見舞う。
72分には、浩平からのロングパスが左の川淵へ。ドリブルで持ち込んで、中へ折り返したボールをトンスが押し込んで3−1。ようやくプロとしての体面を保ちはじめた。

ここで、試合の趨勢を決したと見たか、にわかにベンチが慌しくなる。
他の選手とボール遊びをしていたハースが、スネ当てを着け、「10」のトレーニングウェアを纏う。ほどなく浩平と交代。ハースがついに実戦に戻ってきた。ピッチサイドのファンからも、大きな拍手が起こる。ハースは、ゆっくりと芝を確かめるように歩き、トップ下に近い位置でボールを追った。



ゆっくりとした動き、まだ本調子では無いが、随所にらしい動きも。落ち着いてボールをためて、反転しながらボールをフィールドにたすきがけするように、前線に送る。他の選手がプレーを急ぐだけのところ、一人だけリズムが違う。まるで「焦るばかりじゃ上手くいかないんだよ」とプレーで語っているかのようだった。

15分間ほどのプレーだったが、ギアを上げていない以外は、全く普通にプレー。
接触プレーもほとんどなく、良い調整が出来たのでは。試合も、そのまま3−1で終了した。それでも、大きな一歩だった。




これだけ暑いと選手は厳しかっただろう。
ただ、その中でも厳しい事を言えば、もう少し声を出して連携を図っても良かったのでは。声だけなら、10−1で負けてるような状態。トップチームは声を出している。上を目指すサテだからこそ、端から見たら喧嘩しているかのような激しさをもって臨んで欲しいのだが。

目立った選手は、FW森下・左WB川淵。
特に2ゴールの森下はボールの引き出し方も良いので、面白い選手だ。川淵も、勝負しようとする姿勢がいい。明らかに動きは「WB」ではなく「FW」。チーム事情から、やむを得ず左をやているのだろうが、中で得点を獲る仕事に集中させてやりたいものだ。




練習後は、選手達がリヤカーを押して用具の片付け。のんびりとしたもの。
17時を過ぎ、夕日が西の東京湾に落ちて、東からは十五夜の満月が昇ってきた。最初にも書いたが、ナイター設備の無いのがスポレクパークの弱点。これからの季節、天然芝の稼働時間は短くなる。
せっかく、これだけのものを作ったんだ。国内有数と誇れるように、もう一頑張りしてくれないだろうか。>市原市

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